前回のアップから大分時間が経ってしまい、
気が付けば全国的に梅雨入りしてしまいました。

ワールドカップも始まりましたね。
白星発進をした日本代表に対する期待と盛り上がりはスゴイ
ものがありますが、明日のオランダ戦は“同点ならば◎”
という位の気持ちで観戦しようと思います。


さて、タイトルにも書きました“コンクリートのひび割れは
なぜいけないのか?”について考えた事はありますでしょうか? 「なんとなく強度が落ちそうだから」とは思っても、具体的な
理由は意外と分からないのではないでしょうか?

この理由をお話する前に、“鉄筋コンクリート”の特徴を
説明します。

鉄筋コンクリートは、文字通り“鉄筋”と“コンクリート”に
よって、お互いの短所をうまく補い合う形で構成されています。

具体的には、鉄筋は引っ張られる力に対しては強く、圧縮される
力に対してに弱いのですが、コンクリートは逆の性質を持って
います。

そしてもう一つ、鉄筋の短所として“錆に弱い”点が挙げられます。
この錆は“酸化”によって引き起こされます。

コンクリートは施工直後では強アルカリ性であり、鉄筋を覆う
事によって、その“酸化”を防いでいるわけです。

“コンクリートのひび割れはなぜいけないのか?”その答えは、
この関係性にあります。

施工直後、強アルカリ性であるコンクリートは、長い時間をかけて
アルカリ性を失って行きます(これを“中性化”と言います)。

この中性化が鉄筋の表面まで達すると、鉄筋は錆びやすい状態に
なり、錆が発生した鉄筋は膨張する事で表面のコンクリートを押出し、
壁の崩落等を引き起こします。

大部分がこの状態になると、もはや“建物の寿命”と言えるかも
しれません。

ひび割れがある状態というのは、中性化の進行を早めてしまい、
結果的に建物の寿命を縮めてしまう事になります。

ですから、例え大きなひび割れの発生がないとしても定期的な補修や、
大規模修繕は絶対に必要なのです。

「なんとなく強度が落ちる」と思っていた事は、結果的には間違え
ではありませんが、こういった理由があるのだと知っていると、
ひび割れの見方が変わるのではないでしょうか!