2017年 4月の記事一覧

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17年04月29日 12時03分57秒
Posted by: macchan


さださんの詩島再生計画が完了して、はや一ヶ月。
これからは、詩島のメンテナンスにも関わりながら、
今後の詩島を見守り続けていきます。

コンサート、アルバム創り、テレビなどなど、
その後もお忙しい生活をされているさださんから届いた、
サプライズのお礼の品。

中身は明かせませんが、心温まるメッセージ、
どうも、ありがとうございます。

塗装工事で使用したさだ工務店のつなぎと共に、
またひとつ、詩島の宝物が増えました。

本当は、芝生も根付いてきた母屋でBBQをやりながら、
さださんが詩島で寛げる日々がやってくるのが、
関係者の宝物になるのですが。。。

本日深夜は、NHKの今夜も生でさだまさしの放送日。
番組欄をみますと
大型連休にジャスト水戸!.....
この辺りは、私も授業で連発する親父ギャグ並ですが。。。

これからも、ご活躍をお祈り致します。

さだまさし公式インスタグラムより

さだまさしオフィシャルブログ
まっさん旅日記・大改造!!劇的ビフォーアフター
https://ameblo.jp/sada-masashi-official/entry-12260175624.html

大改造!!劇的ビフォーアフター2017.4.2 OA.
長崎・さだまさしの詩島再生計画
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00185gksw.html

さだまさしの詩島の設計施工フォローアップ
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_12.html

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17年04月22日 07時39分24秒
Posted by: macchan

広間の中に畳コーナーを創る場合、
床とフラットにするより、上げる方が多い。
一見、バリアフリーに反するように見えますが、
上がっている方が、そこに腰掛けることができますし、
他の空間との視線の流れも良くなります。

小上がり的な感覚の畳の間では、
大体30~40cm程度上げることが多いですが、
その結果として、天井高さが2.1m程度となり、
落ち着いた、籠もり感のある空間となります。

これが、心地よさを産み出します。
しかし、そこは住まい。
雑多のモノ、来客用の毛布など、
収納スペースとしての活用も求められます。

一番使いやすいのは、引き出すタイプの収納ですが、
畳の間の配置によっては、その部分も限られます。

そこで、引き出し収納と畳を上げる収納を併用し、
普段使いと必要時に、分けて活用します。

まずは、テーブルと併用するL型構成。
窓側を畳敷き収納として、
テーブル側を引き出し収納として活用。

次は、部屋形式の畳の間。
入り口側の1箇所しか引き出せないために、
奧に三連連結引き出しをズルズルと。
残りの6マス分は、畳を上げて収納。

この畳を上げる収納方式では、仕切り板に
60Φ程度の穴を2箇所ずつ開けて、
内部の空気が流れるようにして、
湿気の停滞を防ぐようにしておきます。

堀座畳コーナーのように凹字型に畳を配して、
そこに持ち込みのテーブルを置くということも可能です。

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17年04月19日 17時31分29秒
Posted by: macchan

いつも番組が終わると、施工・建材関係者への感謝を込めて、
Special Thanksと共に番組で紹介できなかった仕事の
設計意図、施工ポイントやディテールなどを
紹介するフォローアップ記事をアップします。
ひとまず、大枠はご紹介できたかなと思います。

このように、工事に携わった様々な人々の想いが、
詰まって、番組が成立しています。
5ヶ月の設計期間と5ヶ月に渡る施工期間を
2時間番組に納めるのですから、放映はその一端、
いわゆるディレクターズカットはいたしかたないところ。

そして、その完成から物語はさだまさしさんの第二章へ。。。
ここからが、長いお付き合いの始まり。
今後はメンテナンスを含めてのフォローアップと、
新生・詩島からさださんや関係者の皆さんに、
多くの笑顔と新しい詩島発見の機会が届けられることと思います。

