わたしが活動のフィールドにしている高原では、

ログ派、ヨーロッパ田舎屋派、北米コロニアル派、

などどちらかというと既成のスタイルにはめて

建てたい人が多い。

そんな中で私のする、建て主のライフスタイル、

土地固有の要求を純粋に、忠実に

建築化しようとするモダンスタイルは

やはり少数派の選択だ。


北欧スタイルのログが大好きな一方、

コルビュジェのサヴォワ邸のような正統な

モダンも大好き、そんなむずかしい要求をする

方がいて、私に設計の声がかかった。


通常、ログを指向する建て主は間違っても

私のところには来ない。

仮に来ても丁寧にお断りするだろう。

ログの構造基準は、この国では研究が未開拓で

ヨーロッパのそれに比べて格段に

設計の自由度が低いのが現状と、

決めてかかっているふしはある。


しかしながら、この建て主の要求を満たすには

RC造とログの混構造となり、

軽やかに宙に浮かすことなど不可能なのだ。

じゃあ方法はないのか?


RC造とログの異なる質感が

バランスよく融合している・・・・。

そんな建築表現を模索した。


そして、直径6mのコンクリートシリンダーが

ログボックスを持ち上げて浮かしている、

というアイデアに至った。null