2010年 1月の記事一覧
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先週末におこなわれました静岡物語2の
躯体パネル施工。
このうち、建物の片側6枚の壁は、
隣地との境界までが330mmしかないため、
後から外壁を張ることができません。
敷地の間口が4.5mしかない、
昔の長屋形式だった土地形状で、
隣地境界上に、隣家のトタン外壁があるような、
静岡市街地のお住まい。
このため、この面の躯体には、
高層ビルのように、あらかじめ外壁材や窓を取り付けて、
建て方をおこなうことになります。
一口に外壁材を取り付けるといっても、
単純な作業ではありません。
製作された躯体パネルの上に、透湿防水シートを張る。
これも、上下左右のシートの張り出しを納まりごとに指定。
次に、通気工法用の通気胴縁を施工。
そして、やっと外壁材となる防火サイディングを張る。
これまた、上下左右を納まりに合わせてカット。
しかし、このまま建て方をおこなっても、
パネル同士の継ぎ目には、外壁隙間ができるため、
1/2階の建て方時に、外壁兼板金屋さんがスタンバイして
上からカバーの板金を落とし込むための捨て板金を取り付け。
言葉で説明しても、複雑な作業ですが、
事前の打ち合わせで、検討を重ねて、
スケジュール通りに施工が完了しました。
静岡物語2、小さくでも豊かな空間や自然素材のお住まい、
既製品の外壁部分にも、職人さんの思いや工夫が
こもった施工風景です。
大井川にあります2×4工法の躯体パネル工場。
私の住宅で採用するのは、今回で6棟目、
その技術力の高さと施工精度の確かさは、
私の設計する住まいで折り紙付き。
今回は、新たな取り組みとして
信州材の唐松・赤松の国産材スタットを使用する
補助事業として、昨年から生産と強度実験を重ね、
年末に、パネル工場へ納入されました。
ご覧のように、スタット材の小口には、
すべて番号が振ってあります。
今回の素材は、全品検査がおこなわれているため、
一本一本の強度も把握されています。
もう一つの取り組みは、静岡物語2の
特殊な敷地条件のへの対応。
敷地の間口が4.5mしかなく、
片側の隣家の住まいが、境界線上に建っているため、
この面に足場を建てることができない。
このため構造壁に、透湿防水シート、通気胴縁、
外壁材、サッシ、水切りを
あらかじめ取り付けた完成壁を製作し、
建て方工事をおこないます。
このため、パネル工場に外壁屋さんに行ってもらい、
完成した壁パネルに、透湿防水シート、通気胴縁、
外壁材、サッシ、水切り、コーキング処理を施して、
躯体工場で、壁を完成させます。
この作業のため、事前に入念な打ち合わせ。
微妙な寸法の逃げや納まり、通気口の出入りなど、
色々な問題を一つ一つ解決しながら、
今週末の施工に向けて、準備を進めています。
第二次補正予算に盛り込まれる
『住宅版エコポイント』制度。
三省合同事業(経済産業省、国土交通省、環境省)1000億円。
実施時期や条件設定の情報が
まだ固まりきらない昨年12月中旬から、
刻一刻と情勢が変わる中、
先週おこなわれました国交省の講習会。
まだ、検討中ということばかりでしたが、
翌日の新聞には、未決だった詳細が報道され、
慌てて、国交省のホームページで確認。
現在進めている静岡物語2で、
この『住宅版エコポイント』を申請するために
急遽、基準適合に向けて、講習会で情報収集。
新築住宅の場合は、平成21年12月8日より
着工した住宅が対象となります。
これは実着工、つまり実際に根切り(土地の掘削)を
おこなった日ですので、確認申請上の日付ではありません。
で、誰がそれを証明するかというと、
それは、設計者なり、施工者なり、そうですと言えばいい。
・・・・・、う〜ん、それでいいんだそうです。
静岡物語2は、これをクリア。
また竣工は、今国会の第二次補正予算成立後でないと、
対象外となりますので、ご注意を。
エコ住宅の新築の場合は、こんなに短期間で
完成しないのでいいでしょうが、
エコリフォームの場合は、
鳩山・小沢献金問題での紛糾、ずれ込み必至ですので、
この辺りも、注意が必要です。
で、誰がその竣工を証明するかというと、
それは、設計者なり、施工者なり、そうですと言えばいい。
・・・・・、う〜ん、それでいいんだそうです。
さてその新築の場合は、性能表示制度・断熱等級4の
基準に、合致する必要があります。
来週から建て方工事に入るため、
床、壁、天井及びサッシ、日射遮蔽措置をチェック。
追加工事に絡む部分は、見積依頼と
エコポイント対象住宅証明書の取得に向けて、
作業をしながら、バタバタしております。
(その2へ続く)
兎に角、最新情報は、国土交通省のこちら、
住宅版エコポイント制度の概要についてを参照ください。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000017.html
Apple Inc.が、iTunes Storeにて、
現地時間1月12日にハイチで発生した地震の
被災者を救援するために、
ハイチ地震救援金の受付を開始しています。
寄付金は全額、米国赤十字社に渡ります。
こういうことへの反応の素早さは、
企業姿勢として、好感が持てますね。
私も、ほんのわずかではありますがご協力。
そして、本日はあの阪神・淡路大震災から15年。
もう、15年も経つんですね。
私も翌年に建設された震災復興住宅の
プロジェクトに参画しただけに、
当時の破壊された街の様子が蘇ります。
あらためて、亡くなった方々の
ご冥福をお祈り申し上げます。
そして、命と財産を守り
人々の豊かな生活をサポートする住まいづくりに
これからも、微力ながらお手伝いしていきたいと思います。
震災復興の木造3階建共同住宅の
計画プロセスや写真は、こちらのバックナンバーから
2004年に入り、参照できます。