生まれ変わった詩島の夜明けと共に。。。
謝辞。

まっさん旅日記「大改造!!劇的 ビフォーアフター」 さだまさし拝
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大改造!!劇的ビフォーアフター2017.4.2 OA.
長崎・さだまさしの詩島再生計画
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・大改造!! 劇的ビフォーアフターさだまさしの詩島・Special Thanks!
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_1.html
・さだまさしの詩島・廃船問題から台船、そして詩島展望船デッキへ
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_2.html
・さだまさしの詩島と静岡県産杉材Jパネル
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_3.html
・さだまさしの詩島とJパネル家具製作
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_4.html
・さだまさしの詩島と見晴らしデッキ
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_5.html
・さだまさしの詩島よりさくら便り
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_6.html
・さだまさしの詩島と母屋棟屋・ひかり井戸断熱開口部
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_7.html
・さだまさしの詩島と詩島式鉄骨螺旋階段
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_8.html
・さだまさしの詩島と母屋北側法面補強
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_9.html
・さだまさしの詩島と詩島天満宮
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_10.html
・さだまさしの詩島と銅板加工照明器具再生
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_11.html

さだまさし公式インスタグラムより

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17年04月18日 21時28分09秒
Posted by: macchan

ログハウスの広間にぶら下がっていたペンダント。
重量感たっぷりで、製作ものの手の込んだ銅製のランプが
1mほどの木材の両側に3個ずつ合計6個が、
暖炉上部とキッチン上部、2箇所にありました。

ログハウスに負けないような存在感でしたが、
逆にそれが災いして、あの空間には重たすぎる印象でした。

棟屋からの光を白い螺旋階段で反射させながら、
暖炉背後のえぐった壁まで光を導き、
明るさを取り戻した広間。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_8.html

そんなリフォーム後の空間にはそぐわなかったので、
2つの既存ペンダントに付いている12個の銅板照明を
バラバラにして、広間、厨房、ギャラリーの壁に、
ブラケット照明として再生しました。
ランプもLEDに換装してあります。

もともと存在感のある銅製ランプは、
単一のブラケット照明としログハウスの壁によく合います。

新しい広間のペンダントは、Jパネルの端材を加工して、
LED3灯の光が下面へ、上面・横面には丸穴を通して
拡散するオリジナル照明として製作しました。

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17年04月16日 20時05分49秒
Posted by: macchan

母屋の北側の崖地。

ここには、当初見晴らしデッキが、

鉄筋コンクリート基礎と鉄骨架台によって造られていました。

しかし、長年の潮風によって鉄骨がボロボロになり、

何よりも重量物が載った斜面が、

風雨の浸食によって、地滑りを起こして、

表層の樹木ごと、下の海岸線に落ちていました。

 

ここは、さださんも心配されていたところですが、

このままでは、母屋の基礎まで影響が出かねません。

 

今回の詩島再生計画で、何よりまず最初に手を付けたのが、

この重要な崖地、法面(のりめん)の補強工事でした。

法面(のりめん)とは、こうした斜面のことを指します。

 

坂の多い長崎では、こうした法面を補強する会社があり、

今回担当してくれたのは、その名の通り『株式会社 法面』

http://www.k-norimen.co.jp/message.html

 

まず、現況をチェックしてもらい補強計画書を提出。

これにより、約420袋の土嚢を製作して詩島に搬入し、

斜面を成形するとことになりました。

この他にも、大量のセメントなどを運び込むため、

この北側の海岸にも、台船用の桟橋を設置しました。

 

まず地滑りした斜面とそれにより大きく張り出した

鉄筋コンクリート基礎を削り取ります。

そこに、斜面を安定させるように、

土嚢を斜面のくぼみに詰め込んで、

安定した法面に成形していきます。

これは、現場の状況を見ながら進める作業で、

まさに、この会社のノウハウがものを言います。

 

次に掘削と土嚢により成形された斜面全体を、

金網メッシュで覆い尽くし、

その中に適宜水抜きのパイプを挿入します。

セメントで固めるだけではなく、

周囲の斜面から入り込む水の逃げ道も大事。

 

この金網の上からセメントモルタルを塗り重ねて、

斜面全体を補強していきます。

 

こうして、法面全体の補強は終わるのですが、

これだとモルタルグレーの人工色が

島の大きな斜面を覆い、隣接する脇崎港からも、

緑で覆われた詩島に、その不自然なグレーが浮かび上がります。


 

これをできるだけ、島全体の景観に馴染ませるため、

アースカラーのブラウンの色粉で着色して、

自然景観にマッチするようにしています。

 

こんな工事を手始めに、詩島の再生計画に取りかかりました。

そんな施工場面オールカットでアフターで一瞬の

重要な工事のご紹介です。

 

大改造!!劇的ビフォーアフター2017.4.2 OA.

