現在も続いている、日本建築学会主催によるアイディアコンペ、S46年度課題 「小学校」
で、2等入選となった作品の敗因は、全国審査評によりますと、「地域社会に開放されるホ
ールを主とした空間を単純なボリュームとしてとり、残りの児童専用空間を自由に配列した
直截なプラン。機能と空間における対比がいかされているが、対比がデザイン的に昇華さ
れていないとされた。」との審査員の見解が、屋内運動場、講堂、図書館、音楽教室、を
包含する、変化のある空間構成の中で、大屋根部分のデザインが、模型製作日数を考慮
して、単純な陸屋根として処理した点にあると痛切に感じました。
二番目の猛省点は、ラストスパートの段階で、気のあう勤務時の同僚、A・H氏の応援を受
けて期限ぎりぎりで完成した作品なのに、自分だけで提出してしまった行為が生涯、小生
が刎頚の友と断言する所以であります。



その後、フロックの入選だと思われるのが嫌で、大手不動産会社の住宅博に出品する、ヨ
ーロッパ旅行の副賞がついた、「戸建て住宅」の実施コンペにチャレンジしましたが、残念
ながら佳作入選に、とどまったのを期に、設計に生きる夢を閉じ込め足掛け4年、汗の臭いがする建設就業の道に入りました。