2010年 7月の記事一覧
さて、私は右下のリンクにもあります「ウッドマイルズ研究会」って会にも所属してるわけですが、これは建築資材の地産地消を促進するために、その建築資材の輸送距離から輸送により排出される二酸化炭素量を割り出そうって事をしています。 ウッドマイルズ算出体験も出来ますよ。詳しくはHPをごらんあれ。
で、今日のタイトルは「国産材を使おう」なわけですが、林野庁の木材輸入実績(2009)では、丸太・製材・チップ・合板・集成材を合わせて金額ベースで87億ドル弱輸入しています。日本で使用してるこれらの木材の国産率は25%程度と言われています。
下は林野庁の木材需給表です。
そして木材需給動向(H19)はこんな感じです。いわゆる木材の自給率は23%弱しかないわけですね。食料と違ってこの自給率って国内に木材が足らないわけじゃなくて、単に輸入材の方が安いからって理由だけで輸入され、その結果国内の林業が衰退しちゃったんですね。もう主伐の時期を迎えた杉や桧はいっぱいあるのに。。。。
この表では、輸入が前年比で減ってますが、これも単に不況で需要が減った結果なだけです。とほほですね。
さて、前置きはこれぐらいにして。この木材需給動向から何が見えてくるか・・・・
年間に6400万m3もの木材を輸入してることがわかりますが、これは何を意味するか。木材1m3に約250kgの炭素が含まれています。それを二酸化炭素に換算すると炭素に酸素が結合して916kgになります。ということは、年間に5860万トンもの二酸化炭素を輸入しているって事なんですね。しかも87億ドルも出して。
木材を輸入するって事は、他国の二酸化炭素を輸入してるって事なんです!
木材の場合は炭素を固定化していますので、木造住宅も炭素の缶詰状態なわけですが、これを焼却した場合には二酸化炭素となり放出されるわけです。国産材の場合は国内の二酸化炭素を固定化しているわけで、国内で焼却しても元に戻るだけでプラマイ0なわけです。ですが輸入材はそうじゃない。
ということで、今日のテーマ「国産材を使おう!」となるわけです。
一般の木造の家の場合、1m2あたり約0.2m3程度の木材を使っています。40坪ならば6.6トン程の炭素を固定化しているって事ですね。これが二酸化炭素になると3.67倍に増えますから。。。。ゾッとするでしょ。
そんなわけで、わけのわかんない住宅エコポイントなんかするよりも、国産材利用者に補助を出すとかの方がずっとエコだし日本の林業の為だと思う私です。
ダッチタブ(Dutchtub)というオランダの会社のダッチタブって製品です。
先の五右衛門風呂も鋳物メーカーですし、よく聞くダッチオーブンも基本的には鋳物です。ですが、これはどうやらFRPの様です。
お椀型のバスタブに、渦巻きのステンレス管を取付、それを薪で熱して湧かすというものです。この至極単純なところに見入ってしまう私です。詳しくはHPを見ていただいた方がいいのですが、この渦巻きの上に鍋(それこそダッチオーブンでもいいし)を置いて調理も出来る。
しかも、オプションで専用トレーラーとか、煙突の付いた風よけのカバーとか、冬期に冷めないような防温蓋とか。
これはトレーラーですが、よく考えてますよね。しかも色もカラフルで選べるし。
サイズはこんな感じで結構大きいですね。
五右衛門風呂いう感じじゃなく、屋外のジャグジーって感じですね。
大人4人ぐらいは大丈夫そうです。
ダッチオーブンにしろ、このダッチタブにしろ、ダッチなんとかってのは結構優れものが多いかも。
とはいえ、もう一つ思い出せるダッチなんとかは薪ストーブぐらいですけど。
販売代理店に日本は入ってませんでしたが、3000ユーロ(35万円ぐらいかな)は安いか高いか・・・・
誰か輸入しないかなぁ~
西日が当たるベランダのあるうちの事務所は、いまだに室温が30度を超えてる^^; とほほです。
