前々回の建築士ブログと同じ吹田市にあり、ＪＲ東海道本線
吹田駅の北側は、煙突のないオシャレなアサヒビールの吹田
工場が独占している為、南側のみに出入口があり、ショッピ
ングセンターをはじめ南北・東西の軸にいろいろな駅前商店
通りが行きかう活気あるまちだと思う。
大阪駅の梅田に近過ぎるため急行列車は停まりませんが、歩
いて５分の比較的便利な場所にある、Ｓ造地上４階建ての店
舗付き賃貸集合住宅である。
北側の歩道付き幹線道路と南側の生活道路とに挟まれた縦長
の敷地で、１階が店舗と１ＤＫタイプ１戸、２階から４階が
１ＤＫと２ＤＫタイプからなる、プチマンションである。

先日、２２年経ったこの建物と久しぶりに出会う機会があり
外観を見渡すと、白色の二丁掛けタイルを縦横に貼り分けた
ファサードは今だ鮮度が高く、作品のメンテナンスも丁寧に
されており、孫の成長を見守る我が気持と同じ心地よさを感じました。

以前、建築士ブログに投稿した「川沿いに建つアトリエ付き住宅」
と隣り合い、うら側は緑豊かな池が広がる敷地は、親が遺してくれ
た１００坪を超える土地を、仲の良い四人兄弟の合意のもと弟さん
が約４０坪を相続で受け取り名義変更された機会に、亡き父親の事
業を引き継いだ思い出深いこの場所で建替えを決断し、甦った営業
所も兼ねる作業場付き住宅である。

１階の作業場は鉄骨の柱・梁に外部の側面を打ち放しコンクリート
で巻き、天面をＱＬデッキプレートで覆ったスケルトン仕上げで、
正面右端にある鉄骨階段を昇ると、木造在来工法による共用のホー
ルがあり、３階に向かう廻り階段をはさんで、左側は事務所・右側
は住まいのＬＤＫ・ウォーターセクションのゾーンとに分かれている。
３階も同じ二つの空間、寝室と子供部屋とに分かれており南立面には
共用のバルコニーがついている。

特に３階の空間が、２階から伸びる９寸勾配のカラー鉄板の瓦棒葺
屋根の途中から１ｍ弱突き出しており北立面を覘くと同一仕上がり
なので、小屋裏収納かロフトか何かに思われるかもしれません。

大阪万博の開催地でアサヒビールの創業地でもある人口３５万余
を抱える吹田市に在り、市役所の前で停まる阪急電鉄の駅から北
に４００ｍ程向かった、丘の高台にＷ造２階の住宅が建っている。

東斜面には、神社と約４ｈａの市民公園が広がり、南斜面には
緑豊かな木々に囲まれたビール会社の迎賓館、資料館もあり、数
少ない都市の住環境だと思う。

建替えのきっかけは、近くに住む娘さん夫婦の子が中高生になる
のを機に、一人暮らしが気になる父親との同居話が進み、新築す
る母屋は四人家族で、父親は既存の離れで生活するスタイルで決
まったようである。

特に、玄関ドアーをあけると、正面に二枚の壁が目に入るが、手前
のかべは間に挟まる階段の手すりから玄関ホールの天井まで切り抜
かれている為、後のかべは横長の直角三角形として見える。この壁
に二階北流れ勾配の屋根に設けたトップライトから差し込み映ろう
日光、月光の明かりと、四囲（あたり）のほの暗い空間との対比に
詩情性を感じると、　少しではあるが気に入られているようである。

むかし、二本の道にサンドイッチされた細長い短冊状の
敷地は、わが地元茨木市の東部、あたりには田んぼが多
く残る主要道路から少し入った場所にあった。

地上３階建で２LDKタイプの賃貸集合住宅の各住戸には、
日当たりの良い南面に、半円で逆アルコーブ状のバルコ
ニーが突き出し、横に並んで肘掛手すり替わりのプラン
ターBOXが続いている。

特に、二方道路はありがたく重宝で、裏道から景観上大
変目障りになる引き込み電線、ゴミステーション、給水
タンクなどのレイアウトが抵抗なく決断でき、表道から
はファサードの美観を損なうことなく、妻入り形式によ
るエントランスホール等の設定が比較的容易にできた利
点があげられる。

現在、この地域も賃貸住宅が多く過当競争気味の環境の
なかでも人気があって空室率も低い維持管理が続いてい
ると聞いております。