2010年 11月の記事一覧
半年ほど前、キッチンのリフォーム相談を受けたYさん宅へお邪魔してきました↓
実は相談を受けた時、リフォームの予算は100万円とお聞きしていて、
8畳のキッチンを全面リフォームするには予算的にかなり厳しいので、
窓やドアなどなるべく既存のものを使いながら少しでも使い勝手が良いように、
とプランを考えて提案し、図面だけお書きして、身を引きました。
100万円程度のリフォーム工事ですと、
既存のものを張り替えたり、機器を交換したりする限定的なものになります。
暮らしを変えるリフォームでないと、設計者の出番もあまりないので、
工事費の10%の設計料をいただくわけにもいかないし・・
今回はそんな内容でしたので、1枚図面をお書きし、『こうしたら使いやすいですよ』と
アドバイスするだけで充分な工事ができるだろうと判断し、身を引いたのです。
設計料分を、少しでも工事代金に充当てもらった方が良いと思いまして・・
もちろん、相談料はいただきました(2回の現地調査・相談料と図面代の計4万円)。
で、リフォームを終えた後にYさんからお招きをいただいたのでお訪ねしました。
大変満足していらして・・私が書いた図面もとても役にたったと喜んでいただいて・・。
『少しのアドバイスでも役にたててよかった!』と安堵していたところ・・
「実は、工事費が500万円を越えそうなんですよね・・・」と。
「予定になかったユニットバス工事も一緒にしてはもらったんですけど・・」
「工事が終わって一ヶ月なんですが、まだ請求書が来なくて・・」
あらら・・。それは心配ですね。
なるべく有効にお金を使ってもらおうと身を引いたことが裏目に出てしまったかしら・・
キッチンとお風呂のリフォームで500万円はちょっと高い・・・?
当初の予算の100万円が500万円に!というのにも驚きです。
新築、リフォームに限らず、お客さまからいただいた予算は絶対守らなきゃ!!
といつもあくせくしている私。あれ~、ちょっと律儀に仕事しすぎかなぁ~。
世の中的には、リフォームの工事費は見えづらい!といわれ続けていますが、
そんなことはありません。間に設計者が入ることで、工事費は常に透明です。
費用対効果のバランスが取れていることが何より大事です。
何だかわからないままに、工事費が増えちゃって・・・
そんな心配をしないですむように、家づくりには間に設計者を入れてください。
特に、グレーと言われるリフォームこそ、設計者の存在はとても大事です。
設計料10%を払っても、おつりはきます。
そんなことを痛感した出来事でした。
本日はメールマガジン第61号配信日です。
家づくりのイロハの『オ』 大谷石
↑ 工事途中のコンセントボックスの様子です。
壁の中に、こうしたボックスが埋め込まれているんですよ。
ですから壁の石膏ボードを貼る前に配線を終わらせなければなりません。
コンセントや照明のスイッチの取り付け位置など、
すべて設計段階でお客さまと決めているので、図面通りに施工していただければ
基本、問題はないはずですが・・電気屋さんが図面を見落とすという可能性もあり・・
この段階で、すべて位置を確認します。今回は一箇所見落としがありました。
トイレの中など当たり前のところにコンセントが付く場合には見落としはまず無いのですが、
今回見落としがあったのは、ウォークインクローゼットの中のコンセント。
通常、クローゼットの中には付きませんからね・・今回はお客さまの要望で付けました。
こういうところが、見落としやすいですね、特にこだわっているところは、事前にチェックしましょう!
また、注意したいのが、取り付けの高さです。
特に指定しない時には、床から25センチくらいのところにつけるのが一般的です。
しかしながら、デスクやカウンターの上で使いたいコンセントなどは
床から90センチくらいが使いやすいのでそのように図示しています。
意外とこの高さを見落とされることが多いので、要注意。
たかがコンセント、されどコンセント。使いたいところに、使いたい高さにコンセント。
それがあると無いとでは、使い勝手に違いが出ます。
電気製品の電気コード、意外と邪魔ですものね。
本日はメールマガジン第60号配信日です。
家づくりのイロハの『ノ』 野丁場(のちょうば)
↑別冊美しい部屋「快適な終の住みかを手に入れるリフォーム集」(主婦と生活社)のp30~p32で紹介いただいています。
3年ほど前にリフォームの設計・監理をさせていただいたお宅です。
取材撮影は猛暑の中でした。
「定年後は悠々自適で自分の生活を思いっきり楽しむわ!そのためには快適で使いやすい家が必須よ!」
と、いきいきと語っていらっしゃった奥さま。
家をつくるとは・・家を作るようでいて、実は、暮らしを作ることなのですね。
家づくりは目的ではなく、手段にすぎない。究極の目的は自分らしい生き方を楽しむこと。
そんな楽しみの演出家が、いわば設計者ということでしょう。
縁あった人の人生にかかわれるなんて、なんて幸せな仕事でしょう、その分、責任も重いですね。
設計者との相性の悪さで、その人の人生が暗くなってしまったら・・それこそ、取り返しがつきません。
設計者自身の人磨きも大切ですね。毎日自分を磨いて生きているだろうか。ボンヤリしていてはいけませんね。
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シリーズ『家づくりのイロハ』の『ウ』ウォークインクロゼット