長崎・さだまさしの詩島再生計画

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17年04月16日 00時04分01秒
Posted by: macchan


母屋の棟屋はひかり井戸として、
棟屋四周の開口部から光を広間へ導き、
同時に、風も上部へ抜けていきます。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_7.html

柱芯々1500mm角の中に入る螺旋階段の大きさ、
ここはギリギリ大きく取っても1370mm。
長さ5300mmの円柱支持柱の除くと
段板の長さは約645mmなので、
屋上に上がる非日常的な用途であれば、
階段としての大きさも、何とかギリギリです。


それぞれ分割して、台船で運ぶことを考えると、
施工性も考慮して、支持柱と踏み板を分割式。
支柱に溶接されたベースプレート厚12が
鉄筋コンクリート基礎にアンカーされて、
最上部の踊場プレートは棟屋構造の梁部分に留め付けられて
支柱上部を固定しています。
手摺はあとから入れられることが必要となり、
こうなると、手摺を鉄筋や木製で考えることは難しい。

そこで考え出したのが、ロープを使った詩島式。
支持柱にあらかじめブラケットを溶接しておき、
そこに段板を取り付けていく、
ここまでは、ごく一般的な手法ですが、
詩島式では、この段板に手摺子が付いています。

そして、手摺はあとからこの手摺子の輪に通す、
白いロープとして、手摺上部と下部で大きさを変えています。
階段自体も白として、上部からの光を
できるだけ階下へ導けるように考えています。
また、手摺をロープとすることで島っぽい雰囲気もあり、
周囲のログハウスの壁とも合いますね。

さらに、こうした狭い階段では、上がる時よりも、
降りるときの方が気をつける必要があるため、
しっかりと凹凸のグリップの効いた
ノンスリップシートを踏面に貼っています。

大改造!!劇的ビフォーアフター2017.4.2 OA.
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17年04月13日 18時01分16秒
Posted by: macchan


母屋から見晴らしデッキに上がるための棟屋。
屋根の既存梁とログ壁の間という制約があるため、
この1500×1500の間でしか設置できません。
しかし、大村湾の大パノラマを感じて
気持ちの良い見晴らしデッキを造るには、これしかない。

と同時に、この棟屋にはもう一つ重要な役割があります。
現場検証で、初めて入った母屋の第一印象は、
・・・とっても暗い。。。

ログハウスは壁工法ですので、どうしてもそうなりがち。
また床・壁・天井が木で覆われているため、
光の反射も少なくなり、より暗く感じます。
さらに広間には不釣り合いの巨大な暖炉が、
一層暗がりを増幅し、圧迫感さえ与えてました。

ここをもっと明るくして、光と風を導き入れたい。
   ↓
屋根から光を取り入れ、その光を広間まで導く。
   ↓
階段・棟屋をひかり井戸と風のみちとしての役割を与える。
   ↓
棟屋の強度とそれだけが唐突に突き出さない形状を考える。

平屋屋根の上に突き出す棟屋は、当然大村湾の強風を直接受けます。
これを後付けで屋根の上に取り付けるには、
屋根と追加する米松集成梁と棟屋を強固に緊結することが必須。

これにうってつけの材料として、
日頃から静岡で使用している静岡県産杉材の3層構造パネル
Jパネルを使って詩島施設群を補強しようと考えていました。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_3.html

次は、光の取り入れ方。
開口部を多くすれば光は入りますが、同時に熱も入ってきて、
この狭い棟屋では、夏には熱気ムンムンとなってしまう。

光と同時に、風のみちにもなるため、ここの窓はペアガラスとして
デッキへの出入り口には採風ドアを採用。
これはドアを開けなくても、中を上下に開けることができるタイプ、
これと縦辷り出し窓を、大きく張り出した屋根の下に設置。

