先日、古い商店街に面するお店の店舗改装の相談で、店主とお会いしてきました。

店舗相談の時には必ず、事前に、一消費者の気分でお店の廻りをウロツキます(苦笑)。
今回も約束の一時間ほど前に到着し、しばし、あたりをウロウロ。
事前のメール相談で、道からお店が見えづらいのが難点、との情報を得ていました。
それはどんな具合??とまずはチェック。店前の様子↓

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シンボルツリーが良い感じです(のぼり旗がちと、邪魔ですが・汗)
今は冬なので葉が落ちていますが、新緑の頃はきっとキレイでしょう。

さて、いよいよご相談開始です。店主、開口一番「店前の木を切ろうと思うのですが。」
ええ??とっても良い感じなのに、何故??

店主「特に考えはないのですが・・店が通りから見えづらいかな、と思って」

私「お客さんは、この商店街を毎日通る常連さんばかりですよね?
  外部からふらっと立ち寄る人はいないと思いますがどうですか?」

店主「確かにおっしゃるとおりです」

私「でしたら、店の存在が通りから見えづらい云々は考える必要はありませんね、
  地元の人は皆、ここがどんなお店だか知り尽くしているわけですから。」

店主「それもそうですよね・・そういえば駅前の樹木が切られて、寂しい思いをしたことを思い出しました」

緑は人の気持ちを癒してくれます、これは万人に共通で間違いのないこと。
むしろ、シンボルツリーの存在が人を呼んでくれるでしょう。

お店の改装は、売り上げが落ち込んだり、先々が見えにくくなっている時に思い立つことも多いでしょう。
現状を何かしら変えれば(木を切れば?)何か、新たな展開が開けるように錯覚してしまうこともあるかもしれません。
半歩ひいて、今のお店の魅力的なところ、そうでないところを冷静に洗い出したいものです。

その後、店内のレイアウト等について、熱く語り合ったことは言うまでもありません。
お客さまの居心地の良さはどうか、店内の作業効率はどうか・・両者のバランスを考えることが何より大事。
住宅も店舗も同じ。まずは全体を俯瞰する目を持つこと。細部はそれから詰めればよいことです。
その順番を間違わないように。

本日はメールマガジン第76号配信日です。
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