2009年 12月の記事一覧
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この森全体の伏流水、表流水がこの敷地には流れ込んでいます。
母屋はそのリスクから免れるために
唯一小高くなったところに
去年完成しました。
今度は、星を見ながら寝るベッドルームの増築を依頼されました。
建築可能なスペースは沢地です。
小川のせせらぎは冬も絶えることなくさらさらと流れつづけます。
音や、風の流れ、景観は美しくても
ここに建築、となると難題です。
コンクリート造の床にして
壁柱で宙に浮かすことにしました。
風、水、動物は滞りなくすり抜ける事ができます。
床全体が宙に浮いたベッド、という建築です。
母屋はそのリスクから免れるために
唯一小高くなったところに
去年完成しました。
今度は、星を見ながら寝るベッドルームの増築を依頼されました。
建築可能なスペースは沢地です。
小川のせせらぎは冬も絶えることなくさらさらと流れつづけます。
音や、風の流れ、景観は美しくても
ここに建築、となると難題です。
コンクリート造の床にして
壁柱で宙に浮かすことにしました。
風、水、動物は滞りなくすり抜ける事ができます。
床全体が宙に浮いたベッド、という建築です。
悩みぐせのついてしまっている私は些細な事で悩みます。
肉は網で焼いた方がうまいのか、
鉄板で焼いた方がうまいのか?
高級なステーキ屋さんに行くと「これだけの良い肉ですから焼くのはお任せください。」
などと言われて目の前の鉄板で職人さんが焼いてくれたりします。
かといって焼肉屋さんに行って網焼きでなかったことなんかありません。
・・・・・・悩むわけです。
ジャガイモ皆さん好きですね。
でも網焼きすると表面ががりがりに乾いてしまってまずいです。
鉄板にベーコンを焼いたときに出たたっぷりの油で
揚げるように焼くのが好きです。
・・・・・・悩むわけです。
そんなわけでバーベキューグリルは同時に網と鉄板が
使える事が望ましいと常々唱えていた私に
バーベキューグリルの設計の仕事が来ました。
このほど完成したので大公開です。
高床のウッドデッキに荷重をかけないデザイン、
灰やゴミを簡単に水洗いできるデザイン、
などなど・・・・。
アイデア満載です。
肉は網で焼いた方がうまいのか、
鉄板で焼いた方がうまいのか?
高級なステーキ屋さんに行くと「これだけの良い肉ですから焼くのはお任せください。」
などと言われて目の前の鉄板で職人さんが焼いてくれたりします。
かといって焼肉屋さんに行って網焼きでなかったことなんかありません。
・・・・・・悩むわけです。
ジャガイモ皆さん好きですね。
でも網焼きすると表面ががりがりに乾いてしまってまずいです。
鉄板にベーコンを焼いたときに出たたっぷりの油で
揚げるように焼くのが好きです。
・・・・・・悩むわけです。
そんなわけでバーベキューグリルは同時に網と鉄板が
使える事が望ましいと常々唱えていた私に
バーベキューグリルの設計の仕事が来ました。
このほど完成したので大公開です。
高床のウッドデッキに荷重をかけないデザイン、
灰やゴミを簡単に水洗いできるデザイン、
などなど・・・・。
アイデア満載です。
飛騨の古民家を訪ね歩いたとき、農家の造りは合理性に満ちていて
現代の住デザインのヒントが多くあることに驚きました。
限られた資材、人力、情報で極限まで洗練されたデザインは、
「美しい」と思いました。
さて、そんな農家には重要な働き手としての馬を納める家畜小屋がありました。
現代社会においてなくてはならない道具として、また働き手としてのクルマを
格納するガレージと同じことです。
クルマは巨大です。ましてや2台以上ともなるとそれを格納するスペースは
大きな容量となります。
人の生活スケールと比べて、ただ道具を格納するだけのスペースでありながら
バランスを欠いたボリュームです。
建築コスト的にも形態処理的にもいつもながら苦慮するところです。
こんな悩みは何も今に始まったわけではありません。
クルマ社会の入口にあったF.L.ライトの時代も同様だったのでしょう。
ライトは「カーポート」という概念を考案した最初の人といわれています。
建物庇を長く延長して空間を作り、そこをクルマの駐車スペースとするとともに
豊かなエントランスポーチとしてみせました。
ヒューマンスケールと乖離したガランドウスペースは壁が取り払われて、
豊かな周辺環境がすり抜ける、
外と内の中間領域としての価値が与えられたのでした。
現代の住デザインのヒントが多くあることに驚きました。
限られた資材、人力、情報で極限まで洗練されたデザインは、
「美しい」と思いました。
さて、そんな農家には重要な働き手としての馬を納める家畜小屋がありました。
現代社会においてなくてはならない道具として、また働き手としてのクルマを
格納するガレージと同じことです。
クルマは巨大です。ましてや2台以上ともなるとそれを格納するスペースは
大きな容量となります。
人の生活スケールと比べて、ただ道具を格納するだけのスペースでありながら
バランスを欠いたボリュームです。
建築コスト的にも形態処理的にもいつもながら苦慮するところです。
