先月の能登半島地震に続き、海外では南太平洋のソロモン諸島沖での地震発生と、阪神淡路大震災以降も継続的に地震が続いています。

国や地方自治体も既存建物の耐震診断や耐震補強工事への助成事業、更に耐震改修に伴う税金の控除や地震保険料控除など耐震改修の促進に努めていますが、なかなか進んでいないのが実情のようです。

この様な状況の中、耐震診断等を無料でしてくれるのは、大変魅力的です。
建設大臣の許可を受けた事業者協同組合となればなおさら安心でしょう。

新聞の折込チラシやマスコミ等に取上げられている全国展開の某協同組合があります。
当方にも時々、このチラシの協同組合へ耐震診断を依頼したいが、無料診断は信用できるのかといった問合せがありますが、私は頭から否定はしないことにしています。
診断調査に行くのは、地元の工務店や設計士さんであり、彼らは組合費を納めている会員です。協同組合は、会員の会費で運営されているのであって、有料・無料は組織の運営にはさほど影響はないはずですし、現場の会員は無料診断から耐震改修工事へと繋がる事を期待しての営業活動と思われるからです。

大切なことは、診断調査に来られた方が、耐震診断のエキスパートで有るか否かということです。
これは一級建築士である事を意味しません。耐震診断の知識と経験の乏しい一級建築士に、適切な耐震診断が出来るとは言い切れないからです。

更に、本来は現場調査した者が耐震診断報告書を作成すべきです。当たり前の事ですが某協同組合においては、現場調査員は、マニュアルに沿ってチェックするだけで、後は協同組合の本部へ送ってコンピューター処理をしてもらい、返送したものを依頼主に届けるといった処方もあるように聞いています。
そこには、現場調査員の考察がどの程度、報告書に反映されているのかが、ポイントです。

以前ある方から、某協同組合に無料耐震診断を依頼したが、素人目でみても納得できない点があるので再診断をお願いしたいとの相談がありました。
次回は、この続きをお話します。

これが外付ホールダウン金物です
    ↓