設計事務所の仕事には設計の他に『監理』というものがあります

現場の工程管理や材料の手配をする現場監督ではなく

建築確認をとった内容で(図面通り)工事がされているかをチェックするのが工事監理者です


100㎡(30坪)を越える住宅を建てる場合、建主は工事監理者を定めることになっています

確認申請書2面に記入する欄があり一般的には設計者が引き続き担当します


設計事務所として登録している工務店や建設会社の中には自社で確認申請を行っており

設計者・監理者・施工者が資格を持っている社長や社員だったりします

施工者と監理者が同じでは意味が無いので信頼関係が築けていない場合は注意!


設計と確認申請(代理者)と工事監理を設計事務所に外注する工務店の場合は

工務店を通して設計事務所に監理を依頼することになってしまっています
(契約は直接しなければいけないのですが)

設計者として工事監理を行うにあたり見逃したりすることは有資格者としては出来ないこと

しかしクライアントが施工者では立場的に優位とは言えませんし工法や仕様は

施工者側の規定によるところが大きいので基準法上チェックが必要なポイント以外は見ません

この辺が問題だった為、設計者・監理者に対する罰則が強化されたわけです


クライアントが施工者の現場で配筋のかぶり厚が取れていない部分を発見

現場監督に是正を指示しましたが一旦現場を離れ戻った時にはコンクリートが打たれていました

その間に直したということですが確認できていません


クライアントが建築主で施工者も建築主が選定した現場で検査前にコンクリートを打たれた時は

現場監督は指示だけして本人も未確認な状態「壊してやり直せ!」くらいの勢いでしたが

たまたま建築主が撮っていた写真で確認し建築主が納得したので工事は続けられました

初めて会ったときに「ちゃんとやりますから信用してください」と自分から言った施工者

こういうことを言うヤツほど信用できないっていう典型的な出来事でした


設計事務所に頼むと奇抜な造りで高くつく上に設計料が高いからと思われていますが

特殊な工法・一般的でない材料や使用方法などは避けて一般的な造りであれば

間取りの提案・検討や使用材料のアドヴァイス・選定+建築士ならではのローコストなアイディア

工務店の選定に入札をすればハウスメーカー等にお願いするより安いかもしれません

その上、監理契約を直接行えるので工事施工者に対して工事監理も良い立場で行えます


一生に一度の大きな買い物ですから失敗しないためには建て主も勉強する必要はあります

自分で建てられる人はいいですが誰かに頼んで建ててもらうなら第3者の視点も必要です

安心はタダではない時代ですから