上清水の家LDK南

LDKの続きです。南側の窓とその下のパネルヒーターを見てください。

窓は巾1間高さが1.8mあります。真ん中2つがFixで両側が引違になっています。2階の部屋の場合窓が拭けるかどうか、デザイン的にカッコ良くても窓の掃除が出来ないとのちのち困ってしまいます。

最近デザイナーズハウスっぽい住宅がもてはやされていますが、軒の出もなく掃除も出来ない窓が多く見かけられます。設計者もそうですが建て主さんもその辺しっかり考えておかないとあとで後悔することにもなりかねません。

この家のLDKは2階にあります。でもFixの窓の外側には玄関と客間の平屋の部分があって屋根はほぼフラットです。その屋根の上で窓ふきが出来るので、Fixとしました。一番奥の引違はその屋根に出る為のものです。一番手前の引違サッシの外側にはもう屋根がないので、ここは風通しと窓ふきのために引違です。全部引違だと縦框の線がうるさくスッキリしないので中2つはFixです。1間が4っで4間、7.2mの巾の開口です。北国では大きな部類でしょう。

そして、その下の白い物がパネルヒーターです。その部分の拡大です。
上清水の家パネルヒーター

これも窓の下ずっと7.2mあります。実際は3.5mのが2本ですが。
これがこのLDKの暖房です。この家が建った当時はLow-Eガラスは一般的ではありませんでした。したがってペアガラスです。当地の冬の一日の最低気温は-7°程度です。この冷気が窓から襲って来ます。ペアガラスでも防ぎきれません。冷たい空気は下へと落ちて行きます。そうすると頭は暖かいけれど足下が冷たくなってしまうということになります。その冷気を暖め上昇させるために窓下の暖房は有効です。もちろんその他の壁や天井、サッシの断熱性気密性の総合力が高くないと、いくら窓下に暖房があったって意味がありません。

高断熱高気密についてさまざまな意見があり反対的な立場の設計者も多数います。でも、北国にこのようにおおらかで開放的な空間をもたらしたことは私にとって素直に喜ばしいことです。

つづく