2009年 9月の記事一覧

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09年09月18日 07時18分00秒
Posted by: hemlock
私が大の地面好き、と知ってか知らぬか、

10年ほど前に私の設計で建てたオーナーから、

苦心の庭を愛でるための離れをつくってほしいと

設計依頼がありました。

だったら半地下でしょう!と絵にして差し上げました。


庭は八ヶ岳西麓の自然を凝縮したような

一見何の手入れをしていないような庭。

実はこれが一番手がかかるのです。


その維持に最近疲れが出てきたオーナーは

庭面積を少しでも減らせてなおかつ、

庭を室内から愛でる庵をつくろう、という結論に達した様です。


母屋から見てさりげなく庭木に紛れ、

そのインテリアからは美しい地面、山野草、潅木

そして樹と、全てが我が物にできる充実感。

「半地下」とは地面との関係をデザインする技です。
09年09月12日 06時25分00秒
Posted by: hemlock
サンルームの設計について、

私はよく金魚鉢にたとえて説明します。


お祭りですくってきたかわいい金魚を

ガラスの金魚鉢で飼う時、まずどうしますか?

底にきれいな玉砂利を敷きますね。

そして水を張って水草を浮かせたりします。

金魚は快適そうに泳ぐでしょう。


日中四方から太陽を取り込みますが

水は熱容量が大きいとはいえ

夜ともなれば熱はどんどん逃げて

水温は急下降してしまいます。

金魚はたまりません。熱を蓄えておく機能が必要です。

それが底に敷いた玉砂利です。

石は熱容量が大きいですから

日中の太陽熱を吸収して超高温になることを防ぎ、

夜間はゆっくりと放熱して水温低下を防ぐわけです。


無尽蔵の太陽エネルギーを冬期家いっぱいに

取り込むのは誰もが当たり前に望むことです。

ただその熱エネルギーも昼間は室内を

暖めたとしても夜間ともなれば

あっという間に散逸して急に温度低下します。


熱をいっぱいに取り込みそれを貯金しておく。

これがサンルームです。

そのかわり、夏は逆に出来るだけ開放的になり、

ことに夜間は床付近に直接夜風が当たるように

設計しておく必要があります。


サンルームはよくよく考えて設計しないと

効果がないばかりか大変始末の悪いものに

なります。
09年09月11日 06時52分00秒
Posted by: hemlock
 白樺湖の下の、よく手入れされた英ガーデン。

人気観光スポットになっている。

その入り口の辺りにとてもいい具合に

ゴールデンアカシアがある。

遠景の中にも映え、良い目印にもなっている。


なぜか皆これを真似る。

いつの間にか植木屋さんの人気樹種になった。

河川堤防の保護のために植えるニセアカシアと同様

旺盛な繁殖で根を張り巡らすのだ。

短期間のうちに大地を被う。

在来種はひとたまりもない。


あろうことか白樺湖畔にゴールデンアカシアを

50万株も植えて「黄金の森」などと言って

客寄せをしているから腰を抜かした。

やっていいことと悪いことがある。

大変なことになる。


関西の団地になぜか外来種のカタツムリが大発生!

とニュースが伝えた。地元の子どもたちを集めて

大捕り物だ。そしてさらにそのカタツムリを

エスカルゴ料理にして食べてしまおう

というからすごい。

さすが関西の方々はやることがウィットに富んでいる。


なにはともあれ、

この高原ではめっきりカタツムリを見なくなった。

いったい何が起こっているのか?
09年09月05日 11時04分16秒
Posted by: hemlock
秋風の吹くこのころは

夏の薪作りの疲れも忘れ

心ごと暖めてくれる薪ストーブ生活が

待ち遠しくなります。


毎年11月1日ごろ、

枯れススキの穂を真っ白にする霜が降ります。

だから我がヘムロックヒルでは11月1日を

ストーブ始めの日と決めています。


本当のことを言うとそれよりも前に

寒くて火入れしたくなる日もあります。

でも、我慢するんです。

寒ければセーターの一枚でも着ればよいのですから。
09年09月04日 06時18分00秒
Posted by: hemlock
自然の地面を、しばし目を凝らして観て見よう。

常に動き回る多くの蟻や蝶などの昆虫、

微風にゆれる小さな草花、

光と影・・・・・・・。

生命に満ち溢れた、

それでいて人の生活とは無縁な

時、気、水が流れている。


そんなすばらしい地面を、

もっと直接的に室内空間に取り込んでみたい。

自然と一体感を味わいたいのだ。


そこで半地下だ。

小川のせせらぎに沿って、囲炉裏庵を地面に埋めた。

座した視線と、すぐ側にある笹の葉、

小川の光るせせらぎ、どこまでも広がる草の地面。

人の時間尺度とはちがう時間が流れる。

大地の実感が絶対的な安心感を

もたらしてくれる。
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