今回の住まいの工法は枠組み壁工法。
平屋主体ということを考えると在来工法という選択もありますが、
平面計画、断面計画、立面計画に全体の構造計画、
そして、設備計画とダクト工事計画などを
総合的に判断すると、在来工法ではちょっと難しい。
躯体工事は、パネル化・建て方という
静鉄ホームズのパネル工場の仕事となっております。

・住まいの基礎工事までに決めるべきことは多数
https://atelier-m-architects.at.webry.info/202104/article_3.html
・住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために1
https://atelier-m-architects.at.webry.info/202104/article_8.html
・住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために2
https://atelier-m-architects.at.webry.info/202105/article_1.html
・住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3
https://atelier-m-architects.at.webry.info/202105/article_3.html
・住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために4
https://atelier-m-architects.at.webry.info/202106/article_1.html

地盤改良や基礎工事、先行設備配管工事を終えて、
しばし助走期間の中に詳細図などを進めておりましたが、
いよいよ本体施工の平和建設と棟梁の本格的な出番となります。
この住まいは、外部からは屋根はほとんど見えないので、
平屋の建物ということぐらいしか分からないと思います。

つまりこの住まいは軒裏が大きくその表情を決める要素となります。
外壁の透湿防水シート張りや通気胴縁の設置と共に
進められるのは、破風や軒裏の下地作り。

今回の設計では、破風は軒裏に使用する耐火板厚18を使用して、
ガルバリウム鋼板で巻き込む仕様として、
しっかりと準耐火構造に準じる納まりとしています。

これは軒先のガルバリウム鋼板樋と屋根を一体に見せるための
アトリエMアーキテクツの定番仕様ですが、
その辺りはまた別の機会に。

その軒裏破風下には、屋根換気の通気口として、
ステンレスメッシュ+アルミパンチングメタルを
ウェスタンレッドシーダーの押し縁で留めて、
そこからウェスタンレッドシーダー厚11×135
本実材の乱尺が張られます。

軒裏の納まりは、水平に張るか、屋根勾配なりに張るか
これは納まり上大きな分岐点となります。
今回は、平屋の部分と2階建て部分とで、
違和感のないように仕様を分けて張ることにしていて、
これは、建て方時点で詳細図にて検討して決めていますので、
躯体の軒先がそれぞれ、それに合わせてカット加工されています。

3(914mm)〜16(4876mm)フィート乱尺といいながら
その多くは、10(3048mm)以上が大半を占めて、
さすが、カナダ産ウェスタンレッドシーダーのお陰です。
全体で140m2弱ありますので、長物の12〜16尺は
メインのところに取り置きして、ある程度選択します。
軒裏張りがほぼ終了して、通気廻りの押し縁を取り付ければ、
すっきりと締まった軒裏が完成します。

しかし、4月の値上げ前に発注していたので旧価格でしたが、
7月からさらに23%の値上げのお知らせが。。。
製品によっては、10〜40%。。。(;゚ロ゚)
何とか二回にわたる値上げをすり抜けて工事が進んでいます。

今回のお住まいは、当初から
軟らかい表現として、内外にウェスタンレッドシーダーを
当初から選定していましたので、これも幸いしました。
これまでの軒裏は米松ピーラーが多かったのですが、
もし今回が米松ピーラーだったらどうなっていたか?
というくらい、納期不確定な状況が
今年前半から続きております。
木材のこの先の動向は、まだまだ上方傾向が続くようで、
これからの計画には、その辺りの様子見の見極めが必要かもしれません。

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