http://www.tokiwak.co.jp/sumai/bk_hitorigoto.html
木3共物語ー
2004.1.17/vol.81:はじまり
2004.1.31/vol.82:外部計画
2004.2.14/vol.83:内部計画ーその1
2004.2.28/vol.84:内部計画ーその2
2004.3.13/vol.85:外観
2004.3.27/vol.86:中庭
2004.4.10/vol.87:様々な配慮
ベタ基礎の耐圧版が完了した段階で、
立ち上がりの配筋は完了していますが、
立ち上がり部分のコンクリートを
打設するために、型枠を組みます。
この型枠に、ホールダウンやアンカーボルトを
所定の位置にセッティングすることになり、
それを事前にチェックします。
ホールダウンは、地震によって
建物が浮き上がろう(倒壊)とするのを
基礎にしっかりと繋ぎ止める重要な金物。
基礎内にしっかりと打ち込むことは
もちろんですが、重要なのはその位置。
上部の柱の脇の金物が取り付く位置に、
しっかりとセッティングできていなければなりません。
耐震等級2(基準法の1.25倍)のためには、
建坪12.7坪の平面に対して、15本。
2階にも7本設置しますので、併せて22本。
アンカーボルトも、その昔は田植えといって
コンクリートを入れた後に差し込んでいた、
というようなこともありますが、
現在では、所定の位置にセッティングするのが
当たり前になっています。
立ち上がり基礎の幅は、150mm。
ここに、コンクリートを打設するには、
ポンプ車のホーズ口に手を添えて
コンクリートを流し込まなければならないので、
なかなか大変な作業です。
昨年の大改造!!劇的ビフォーアフター・秋スペシャル
内藤選手奥様ご実家のリフォーム。
このリフォームの中で、様々用途として使用しました
AGC旭硝子社製のツインカーボ。
その使用事例の写真がAGC旭硝子のHPに掲載されました。
こちらから、ご覧下さいませ。
http://www.agc.co.jp/polycarbonate/siyourei.html
本来の使用方法ではなく、
表現方法を悩まれておりました4mm角材挿入例も、
上手く(苦笑)表現されています。
その別記事は、こちらから。
http://www.ts-homes.jp/forest/2009/hitorigoto20091227181242.html
軽くて、安全、しかも強度や断熱性もあり、
色々な可能性を秘めていると思います。
自然エネルギーの活用と国・自治体の補助金、
さらに電力買い取り価格の倍増で、
再び施工実績が急上昇の太陽光発電。
しかし、設置技術者の育成が間に合わず、
パネル設置のずさんな工事により、
屋根からの雨漏りが発生が頻発していると
昨夜の朝日新聞が伝えています。
静岡物語2でも、将来の設置に備えて
設備対応をしており、
その取り付け方法も確認しておりますが、
これは、後載せの場合には慎重を期するなと感じました。
それは、当然のことながら台座の固定に、
屋根に直接釘を打ち込むわけですから、
その危険性は常に付きまといます。
まずは、屋根のタル木に留め付けること。
タル木は屋根の架構方法により様々ですが
おおむね303或いは455ピッチ。
台座はこのタル木に留め付けなければなりません。
これ以外のところでは、野地板つまり合板となり、
その厚みは12mmほど。
ここを打ち抜いて停めると、荷重によってたわみが出たり、
釘穴が直接屋根裏に出てしまい、
そこから、雨水が流入する、
あるいは結露することになります。
太陽光パネルの設置業者が、
住まいの施工業者を経ないで施工する場合、
屋根裏のタル木の入り具合をチェックしないで
いきなり屋根に上がって施工を始めると
要注意かもしれません。
メーカーの用意する台座には、三重四重の
防水処理が用意されいますが、
これを留め付ける位置がタル木でなければなりません。
十分にご注意下さいませ。
年末年始をどのような形で越そうか
と考えていた静岡物語2。
年末の晴天続きと事前の設備系指示、
基礎屋さんのスケジュールがうまく合致して、
生コン屋さんが働く最終日ギリギリの
12/29に、無事コンクリートを打設完了。
スケジュールがギリギリだからといっても、
必要な検査はおこなわれております。
12/25に設計事務所の配筋検査、
12/28にあんしん保険の配筋検査でWチェック。
あんしん保険は、住宅瑕疵担保履行法の基づく
現場審査付きの保険。
コンクリートの調合、スランプ、塩分検査は、
工場出荷時に供試体を抜き取り、
一週、四週圧縮強度試験をおこないます。
型枠にオレンジ色の合板(塗装合板)が使用されていますが、
今回は、基礎の外周部を一発仕上げとするために
打ち放し用の型枠としています。
これにより巾木の仕上げモルタル塗りを不要にしています。
今週は、立ち上がりのホールダウンアンカーや
型枠のチェック後、立ち上がりのコンクリートを
打設する予定です。
皆さま、あけましておめでとうございます。
今年も、どうぞよろしくお願いします。
住まいを取り巻く住環境は、
低炭素・自然エネルギー回帰への要請は
ますます強まってまいります。
耐震性、省エネルギー性はもとより、
電気(エコキュート)・ガス(エコウィル・エネファーム)
による排熱利用から、太陽光発電、蓄熱式暖房など
様々なエコ対応設備が、多様性を増しています。
こうしたことを考える住環境は、
それ自体を基本としても、
そこの住まう人の器の一端に過ぎません。
住まいの建つ土地自身の魅力を引き出し、
その家族のためのいえづくりの形成、
こうした、住まいの基本となるべき視点に、
持続可能な素材としての木材を活かし、
空間・素材・光を取り込んだ、
暖かみのある心地よい住まいづくりを
今年も目指していきたいと思います。
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