2010年 10月の記事一覧
送風の向きや窓との位置関係、カーテンレールと干渉しないか、室外機置き場は??
などなど、意外と考えることが多いものです。
今回はリビングが吹き抜けのこともあり、天井付のエアコンを選択↓
引っ越してからでも取り付け可能な壁付けのエアコンと違って、
天井を仕上げる前に先行配管が必要になります。
機種も限定されますし、工事費用もかさむということで割高にはなりますが・・
先行配管ですと、外壁に冷媒管も隠蔽できますし、外観的にもスッキリ。
このお宅では他に、寝室と隣接する書斎にマルチタイプのエアコンを先行配管。
え?マルチタイプのエアコンって何??と疑問でしょうか・・
マルチタイプとは、室外機一つで2~4台くらいの室内機を接続できるものです。
通常は室内機一つに室外機一つですよね。
何故今回このマルチタイプを選んだかと言いますと・・
書斎周辺に室外機を置く外のスペースが無かったからなのです。
また、マルチの場合、容量の大きいものと小さいものを組み合わせるのが良。
当然のことながら、書斎スペースは狭く容量が小さくてOKでしたので、
マルチタイプをオススメしました。こちらも、事前の先行配管工事が必要になります。
他にマルチの場合、エアコンのコンセントは室外機側になりますので、ご注意を。
また、全体の容量によっては、100Vでは足りず200Vが必要になることも。
事前に、どのタイプの機種を選ぶか決めておかないとまずいですね。
但し、価格的には家電量販店で売っている壁付エアコンにはかないません。
たいていの場合、必然性のあるところだけ建築本体工事に入れ、
その他の部屋のエアコンはお客さまに引越し後に購入してもらっています。
このように見積り時に工事金額を裁量をすることで、予算内に納めることも
設計者の大事な役割と言えるでしょう。
本日はメールマガジン第57号配信日
『家づくりのイロハ』の『ツ』 坪庭
と言いますか、急な冷え込みにちょっと足元が寒いくらいです(涙)。
今朝、我が家のソーラーシステムを秋冬モードにチェンジしてきました。
太陽熱で屋根下の空気を暖め(真冬でも60~80度くらいに上昇します!)、
その温風を床下に流し込んで、家中を床暖房しています。
初秋の今ごろのお天気の良い日、とっても気持ちの良い暖かさを堪能できます。
我が家と同様のシステムを使った現場の様子↓
何をしているのか?と言いますと・・
屋根下に集めた暖かい空気が外に漏れ出していないか煙検査をしています。
せっかく暖めた空気は逃がしたくないですから!
ですが、空気は透明で目に見えないので、発炎筒の白い煙をたき、
屋根面から煙が出てこないか確かめているところです。
幸い、ほとんど空気の漏れは確認されませんでした。
次は、床下の煙検査です。
屋根下よりもっと重要なのが、床下の機密性。
この床下のコンクリートに暖めた空気を蓄熱させるので、
ここで熱を逃がすわけにはいきません!!
