合板は所詮合板、下地材程度と

思われている方は多いと思う。

しかしながら現代建築においてはもはや、

この合板抜きには成立しない。

構造強度も得られないし、釘の利く下地としては

欠かせないし、家具、建具も無しではあり得ない。


つい最近、合板を一切使わずに住宅を建ててほしい、

と要望された。それでいてQ1並の高気密、高断熱

もほしいと。真剣に悩んだ末、無理と結論した。


さて、私は合板が嫌いではない。

15年前に建てた自邸は、吉村順三をまねて

ラワン合板づくしとした。

ここ数年は米松板目(中杢柄)を好んで、

壁や建具に使っている。

かつては、定尺版を目透かし3ミリ、目地底に

同材の付き板、というのが定番であったが、

最近ではこの合板の断面が見えるのが

たまらなくいやになった。

そこで継ぎ目に目押し縁をする。

米松のあめ色と対比させてスプルースにしてみたり

赤く硬質のカリンにしてみたりする。

今度はアルミのジョイナーを使ってみようと思う。