５年前、茶の湯文化を楽しみたいと考えていた時期に美術工芸品の通販で実績がある
企業の新聞広告に目がとまった中身は、各地の名窯から味わい深い秀作を集めて届け
る特選抹茶茶碗十二撰「名窯紀行匠の技」との触れ込みが気に入り申し込むことにな
りました。

その後、体験していくうち、茶の湯を完成させた男、品物から空間さらにはグラフィックやイベントプロデュースにいたるまで、あらゆる分野に才能を発揮した「千利休」と建築のデザイン、それぞれ追及する世界の原点が同じであると強く共感し、更に小生の好みと「値高きがゆえに尊からず」の精神で、気鋭の陶芸家による１２作品を集め、
「茶の湯の安らぎと嗜み」の深い道をゆっくり歩いてています。

１０周年を迎えたハリウッド映画、ブロードウェイミュージカルが
微笑むテーマパークで名の知れた、ユニバーサルジャパンや、区役所
にも近い大阪市の西部、此花区春日出に位置する。

小生作品一の最多階数となる地上７階建で、建物配置を２１４０mm
道路境界よりセットバックさせる事により道路斜線制限から逃れている。

１階部分は２DKタイプ１戸、２～７階は専有床面積が３０平方メートル
で、少し広めのワンルームタイプが各階２戸左右に並び、寄棟の勾配
屋根には避難階段で上れるELV機械が座るＰＨ階が突き出し、屋根部
は非常時の逃げ場にもなる賃貸集合住宅である。
又地上７階以上で適用が義務化されている消防設備の連結送水管
（サイアミーズ・コネクション）の採用も初めての実績となりました。

今春、芥川賞のW受賞者の一人、西村賢太氏は「中卒・逮捕歴あり」こそわが財産と自負し、体験を材料にする作家で「生涯の師」と仰ぎ、私小説家の散逸している全作品を集め「藤澤清造全集」全七巻を自分一人で作ってやろうと決めたところも大変気に入っている。
この作品は、風俗営業許可申請を得意とされている行政書士の紹介で、実話を近松門左衛門が作った人形浄瑠璃「曽根崎心中」の舞台である、通称「お初天神」さんがひかえる大阪で一二を争う、お初天神通り商店街に面していると聞き俄然小生の触手が動いた次第である。
相談の内容は、角地でＳ造４階建の既存店舗の１～２階をゲームセンター、３～４階を事務所としてリニューアルしたいとの厚い要望でした。

特に、用途変更部分の床面積が１００㎡以上となる為、建築確認申請（用途変更）が発生するので、役所で建物の履歴を調査したところ古い建物でしたが、運よく仮使用承認の許可番号が記録書類で見つかり、構造建築士による構造解析の安全証明をなんとか果たし、念願の場所での工事着手にこぎ着けられオープンの際に施主さんから、これからも長い付き合いを希望するとの労いの言葉は、今も心地よく耳に残っています。

大阪駅の梅田から東方に約１km、近くには住まいのミュージアム
「大阪くらしの今昔館」北区役所などもある、東西にのびるアー
ケード付商店街通りから一本北寄りの木造民家が多く混在する場所
に、小さなＳ造４階建、店舗付単身者タイプの集合住宅がある。

小生の新築作品の約三割は、商業地域で防火指定の特性があるもの
の、民法第２３４条（境界線付近の建築）に、隣地境界線より５０
cm以上の距離を在することを要す、とうたわれている条文に反し、
周囲の環境、クライアントの利益などを関係者のみなさんが許容し
て下さった結果、空き寸法がほとんどない建物でありながら、計画
段階から竣工後１年以内に、廃止又は変更、損害賠償などの請求を
受けたことが一度もなく、特にやり難い工事を手がけてくれた各施工者
に対して、感謝の念を忘れたことはありません。