コンクリートは蓄熱しちゃうので、せっせと水で冷やすのですが、エアコンの屋外機の風が当たるところでは40度弱まで気温があがります。
みんなが、エアコンも止め電気も消し車も使わず給湯器も使わないとしたら、町中の気温はもっと下がるだろうと思うのですが、そんなことは現実的に無理。だから、いろんな方法で涼しくなろうと考えるわけです。
昔の人も同じように考えるわけで、大名だと「氷室」なんて地名があるように夏に備え氷を蓄えておくとか江戸時代の贅沢の極みも。そんな事出来ない一般の人はというと、「うちわ」だったり「打ち水」だったり「行水」だったり、思いっきり気のせいとも思える「風鈴」とかも含めるとして、とにかく涼しくなろうと考えてきたわけですね。京都の川床なんかもそう。
で、今はというと・・・・
これは、双葉リースさんの「モイスチャーミスト」って製品。
高速道路のSAなんかに夏になるとありますよね。細かい霧の気化を利用した冷房方法なわけで、簡単に言えば、細かい水しぶきのたつ滝の近くって感じなわけです。この機械ですと、かなり屋外とかの広範囲なところを3度から5度下げる事が出来るようです。ただ・・・・さすがに一般家庭では無理。
じゃあ、一般家庭用はないのか?と捜しますと・・・
こんなのもあります。
「ミストツイスターB」ってので、ペットボトルの水でも出来るっていう、(株)ドゥリーム・ドゥさんの製品。これでも10万近くしたはず。
これもそれもどれも、霧で冷やそうっていうのは、東京理科大の辻本誠教授が考案され、2005年の愛・地球博で試験的に使われ、教授は自宅マンションでこんな実験も行っているわけ。これね
なんでベランダかというと、ベランダに設置して窓を開け放して室内に冷気を入れようという事ですね。夏場に窓を開放出来て尚かつ涼しいなんてのは最高です。
ただ、これも設備的には大変そう。
で、おいらはここで考えた。もっと安く出来ないかと。。。。
ジャーパネットジャパネットでお馴染みのジャパネットたかたでも売ってるこれ
そう、ケルヒャーの高圧洗浄機。ジャパネットなら、15800円。常用吐出水圧が7MPaらしいから、フォグノズルを何とか付ければいわゆるドライミストは作れそうです。ちなみにドライミストってのは、霧の粒が3/100mm以下ぐらいで、肌についてもすぐに気化しちゃうぐらいの霧ですね。
ただ・・・ケルヒャーの場合、問題は音。75dBぐらいらしいから、かなりうるさいわけだけど、ホースが長いから本体と距離はとれそう。近所迷惑にならない場所があれば大丈夫かな。
ちょっと試作してみなくちゃな。
※ドライミストは能美防災(株)様の登録商標です。
40名の受講者を8班に分け、文化財保護とその活用のマネージメントをする為の講座だったのだが、途中数度の演習を経て最終日のこの日は、修了レポートの発表会と修了式が行われた。
ざっと各班のテーマを記述すると・・・・
1班:京都市右京区「花のいえ・關鳩樓」
2班:京都市中京区「書生下宿屋・長谷川邸」
3班:京都市左京区「願海山法性覚院西方寺」
4班:木津川市加茂町「史跡の上に建つ学校・恭仁小学校」
5班:京都市左京区「関西美術院」
6班:京都市左京区「蕎麦屋・花竹庵」
7班:京都市下京区「五条楽園歌舞練場と花街界隈」
8班:大阪市西区「九条の山下家住宅」
この修了レポートってのは、言ってみれば卒業論文であり、各班とも力作揃いだった。私の班は4班で昭和初期に建って今なお現役で使っている木造校舎の小学校です。
恭仁京という史跡の上に建つこんな素敵な恭仁小学校です。
大きな地図で見る
4月のロケハンに始まり数度の現地調査や資料集めを経てA4ファイルに入れた報告書の厚さは2cm程度までになってしまった。修了式当日の朝6時前までメールでの連絡を取り、ギリギリでの完成をみたわけです。はっきり言ってしんどかったですねぇ。
