古くから森林の豊富なアジアでは紙の文化が育った。

日本や朝鮮では、この紙を建具に用いて

西欧のガラスのように使った。


雪深い地方の古民家を訪ねて、

障子と雨戸だけの開口部に新鮮な

驚きを経験したことはないだろうか。

障子紙は外気を遮断するだけでなく

光を透過、拡散させ熱交換機能もある。

桟の両面に太鼓張りすれば

大きな断熱効果も期待できる。


障子の格子は様々なデザインバリエーションを生んだ。

空間に連続感や緊張感を与えたり、奥行き感を

強調したりと、日本人の美意識の底を

流れている。


障子の一般的な使い方にとらわれず

独特の透過性を利用して様々な使い方を試みた。

そのひとつが「光行灯ブリッジ」。

吹き抜け空間の中央を貫く、

ブリッジ状の通路を障子で包んだ。

照明を巧みに組み込み、

大きな照明ボックス、光行灯にもなる。


ここを通る度、わくわくとした浮遊感を味わうことになる。