今日の話は、庇その3-建築が大地と空と関係する。

庇というデザイン要素で、日照調整や中間領域づくり
の他に、私の場合もう一つ、重要な機能を持たせます。

庇は多くの場合、直線とその組み合わせです。
直線は、地球上のおおくの生物の中でも、
人にしか駆使できません。でも、何も人が考案したのではなく、やはり自然界に潜在するもので
人はそれを発見したに過ぎません。

庇で、強い水平線をつくることは、人の行動を規定する
とともに、美しく波打つ大地と対比させることで、
「美」という価値を生みます。そして、空に登る傾斜した
線を強調することで、空との関係をつくり、やはり
「美」を生みます。

固有の環境に人工物をはめたとき、建築という価値づくりに庇というデザイン要素をうまく使うわけです。