報告書とは別に発表のパワーポイント用に別図面を作ったりと、楽しいけど苦しい日々でした。
その努力の賜か我々の班は「殊勲賞」なる賞まで頂き、何となく苦労が報われた気がしました。これこれ。
あ、この日の発表会は一般公開だったわけですが、以前調査させていただいたH邸(住み替えしようの項)の奥様が会場に来ていただけた事が何より嬉しかったですねぇ。現在、自力で少しづつ改修され始めたとのこと。何かお手伝いできれば行きますからねぇ>奥さん
文化財なんていう一見敷居の高いものもそうですが、残した方が良いものって建物以外にもいっぱいあるはずです。私は仕事がら建物を中心に見ていますが、建物と同時に技術も残さなくてはならないんですよね。それは、建物だけじゃなく道具とか工芸品でも同じで、物と技術はいつも二人三脚なんですよね。
こういった講座がもっと全国に広まればいいなぁと思う私です。
朝から茹だるような暑さで、すっかり参っております。
今回のテーマは樋。
さて、どうして建物に樋って付けるんでしょうか? 特別付けなきゃダメって決まりは無いんですよね。いや・・・あると言えばあるかな。例えば、樋が無くて隣地に雨水がドンドン越境しちゃうとかの場合は、当然ながら取り付けないとダメですね。それ以外に付ける義務はというと、無いんじゃないかな。
樋って掃除も大変で、例えば鹿児島の様に火山灰が降るとか、近くで造成してて砂埃が大量に飛んでくるとかって場合、屋根にうっすら積もった土埃や火山灰は雨によって樋に落ちるわけです。雨が綺麗に軒樋を洗い流してくれたらいいんですが、結構残ってますよね。樋から可愛く草が伸びてるってのも見たことありますよね。で、運良く軒樋の土埃を軒樋から竪樋に流れ枡に流れたとして、ここに砂がたまってる場合も多いわけです。ここでも掃除が必要になるわけね。
もうひとつ。
都市洪水の原因となってるのも、屋根に降った雨を樋から道路側溝なんかに流し、それが大量に集まりオーバーフローしてしまうわけです。都市洪水の原因が総てこれってわけでは無いんですけどね。
とにかく、恵みの雨とも言われる中水なわけですから、樋なんぞでまるで下水の様に捨ててしまうのは止めようよ。ってのが、私の考え。
じゃあ、何に雨水(中水)を使うか。当然ながら上水ではないから飲むってわけにはいきません。プールや行水も止めた方が良いですね。じゃ、取りあえず植木に水でも。。。。
ということで、一番簡単なのが、これ。
ダイカポリマー(株)の「アメポイント」
これは、たぶん一番安い「雨水取水用継手」です。
楽天ですと、この商品のクチコミもありますね。
http://item.rakuten.co.jp/unico-living/dsc2782/
もうちょっと高級なのもあります。
シップスレインワールド(株)の「雨水コレクター」
樋を止めようっていいつつ、言ってる事が違うじゃないかって?
確かに・・・・そうですね^^; 樋をつけなくても隣地の方に迷惑をかけない程度の土地の方とか、多少の風雨で隣地に雨水が飛び散らないだけの隣地までの距離のある場合であれば、迷わず「樋付けるの止めましょう!」と言います。
現実は広い土地の方ばかりじゃないですから、どうせ樋をつけるなら下水配管の様に捨てる為だけにつけるのは勿体無いじゃないかって思うわけです。
単なる庭木への散水だけじゃなくて、取水タンクを2階において、1階のWCの水に使うって手もありますね。 今日の様に暑い日は、早い時間にみんなで打ち水ってのもいいですよね。
そうそう。雨水再利用に関して、助成金を出してる自治体も多いかと思います。
数千円から4万円程度かと思いますが、雨水使おうかなぁと思われた方は、一度お住まいの自治体に問い合わせしてくださいね。
そんわけで、雨水を使って少しでも涼しくなりましょう!