西側には、引き違い窓を設けましたが、
通常西日となりますが、横には大きく成長した松の木が
西日を遮ってくれますし、緑の壁が目に飛び込んできます。

では、残りの南と東の開口部はというと・・・、
何やら白い透けた壁のような物が見えていますが、
残念ながら番組ではオールカットです・苦笑

実はここには、1000×1400の大きな開口部があります。
しかも中には断熱材が入れてある。
なのに、光が入ってくる。
何だか禅問答のようですが、
ペットボトルを再生した、白い断熱材であり、
かつ、光を通す優れもの、
エンデバーハウスのパーフェクトバリア。
http://www.endeavorhouse.co.jp/



これを外部内部からポリカーボネート板でサンドイッチして、
断熱ひかり開口部としています。
そして、このポリカーボネート板にも秘密が。。。
ここで、使用しているのは、AGC旭硝子社製の
高耐候性シート カーボグラス 厚6 XLW クリア
一般のポリカーボネートを外部に使用すると
紫外線で劣化して、黄変してしまいますが、
これは、外部のアーケードなどに使用される外部用です。
http://www.agc.com/polycarbonate/pdf/carbo_kinou-sheet.pdf

母屋正面のログの手摺壁を保護するために延長した庇にも使われています。
こうして母屋棟屋の通風ひかり井戸の役割が与えられています。
この実用的な建築操作、やっと日の目を見られます。

私の自邸での様々なポリカーボネートを使用した
リフォーム改修はこちらから。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201110/article_4.html

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17年04月12日 11時59分15秒
Posted by: macchan


もう4月も半ばだというのに、
冷たい雨が多くセーターやコートが必要だったり、
桜もなかなか満開のタイミングが難しそうで、
この雨で、はや散っていくという様子です。

しかし、今日からは暖かくなる予報ですが、
静岡は、昨日より10℃高い、いきなりの20.4℃予想。

そんな中、詩島より見晴らしデッキ周囲の桜開花便り。
天候は、雨模様が多いそうですが、
ログハウス母屋の屋根上の見晴らしデッキから、
大村湾のパノラマと共に桜。

それにしても、現場監督兼船長兼カメラマン、
映像チームとも絡みが多く、狙ったアングルは見事。

このデッキで、花見酒と行きたいものですね・・・さださん。

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17年04月11日 19時15分13秒
Posted by: macchan


大人の詩島に蘇らせるために、
グランピングをイメージして設計した展望船デッキ。
こちらはバンガロー棟跡の斜面を活用して、
ゴロリとしながらの大村湾の風景を楽しむスペース。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201704/article_2.html

しかし、やはり詩島からの絶景を望むには、
ログハウス母屋棟の屋根の上からが一番の眺め。
現場検証で、屋根の上に登ると
北東方向に樹木がなく大村湾を望む絶景が広がっていました。

屋根の上にデッキを作る。
一見簡単そうに思えますが、
これにはそれなりの建築的準備が必要となります。

1.デッキを設置する屋根部分の構造補強
2.デッキ基礎の形状と防水処理
3.デッキ下地構造の検討
4.デッキ材と手摺材の選択

1.デッキを設置する屋根部分の構造補強
ログハウスの平屋の屋根。
その上部に積載物を載せるには、その荷重に建物が追随できるかが重要。
ログハウスの基礎をチェックすると、
必要かつ充分な鉄筋コンクリート造の基礎形状、
この辺りは35年前にいかにしっかりとした
施工がなされていること感じました。
タル木は通常寸法40×120でしたので、
デッキ脚部下となる部分に、
新たに120×120のタル木を挿入して、
さらに、その荷重を受ける既存丸太梁下に、
米松集成材梁120×240を加えて、
新たに加わる見晴らしデッキの積載荷重に対応しています。

2.デッキ基礎の形状と防水処理
荷重対応と共に、もう一つ重要なのか防水対策。
屋根上にデッキを製作するには、その基礎となる部分が必要で、
それは、屋根にしっかり留められている必要があります。
留めるということは、ボルトで穴を開けるということ、
つまり、雨漏れの原因となる穴が開きます。

