半年に渡る「京都市文化財マネージャー育成講座」が修了した。

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40名の受講者を8班に分け、文化財保護とその活用のマネージメントをする為の講座だったのだが、途中数度の演習を経て最終日のこの日は、修了レポートの発表会と修了式が行われた。

ざっと各班のテーマを記述すると・・・・
1班:京都市右京区「花のいえ關鳩樓
2班:京都市中京区「書生下宿屋・長谷川邸」
3班:京都市左京区「願海山法性覚院西方寺
4班:木津川市加茂町「史跡の上に建つ学校・恭仁小学校」
5班:京都市左京区「関西美術院
6班:京都市左京区「蕎麦屋・花竹庵
7班:京都市下京区「五条楽園歌舞練場と花街界隈」
8班:大阪市西区「九条の山下家住宅」

この修了レポートってのは、言ってみれば卒業論文であり、各班とも力作揃いだった。私の班は4班で昭和初期に建って今なお現役で使っている木造校舎の小学校です。
恭仁京という史跡の上に建つこんな素敵な恭仁小学校です。

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4月のロケハンに始まり数度の現地調査や資料集めを経てA4ファイルに入れた報告書の厚さは2cm程度までになってしまった。修了式当日の朝6時前までメールでの連絡を取り、ギリギリでの完成をみたわけです。はっきり言ってしんどかったですねぇ。
報告書とは別に発表のパワーポイント用に別図面を作ったりと、楽しいけど苦しい日々でした。

その努力の賜か我々の班は「殊勲賞」なる賞まで頂き、何となく苦労が報われた気がしました。これこれ。
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あ、この日の発表会は一般公開だったわけですが、以前調査させていただいたH邸(住み替えしようの項)の奥様が会場に来ていただけた事が何より嬉しかったですねぇ。現在、自力で少しづつ改修され始めたとのこと。何かお手伝いできれば行きますからねぇ>奥さん

文化財なんていう一見敷居の高いものもそうですが、残した方が良いものって建物以外にもいっぱいあるはずです。私は仕事がら建物を中心に見ていますが、建物と同時に技術も残さなくてはならないんですよね。それは、建物だけじゃなく道具とか工芸品でも同じで、物と技術はいつも二人三脚なんですよね。

こういった講座がもっと全国に広まればいいなぁと思う私です。