2014年 4月の記事一覧
今年は先月(3月)に専門の植木屋さんにお願いして
大規模な枝おろしをしたので、敷地全体がスッキリとして空が広い印象です。
下は去年の同じ時期の写真。
ケヤキ、コナラ、ソロ、エゴなどの武蔵野の雑木が大きく伸びて、木々の大きさの違いがよくわかります。
武蔵野の雑木は成長が早く、枝おろしや間伐をしてもすぐに新しい芽が伸びてくるので・・・
昔から、炭や薪などの燃料(幹や枝)、椎茸の栽培(コナラなど)や堆肥(落ち葉)などに使われて
里山として循環していたのですが、現在の生活で、それを取り入れるのはなかなか難しい状況です。
(今年の枝おろしで発生した木々:植木屋さんにお願いして、太めのものだけ置いていってもらいました。)
枝おろしで発生した大量の枝はそのままだとチップになるか、廃棄物として焼却されるだけですが
薪ストーブの薪燃料として使用すると、とても有効です。
無料の燃料として使用できるだけではなく・・・、
チップや廃棄物にする際の処分代が必要なくなるというメリットもあります。
(処分しようと思うと、結構な金額の処分代がかかります。)
小さな薪(焚きつけ用)・・・
大きめの薪と・・・
枝の玉切り、薪割りなどちょっと汗をかく作業が必要になりますが・・・
資源循環の視点から考えると
薪ストーブの導入は地域の環境保全ためのちょっとした手助けになるかもしれません。
昨年完成した太宰府の住宅ですが
二期工事の独立車庫と庭の工事が終了したので、確認のためお宅にお伺いしました。
建物が完成した当時は、まだ庭を含めた外構工事が手つかずの状態だったのですが、
今回、出来上がったお庭や車庫を含めた「屋敷全体としての風景」を拝見して、
改めて戸建て住宅の風景をつくる上で、庭(樹木や草花)の力を感じました。
ちょうどお伺いした季節も木々の芽吹きの季節でしたので、
さらに強くその力が感じられたのかもしれません・・・。
どこにカメラを向けても・・・
人物や建物、その佇まいがホントに絵になるというか・・・キレイな写真になります。
庭に植えられた木々もかなり大きく立派で、種類も様々。
私の知らない樹種や草花も多くあったのでお客さんに尋ねたところ、
植木屋さんが二年くらいかけて山々で探されたそうで、
この庭のために採っておいた珍しい木々や草花もたくさんあるそうです。
庭を見ているとそれを創った植木屋さんの熱気というか意気込みがとても感じられます・・・。
(現場監督さんの持ってきた「たいやき」に喜ぶ子供たち・・・笑)
庭がない時は、唐突にポツンとあるような状態だったデッキテラスも
建物(土間空間)や庭と緩やかに繋がり、これからの生活で活躍しそうな予感・・・。
before(お庭完成前・・・)
after(お庭完成後・・・)
内装の仕上げ材として
「 50%程度、木質化(無垢材)した住宅は、住み手が良好な睡眠を得るのに最も効果的である。」
という研究結果(慶応義塾大理工システムデザイン工学科:伊香賀教授)が、最近わかったそうです。
その要因としては、木の香りが強いほど「好ましさ」と「リラックス度」が高いこと、
無垢材を好ましく思う見た目の効果が上げられていました。
また、見た目の好ましいと感じる割合が、
50%をピークに100%に近づくにつれて下がる傾向にあったり、
壁面においては木の使用量が多くなるにつれて見た目の好ましさが低下する
という興味深い結果もありました。
室内の仕上げ箇所を「床」「壁」「天井」に分けて考えると、
約50%というのは「床」と「天井」を合わせた程度の面積で、
割合とすると「壁」の仕上げを抜いたくらいがちょうどいいバランスのようです。
自分の経験則的には・・・、
あまり木質系の材料を使いすぎると部屋に圧迫感が出てきたり、狭さを感じたりする。
だから、室内空間をデザインする際は、木質系の仕上げ(主役)に対して、
どこかに余白(脇役)というか抜いた部分が必要なのでは・・・と感じていたので、
研究としての結果の裏付けがあるとやはりそうかと少しうれしい気持ちになります。
この研究において、「無垢材の種類による差異」の研究があるのかどうかはわかりませんが、
これまでいろいろな住宅で使用した経験から考えると、
やはり杉や檜などの比重の軽い(空気を多く含んだ)国産材のほうが、より効果は大きい気がします。
ただ、無垢材の種類によって室内の雰囲気や使い勝手などが、かなり変化しますので、
住空間において住み手が、どの部分を重要視するかによって
使用材料を使い分けていく必要はあるかと思います。
例年は早春にゆっくりと順番に咲き始めるユキヤナギ、木蓮、ユスラウメですが、
近所でも数日前からやっと咲き始めました。
それも全部いっぺんに・・・。
桜も、もうすぐ咲きそうです。
今年はイントロなしでやってくる、ちょっと変わった春です。
木々に囲まれて生活をしていると
「今年は花が遅いなぁ・・・。」
「今日はめずらしい鳥がやってきている。」
「昨日は何もなかったのに今日は新芽が伸びている。」など・・・
季節の変化や、その年々による違いなど、
普段の生活時間の流れとは違った、大きな時間の流れや細かな時間の変化など気づきがあります。
もし、家に小さなスペースや庭があれば、
一本だけでもいいので樹を植えてみると、日々の生活がとても豊かになると思います。
「手入れや落ち葉掃除が面倒なので」という声もよく耳にしますが・・・(笑)、
出来れば落葉樹がおすすめです。
落葉樹は、こちらがお願いしたわけでもないのですが・・・、
四季によって、手近な風景を変化を届けてくれます。
また、それは家族だけではなく、近所の方や通りを歩く人にも同様に・・・。
最近ではインターネットでも、樹木を購入できる植木屋さんがあります。
「値段が安い。」「パソコンの画面で樹形を見て、自分がほしい木を選ぶことが出来る。」などが利点で、
注文をするとすぐに宅配屋さんが自宅まで届けてくれます。(3m程度の中木までであれば・・・)
如何せん自分で穴を掘って植えることになりますので・・・
もちろん購入した樹を枯らしてしまう危険性もあります。
そのリスクを差し引いても、自分の好きな樹を自分で植えてみるのもいいかもしれません。
写真の家は、敷地に元々あった大きな桜にあわせて家を作りました。
この桜は、お客さんがお生まれになったときに植えられた記念樹だそうで、
お客さんと同級生なのです。ですから、樹齢はないしょです。
写真は数年前のモノですが・・・
「今年もたぶんこんな風に桜が咲くんだろうなぁ・・・」と
春のこの時期はいつも、この風景を思い出します。