ここをいかに防水処理するかということが需要となります。
今回は、200×200×50~83の斜めの桧土台を加工し、
これにキシラモン+キシラデコールの防腐防虫処理、
屋根と接する部分には、粘着性ゴムアス防水を二重張りし、
その上に基礎パッキンを介して桧架台を載せ、
コウチスクリューを打ち込みますが、屋根部と上部にも
Wでコーキング処理をおこなっています。
ここで需要なのは基礎パッキンで架台を浮かせていること。
密着していては、毛細管現象による雨水滞留が起こりますし、
浮かせることで雨水を流して、架台下部の乾燥が確保できます。

3.デッキ下地構造の検討
これは、私の島シリーズ(八丈島、沖縄久米島)で培ってきた
単管を接続金物で組み上げていくシステム。
こちらのジョイント工業さんの金物を使用しています。
http://www.ashiba-pipe.com/


今回は、15種類、約500個の接合金物が使われていて、
組み立て図と拾い表を設計していますが、
このシステムでは、設計者がおこなわなければならない必須作業です。
単管は足場にも使用されているものですが、
溶融亜鉛メッキされた肉厚1.8の高張力炭素鋼鋼管を使用しており、
通常の単管肉厚2.4より25%軽く、施工性を上げています。
沖縄でも使用しましたが、沿岸部ではステンレスでも錆が発生するので、
逆に溶融亜鉛メッキ鋼の方が優れていると沖縄では常識となっています。
そこにさらに、VP塗装をすることで、さらに耐候性を高めています。


4.デッキ材と手摺材の選択
単管の構造フレームの中に、木材の受けとなるプレートが
各部に挿入されていて、そこにセランガンバツー厚30×105を
根太材とデッキ材にして、デッキ、ベンチ、テーブルを構成。
手摺部には厚20×90を使用しています。

こうした万全の構造的・防水的な処理と施工技術が、
詩島の見晴らしデッキを支えています。

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17年04月08日 18時55分26秒
Posted by: macchan


静岡県産杉材Jパネルの進化版JPウォールは厚30、
これはJパネルの厚36より軽く施工性が上がっています。
それと同時に、家具用Jパネルの厚30と同じ厚みとなるため、
どちらかの材料に欠品ができても、転用が可能です。

家具用といっても、床倍率のような水平構面では
構造用Jパネルと何ら性能は変わりませんし、
また、JPウォールは元々この厚みと同じ。
そのな融通性が持てたのも静岡の丸天星工業さんのお陰、
現場での追加修正やら、ちょっとした棚の増設にも、
送付済みの材料を適宜転用して、乗りきることができました。
今回は構造壁・間仕切り壁・家具合わせて
910×1820×99枚、1000×2000×21枚、
120枚が使用されています。
http://marutenboshi.com/

母屋棟のラウンジピットテーブル・床・周囲、ベンチ、
食堂テーブル、収納棚、厨房のモーニングカウンター、
ベンチ、食器棚、収納棚、
ギャラリー収納棚、和室掘り座卓、洗面カウンター。
管理棟の下足入れ、収納棚、洗面カウタンー、タオル棚
クロゼット収納。
浴室棟の洗面カウンター、脱衣収納、タオル棚。
便所棟のカウンター。

構造壁、間仕切り壁以外にも、これだけの使用箇所があり、
本来であれば、すべて放映で日の目を見ることは少ないのですが、
今回は、詩島の施設が複数あったため、
中盤以降、リフォーム終了後のアフターが散りばめられて、
それぞれお披露目ができたのは、
大工さん、家具屋さんの仕事を見ていただけて良かったです。

このJパネルは、日本の山から産出される
良質な国産材を活用・生産して、
安定した品質と耐震性、調湿性、保温性など
すぐれた性能のため、多少価格がはりますが、
そのまま、仕上げ材として現しにできることで、
結果として、仕上げ材の省力化によるコストダウンが可能です。

またJパネルの歩留まりを上げるため、
それぞれの家具には、Jパネルの部品割り付け図を添付して、
その端材を、別の家具に転用するように考えられ、
無駄なくパネルを使用することにも努めています。

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17年04月07日 09時26分23秒
Posted by: macchan