がんがん発炎筒をたき・・
基礎と土台の間から空気の漏れはないか?をチェックしました。
なかなか優秀な現場でした。たいてい、1,2箇所は漏れが見つかるんですが。
いやぁ~、あたりはもうもうと白い煙に包まれ・・
近所の人に、119番通報されないか冷や冷やでした(笑)
↑こちらは、家の中の屋根下の様子
四角い箱が、このソーラーシステムの心臓部です。
今、穴のあいている部分にハンドリングボックスというものが取り付き、
床暖房したい時は床下に暖かい空気を送り、
夏場は逆に外へ熱い空気を追い出し、お湯に変えるという制御をしてくれます。
この『そよ風』のシステムは、オープンな技術で、誰でも使えます。
ほぼ同様のシステムで『OMソーラー』というものがあります(我が家はコチラ)が
OMは、加盟工務店でないと施工できませんので、
クローズな技術ということになりますね。
考え方はまったく同じなので、最近はオープンな技術の『そよ風』を使っています。
ところで、最近お客さまより、「地熱利用を考えたい」というご相談が。
こちらは過去に設計事例がありませんので、カタログや開発会社の説明を聞いて
その良し悪しを判断せざるを得ません。
上記のソーラーシステムについては、初設計が自宅でしたので、
体験をもってお客さまにその良さとそのデメリット(お天気に左右される等)を
お伝えし、ご提案ができるのですが・・・
お天気に左右されるソーラーシステムと違って、
地熱利用はその熱量が安定しているので、その点は評価できますね。
地下水が冬暖かく、夏冷たく感じるという体験のある方にはピンとくるかも。
夏は結構良いのでは?と想像ができるのですが、冬はどんなものなのか。
寒さ暑さの感じ方は人それぞれなので・・
なかなか難しいですね、やっぱり自分が体験してみませんと・・
かと言って、新技術が出るたびに自宅に取り入れるなんてことはできない訳で。
開発会社では地熱の体験ハウスを持っているようなので、
近いうちに体験は是非して来ようと思っています。
やはり、カタログや営業マンの話を鵜呑みにすることはできません。
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『家づくりのイロハ』の『ソ』増築
新築現場の1階床下の給水管の様子です。
『さや管ヘッダー方式』と言いまして、マンションなどで新たに開発された技術です。
木造戸建ての現場では初めてお目にかかりました。
さや管=ブルー、オレンジに見えているゴム管のこと。
このゴム管の中に水やお湯の給水・給湯管が入っています。
要するに、20年後、30年後、さやの中の配管が老朽化した時に
さやの中の配管だけを容易に交換できるように開発されたものです。
床下のスペースが取れないマンションでの採用はわかりますが・・
床下に十分スペースのある戸建てで必要かしらん・・
工務店さんのこだわりのようでした。
特に施工費が高くなるということもなかったので、設計者としてはノーコメントです。
良くも悪くも無いときは、工務店のこだわりにお任せしています。
現場においてそういった選択も多々あります。
とにかく、建て主さんの不利益にならなければ、良しです。
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『家づくりのイロハ』の『タ』畳
新築現場の1階床下の様子↓
この黒い墨のようなものはナニモノ?! ハイ、見ての通り炭です。
シロアリ避けのための防虫剤を塗ったところ。
木造住宅にはつきものの、防虫・防蟻対策。
シロアリに効果の高い薬は人体にも被害があり・・・
いったいどんなものを使うのが適切なのか・・
薬を撒いても、長くて5年ほどしか効果が無いとするなら、
そもそも撒く意味があるのか?
蟻に強い、ヒバやヒノキ材を使えばそれで良いのか・・
少なくとも、土の中にいるかもしれないシロアリの卵は退治しておきたい・・
今回の現場では、ヘルスコ・キュアと言う、炭から作った防虫・防蟻剤を採用。
舐めてもOK!人体に無害ということで。
通常は地面から1メートルまでの木部だけに塗るのですが、
工務店の社長の意向で、基礎のコンクリート面にも塗布。
今回は『そよ風』と言って、屋根で暖めた空気を床下のコンクリートにためて
床暖房する、というシステムを採用しているので、床下も室内のうち。
ということで、床下の空気清浄効果に期待して、土間にも炭を塗ったというわけ。
炭独特のちょっと焦げ臭いようなにおいが現場に漂っています。
乾くと、この臭いは消えるそうです。
『そよ風』を採用しているので、床下は常に乾燥しています。
水分が無いとシロアリは生きていけないので、特に心配はしていません。
防虫剤は無くても良いのでは?とも思っていますが、
まあ、安全に備えるに越したことはないので、塗ることにしました。
が、この薬剤が人体に害のあるようなものですと本末転倒になってしまうので
どんな薬剤を使うかは、慎重にならざるを得ません。
ですが、確実な答えが見つからないのも事実です。検証ができないので。
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『家づくりのイロハ』の『ム』無垢材