建材を多用する家と違い、

私の設計では、

一ヶ所一ヶ所ていねいにディテールを練り、

図面化して、

大工と喧々囂々打合せし、

造っていく。


そうした事に対応できる大工も、

最近では限られてきたように思います。


大工が常用（社員）というような事は

めったにありません。

ですから工事店は違っても

同じ大工がめぐってきたり、

建て方の応援大工が、

偶然にも違う工事店でやっている

私の設計した現場の棟梁だったりして、

驚かされたりします。


ここ八ヶ岳では私たちは大工から「設計屋さん」と呼ばれます。


またきっとどこかで会うね。

風雨や森林の発散するヤニにさらされても

腐ったり、

汚れたりしないベンチ。

私の自信作です。


皆さん！

このベンチにどうやって座りますか？

普通に座りますよね。

当たり前です。

そのようにデザインしてあるんですから。

ところがこの家の娘さんは違った。


森を向いて足ぶら状態で座るんですって！

森を向いて、

ご飯を食べたり、

宿題をしたりして、

時々消しゴムが落ちてしまっても

いいんですって。


そんなわけで背もたれにかみ合うように

マイテーブル板を必要に応じて置くんです。


こういった柔軟な発想力、

いつの間にか

どこかに置き忘れてしまったのかな・・・・・・・・・？

国産材の使用にこだわり、

素材の生体感にこだわり、

私も大ファンの若いご夫妻と子供たちの家。


いよいよ木工事完了し、

仕上工事に移りました。


つるつるぴかぴかのものよりも、

多少ゆがんだものの方が良いですね。


そんなわけで屋根は立ちはぜ葺き、

壁は藁入りの土色塗り壁、

そして天竜杉の板に柿渋（ウッドロングエコ）。


あと１ヶ月で完成！

きのこがもう出ていました。

今年は当たり年かな？

胸がときめきます。

条件反射的に採って

ポケットに入れて帰ってきました。

ひだがスポンジ状ですから

イグチ科であることはっきり分りますが

見慣れないきのこです。

きっと食べた事ありません。

早速図鑑で調べると・・・・・・・。

十中八九コウジタケで食用可、だと思うんですけど・・・・・・・。

近似の毒キノコがある！

でもとてもいいにおいだ。

毒キノコはすばらしくおいしいとも聞く・・・・・。


食べてしまおうか・・・迷う。

二つの切り妻屋根が頂点を同じくして交わる、

相関立体屋根の家です。

この超難易度の高い梁の刻みを

いまどきはプレカット工場で

やってきてしまうというから驚きです。

寸分の狂いもなくピタッと納まっています。