母屋棟/ログハウス、管理棟・浴室棟/在来木造
バンガロー棟/鉄骨架台+在来木造。
異なる構造体が混在する施設群をどのように再生するか。
また、どのような仕上げ材を考えるべきか。

最初に番組側と議論をしたのは、やはりバンガロー棟。
これを再生するには、あのボロボロの基礎と鉄骨を
補修するのは不可能なので、
もう一度造り直すと膨大な費用が掛かるし、
ゆくゆく、また現状のような状況になってしまう。

ここは、思い切ってすべて解体・撤去して、
上部の木造躯体を転用する案が採用されました。

浴室棟についても、現況のような男女別々の案もありましたが、
やはり、今後のメンテナンスを考え、
コンパクトに1つにまとめて、大きめの浴槽でゆったりと。
浴室棟がすべて白蟻被害で躯体が駄目だったですが、
バンガロー棟と浴室棟の間口が同じだったため、
基礎をそのままに、構造躯体の転用する案は、
比較的すんなりと考え出すことができました。

さて、その他の施設をリフォームする上で考えたのが、
構造・仕上げの統一性と省力化。
やはり離島でおこなうのには、繰り返しと施工性。
それには、私が静岡でよく使っている
国産材3層クロスパネル・Jパネルの使用を考えました。

この構造パネルの生産工場は、静岡・鳥取・徳島の3箇所。
今回は、リフォームの部位が多岐に渡り、
パネル寸法が適宜微妙に違ってくるため、
その調整と打ち合わせを綿密にできる静岡の丸天星工業さんに
ご協力をお願いしました。
また、家具用Jパネル厚30の在庫が豊富なのも助かりました。
http://marutenboshi.com/

今回使用したJパネルは同社が開発した進化バージョンの
JPウォールという耐力壁で、受け材を必要とせず、
木製ダボ接合とビス斜め締めのシンプルなもので、
施工が容易で、強固な構造を創り出し、
その両面を即仕上げ壁として表現でるの特徴です。
http://marutenboshi.com/jpwall.html

このJパネルを4寸角の柱の間に落とし込む、
落とし壁工法は、粘り強い構造として、
建築家の間でも、広く認知されています。

平屋の管理棟ではありますが、現行の構造強度に合わせるため、
この耐力壁で補強しつつ、そのまま仕上げ壁として、
内装工事を不要にしています。



母屋棟はログハウス。
この構造は安易に壁を撤去できないので、
既に開口部の部分の腰壁を撤去して、
食堂の地窓を追加して、明るさや海への視界を広げ、
新たな厨房では、同じく既存窓の巾ごと
部屋を北側に910mm増築。
崖に近い北側ですので、ここは基礎を造らずに
キャンティレバー(片持ち)で室内を延長しましたが、
この部分の床、壁、屋根は同じくJパネルで構成した
モノコック構造となっています。

棟屋部分については、一番気を使った部分。
下のログハウス構造には、集成梁とポスト柱を追加して
上部の見晴らしデッキの追加荷重に対処し、
棟屋自体もJパネルとDボルトの強固な構造として
母屋の構造と一体化しています。







このJパネル落とし壁工法で設計した私の住まい実例です。

・国吉田物語建設プロセス
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201312/article_2.html

・池田山物語建設プロセス
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201404/article_2.html

・『木香の家』モデルハウス
広島・呉の大之木ダイモ 商品企画住宅
http://daimo.jp/kinoie/modelhouse/4960/

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17年04月04日 10時02分07秒
Posted by: macchan

5ヶ月にもおよぶ工事期間・・・、
それを番組として成立させるために、
スタジオ収録やCMも含めて、2時間に納める。

これは、究極の取捨選択作業となります。
それぞれの現場作業には、設計と施工の背景と意味があり、
いつも放映後に、このブログでフォローアップ。

これを読んでいただき、再度録画を見るというのも
劇的!!ビフォーアフターの通の見かたかも知れません。

今回、さださんがグランピング・スペシャル・アイランド詩島
と仰っていただいたように、ロビンソン・クルーソーならぬ、
詩島を島ごと再生して、大人の遊び場にするべく、
いろいろと知恵を絞りましたが、
何と言っても必要なのは輸送手段の確保。