こんな悩みは何も今に始まったわけではありません。
クルマ社会の入口にあったF.L.ライトの時代も同様だったのでしょう。
ライトは「カーポート」という概念を考案した最初の人といわれています。
建物庇を長く延長して空間を作り、そこをクルマの駐車スペースとするとともに
豊かなエントランスポーチとしてみせました。
ヒューマンスケールと乖離したガランドウスペースは壁が取り払われて、
豊かな周辺環境がすり抜ける、
外と内の中間領域としての価値が与えられたのでした。
「大自然の中で建築をしたい。」
私の切なる思いは、18年間八ヶ岳の自然との対話であったと同時に
F.L.ライトの自然観、価値観の模索でもありました。
タリアセン イースト、ウエストを訪ねその言葉が聞こえてくるような、
そして同じ職業人としての苦労の賜物としての建築にふれ、
自身のなすべきことについて何度となく軌道修正をしながらも
今に至っています。
そうした時、F.L.ライトの没後50年記念事業参加への誘いが来ました。
11月29日上野の芸大においてシンポジュウム、そしてライトが当時毎週
催していたという晩餐会再現、と盛りだくさんの内容でした。
写真はその料理です。タリアセンからレシピをいただき
芸大レストランのシェフが見事に再現して見せました。
このワンプレートの他にサラダとビスケットそれにデザートが付きました。
50年以上も昔に一建築家の事務所が毎週末、しかもウィスコンシンやフェニックスの
山奥で晩餐会をやっていたんですよ!
シェフなんていません。コック、給仕とすべて弟子のフェローたちが
順番でやっていたそうです。
当時フェローとしてタリアセンにいた先輩方から貴重な体験談をいただきました。
帰国したらレストランを開けるくらいに料理上手になったそうです。
その辺からもライトの建築観をうかがい知ることができます。
大変刺激的な一夜の出来事でした。
私の切なる思いは、18年間八ヶ岳の自然との対話であったと同時に
F.L.ライトの自然観、価値観の模索でもありました。
タリアセン イースト、ウエストを訪ねその言葉が聞こえてくるような、
そして同じ職業人としての苦労の賜物としての建築にふれ、
自身のなすべきことについて何度となく軌道修正をしながらも
今に至っています。
そうした時、F.L.ライトの没後50年記念事業参加への誘いが来ました。
11月29日上野の芸大においてシンポジュウム、そしてライトが当時毎週
催していたという晩餐会再現、と盛りだくさんの内容でした。
写真はその料理です。タリアセンからレシピをいただき
芸大レストランのシェフが見事に再現して見せました。
このワンプレートの他にサラダとビスケットそれにデザートが付きました。
50年以上も昔に一建築家の事務所が毎週末、しかもウィスコンシンやフェニックスの
山奥で晩餐会をやっていたんですよ!
シェフなんていません。コック、給仕とすべて弟子のフェローたちが
順番でやっていたそうです。
当時フェローとしてタリアセンにいた先輩方から貴重な体験談をいただきました。
帰国したらレストランを開けるくらいに料理上手になったそうです。
その辺からもライトの建築観をうかがい知ることができます。
大変刺激的な一夜の出来事でした。
山岳地での建築では、それに関わる設計者を筆頭に
施工店、職人、最終的には事業主に至るまであるマナーが必要です。
そのマナーとは、建築行為によって少なからず阻害される、
自然の流れを最小限に食い止めなくてはいけない、ということです。
その一つに、自然地形、地面の傾斜やうねりの尊守です。
自然地形は人間がそのエリアに入り込む以前の何万年という
歳月の集積の上に形成された必然の姿です。
これを人間の勝手でいじくり回してはいけない、というマナーです。
建築を傾斜面に沿って設計、建設することは技術のいることです。
なんの躊躇もなく地面をカットして平に造成し、設計、建設の都合を優先することは
間違いだと思うのです。
強い傾斜を背後にもつ写真の建築は
表流雨水や伏流水を受け流すためにR状にしています。
木造の居住部はRC造のピロティーで持ち上げた2階です。
マナーは同時に重要なデザインプログラムでもあります。
施工店、職人、最終的には事業主に至るまであるマナーが必要です。
そのマナーとは、建築行為によって少なからず阻害される、
自然の流れを最小限に食い止めなくてはいけない、ということです。
その一つに、自然地形、地面の傾斜やうねりの尊守です。
自然地形は人間がそのエリアに入り込む以前の何万年という
歳月の集積の上に形成された必然の姿です。
これを人間の勝手でいじくり回してはいけない、というマナーです。
建築を傾斜面に沿って設計、建設することは技術のいることです。
なんの躊躇もなく地面をカットして平に造成し、設計、建設の都合を優先することは
間違いだと思うのです。
強い傾斜を背後にもつ写真の建築は
表流雨水や伏流水を受け流すためにR状にしています。
木造の居住部はRC造のピロティーで持ち上げた2階です。
マナーは同時に重要なデザインプログラムでもあります。
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