マリリンモンローが住んでいたって言っても半年程度らしいんだけど、その値段が360万ドルだそうで・・・・
同じかどうかわからないけど、これもモンローが住んでいた1938年築のスパニッシュスタイルの家で昨年から同様に売りに出されてる。約297万ドル。
あ、そうそう。昨日メジャーリーグオールスターに出てたイチローも新築を機にシアトルの家を売りに出してたはず。
これね。
これは1997年築で、320万ドルで出してたけど、175万ドルまで値下げしてた。不況だもんね。
で、何やら日本では、家を売るってだけ言うと、落ちぶれちゃってとか相続税が払えなくて、ってイメージで他人からはマイナスでしか見られない場合が多い。
数年前に、私が設計した家が売りに出されてるのを偶然知った時は、結構ショックだった。ただ、解体されちゃうよりはよほど良いし、その家が存続するって事は住む人がいるって事だしね。
「住み替えをしよう」でも書いたけど、住み替えは必要だと思ってる。日本の場合は税法の事もあり解体されちゃう場合も多いんだけど、本来は再建築評価(建て替えた幾らかかるか)すべきだし、メンテナンスしてるかどうかでも違って当たり前なわけです。固定資産税っていうヘンテコリンな税法で、基本的に木造住宅は25年で評価は0。要するにタダになってしまうっておかしいですよね。
車でも骨董でもそうですけど、アンティークと中古の境目は結構難しい。家や建物でも同じ。仮に文化財的価値のある建物であっても、不動産広告に載れば単なる中古住宅^^;
そんなわけで、日本の場合なら、中古の建物に掘り出し物はあると思います。同じコストをかけるなら確実に古い建物に手を入れた方が良いって思うわけです。
ただ。。。。見る目は大事です。もし分からない時は、専門家にご相談を。
ワールドカップも大詰めで、ベスト4を決めるオランダvsブラジル戦を見てその後のウルグアイvsガーナ戦を朝まで見た後に、例によって朝一の高速バスで京都に向かった。
京都市文化財マネージャー育成講座も残り2回となり24日の最終課題の発表のみとなった。先週先々週と2週続けて雨の木津川へ調査に行ったわけだけど、その図面作成や資料収集に毎日かなりの時間を費やすわけで、本来ならW杯どころではないんだけど、どうしても見てしまう。
そんなわけで、日帰りでも可能だったわけだけど、アルゼンチンvsドイツ戦をゆっくり見たいが為に泊まってしまった。前置きが長いな・・・・
翌日曜日は第一日曜で東寺は骨董市(がらくた市)が開かれる。
ほぼ隔週で京都に通っていて、夜はライトアップで観光客を迎える東寺の国宝の五重の塔。京都駅に近い事もあっていつでも行けると思っていたわけだけど、今まで行くことが出来ずで。
そんなわけで、朝から東寺に行った。
梅雨の合間の薄曇りの中を南大門ではなく八条側の北の門から入り、右手に洛南高校を眺めながら参道を行く。毎月21日の弘法市の日であればこの参道は出店で埋まり、人でも埋まるんだけど、この日はノンビリ。
修学旅行生をすり抜け、拝観料を払い瓢箪池の道を五重の塔に向かう。南大門前の\国道1号線からもでかい塔なのだが、高さ55mの塔は簡単にはカメラに納まらない。だから写真はこんな感じ^^;
斗供の組み物が美しい。焼失4回で現在の塔は1644年のものだ。この高さであれば落雷による焼失も理解出来る。現在は避雷針が付いているから大丈夫ですけど。
で、江戸時代の塔・桃山時代の金堂・室町時代の講堂と拝観して、がらくた市に。
こんな感じで五重の塔を背景にテントが立ち並び、陶器なんかもこんな感じに売られてる。
確かにがらくたと言える中古品も多いし、出所が怪しいものも多い。出展者も全国各地からやってきている。ただ・・・古物商許可も持ってる私としては、楽しくて仕方がない。雑貨やら着物やら古本やら骨董やら混在してる各テントを昼ご飯も食べずにアチコチ見て歩く。
そこで私の目を釘付けにしたのがこれ。
そう、斗供だ。上の写真の五重塔にも当然ながら斗供組で作られている。
この斗供は骨董でもなんでもなく、想像ではサンプルか試作ではないかと思う。でも欲しい欲しい。
ということで、値切り開始!結局数度の交渉の末、3割ほど値切って買ってしまった。
骨董屋のおじさんはなんと着物で包んでくれて、私はそれを担いで帰ったというわけだ。
で、今は事務所に鎮座している。
実は、別の出展の所でもうひとつ衝動買いしてしまったものがある。それはたぶん昭和初期と思われるトランシット。昔買った古いレベルも事務所玄関に飾っているんだけど、これもなかなか味がある。
でも写真を貼るのは止めておこうかな。。。。
そんなわけで、ものの半日のがらくた市で二つも買ってしまい。ちょっとの反省と大いなる自己満足の一日であった。
そうそう。斗供を買った所のおじさんが帰り際にこういった。
「長谷寺(国宝)の柱があるんだけど、買わない?」と。
元々骨董の世界は魑魅魍魎な部分も多く、真偽さえ定かじゃないものも多い。ましてや露天的ながらくた市ではなおさらの事。
しかし、市はワンダーランドで楽しくて仕方がない。