今回、監督と棟梁が船舶免許を持っていて、
監督のビフォーアフター号で職人さんは送迎できても、
資材運搬には、別途の運搬船が必要。

35年前の建設時も台船を活用して資材を搬入したということで、
まずは、運送手段となる台船の確保と製作が始めでした。

ただ、当初はそんなに都合良く船が手に入るのか?
取り合えず3艘・・・それも格安で。。。
三艘船は安定を考えると当然です。
そんな相談を漁業長にしたところ、
持ち主不明の廃船や耐用年数を超えた廃船があるので、
良ければ持って行ってください・・・と。
ということは、無償でよいということ。

訳を聞くと、大村湾のあちらこちらで、
持ち主不明の廃船が多く、処理費が掛かるので、
そのままになっていて、実は困っているとのこと。
そういえば、琴海周辺にも沈み掛かった船がありました。
また、陸揚げした廃船は畑の中で水瓶として利用。
よく畑で見かけるポリ製バスタブのアレの代用品。

その代わり、使用した後もそちらで処分して欲しいとのこと。
16万円/艘の処理費が掛からないのなら、それはありがたいということ。
こうして、運搬手段の台船に目安が付きましたが、
そのあと処理を考える必要が生じました。

ただ計画当初から、私は船を使用した船デッキアイディアがありました。
今回は、外から持ってはいる資材をできるだけ少なくする、
塩害によるコンクリートや鉄骨の劣化があり、
腐食しない素材を考える必要があり、
腐ることのないFRP製の船は、この土台としてもってこいの素材。
それが、無償で手に入るのですから、これはWIN WINの関係ですね。

台船としての役目を終えた後の最後にグランピングエリアを構成する、
そこに、ストンと落とし込まれていったのは、
島の匠としてのこれまでの三つの離島の経験かもしれません・苦笑。


また、この台船専用桟橋も、島の南北入り江に2箇所設置して、
作業効率を高めました。

ただ、そうはいってもはやり、廃船。
中には最後のご奉公が嫌で、船底に穴が空いた船もあり、
陸揚げして、FRP防水補強しながら使用しました。

最終的には、6艘の船を2艘ずつ並べて、4艘を使用、
残りの2艘を半分にカットして4分割して、
それぞれの土留めに使用しています。

ただ・・・これが重い。。。
1艘がだいたい500kgぐらいあり、
それにフジツボがびっしり付いていますので、相当の重量。
あとは、運びにくく、詩島の通路巾も1.2~2m程度と狭い。
まず、単管でフジツボをこさげとり、5~6人掛かりで
横にして運びますが、これが人海戦術。

船デッキの掘削も、日程的に台船解体後の作業となるので、
工作機器がなく、これまた人海戦術。。。
設計はしたものの、実際の施工する皆さんの、
多大なる体力提供をいただいた結果、できたようなもの。
また、掘削した土砂も袋に詰めてカット船基礎の重石に転用、
ぬかりなく現場にあるものを転用しています。

そこでは、専門の職方さんだけでなく、
大工さん、電気屋さん、塗装屋さん、AD君、バイト君、
多くの職方の皆さんのお陰です。

また、カット船を船デッキの基礎として成立させるため、
設置位置や土留めの調整など、
もはや図面より現場状況での手作業修正。
そのお陰で、朽ちることのないしっかりとした
船デッキ基礎が出来上がります。


こうして素晴らしい展望船デッキを完成することができました。

厚く、御礼申し上げます。

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 ・・・どうも、ありがとうございました。

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17年04月02日 22時36分27秒
Posted by: macchan


今回で物件11軒目、放映14回目の出演となりました。
気がつけば最多出演となりましたが、
ここ数年は東京・八丈島、沖縄・久米島、
日本最南端・波照間島と続いた島リフォーム編。
沖縄本島、石垣島、西表島、竹富島などでもロケをおこない、
さすがに、もうどんな島でも驚かないと思っておりましたが、
ついに無人島...究極の離島・・・
さだまさしさん個人所有の聖地『詩島』
もう、森の木の代弁者とは誰も呼ばず、改め島の匠。。。

その詩島を最初に訪れたのが、4/15現場検証。
当初は母屋の改修がメインでしたが、
さださんのこれからのことを考えると、
島全体の施設群を整理して、
それぞれを適宜改修して、詩島全体を蘇らせる・・・
という方向性になりました。

それから、長崎に通うこと15往復、延べ24泊
5ヶ月の施工期間を経て、ようやく完成することができました。

長崎・さだまさしの詩島『借金で潮漬けされた家』
詩島再生計画の概要は、番組HPからご覧いただけます。
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00185gksw.html



この番組で紹介された工事費でおこなうためには、
テレビならでは、様々な関係者のご協力があればこそ。
今回は、以下の方々の誠心誠意なるご協力のお陰で
無事、詩島を蘇らせることができました。

さださんのお友だちの七夕会の皆さまにも、
大変お世話になり、ありがとうございました。

この場をお借りしまして、
あらためまして、御礼申し上げます。
皆さん、どうもありがとうございました。

・石橋工務店
会長 石橋 重博,社長 石橋 光成,専務 石橋 務
棟梁・船長/黒田 進
大工/道下 智仁,中村 太輔,榎並 佳祐,林田 雄一
・現場管理・船長:西山工業/西山 英三
・副棟梁/川村屋 川村 浩輔
・仮設工事:岩永組/岩永 勝則
・法面工事:法面/植松 将志
・鉄骨工事:佐藤鉄工所/佐藤 太
・屋根-板金工事:ライムイシモト/石本 潤治郎
・鋼製建具工事:シバタアルミ工業/芝田 保人
・木製建具-家具工事:小島工作所/山中 俊昭
・左官工事:西山工業/井手上 智幸
・塗装工事:おぎ野/林 正訓
・クロス-ロールカーテン工事:TMインテリア/松本 輝政
・暖炉工事:イズミファニュチャー/溝上 達也
・テント工事:諫早テント/長尾 文正
・植栽工事:若杉豊緑園/若杉 周一
・電気工事:西村電気工事/西村 栄記
・給排水設備工事:研進工業/八戸 泰道
・住設機器他資材:ヤマエ久野/竹下 博昭
・木材-建材-ホウ酸防蟻:クロダ/島田 浩
・船:ヤマハマリン西九州/森 克也

・詩島看板製作:七夕会ご友人
 デザイン/おぐらひろかず 彫刻/小針樹生



また以下の資材については、格別のご協力をいただきました。
あらためて、御礼申し上げます。

・丸天星工業:静岡県産杉材Jパネル
 ・・・管理棟、母屋の構造補強兼仕上げ材、家具材
・AGC旭硝子:外部用高耐候性シート/カーボグラス 厚6 XLW クリア
 ・・・母屋延長庇、棟屋断熱トップサイドライト
・ジョイント工業:各種単管ジョイント金物
 ・・・母屋見晴らしデッキ単管構造接合部材
・日本ルナファーザー:ルナファーザー、ルナしっくい
 ・・・管理棟寝室天井仕上げ材、母屋建具紙クロス

今回は個人の島ということもあり、
交通手段として、監督私有のビフォーアフター号を使用して、
監督の西山さん、棟梁の黒田さんは
職人や資材輸送の船長としても大活躍。
また、地元漁港の漁協長の宮崎 重見さん
をはじめ、漁港の皆さんにも、大変お世話になりました。

そして忘れてはならない、番組の制作担当者の方々。
今回も大変、お世話になりました。
ありがとうございました。
・高橋総合演出
・植田朝日放送プロデューサー
・古原プロデューザー兼取締役
・一丸取締役
・藤極ディレクター
・写楽映像担当
 /岡田カメラマン、齊藤VE
・照明担当/東岡
・現地映像補佐:エーティーシー

・中島アシスタントディレクター
 兼カメラマン兼アシスタント大工兼現場対応担当
・ロケハン-アフターサポート/小原デレクター

沖縄編に続いてインテリアをアシストしてくれました
菜インテリアスタイリングの尾田さん。

私の住まい構造設計の良きパートナーである
掛川の志茂野構造研究室

皆さん、大変ご苦労様でした。
そして、ありがとうございました!


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