まずは既存建物の図面が出来上がりましたら、
それを元にして、その建物の強度を計算します。

リフォーム前に、すべての壁を
剥がすわけにはいきませんので、
平面図を元に、本来必要である耐力壁を、
構造計算によって、算出します。

耐力壁.jpg

この時に、確認する情報として、
屋根、外壁、床、壁、天井の仕上材の種類があります。
これらは、建物強度を決定する上で大切となる、
建物自身の重量・自重を決める重要な項目となります。

建物自身の重さが、建物強度に関係してきますが、
一連の構造偽装問題でも、この建物の重さを軽減していました。

また住宅の場合は、床に対して1800N/m2(180kg/m2)という
積載荷重を考慮することも建築基準法で決まっています。
こうしてた要素を計算に入れながら構造計算をおこなうと
建物に配置する耐力壁、つまり在来工法ですと
筋交いの配置やその倍率が算出されます。

筋交い.jpg

これに基づいて、リフォームするべき建物の
適正な耐力壁の量を把握して、構造補強のベースとします。
筋交いを追加する、またこれができない箇所では、
構造用合板を適切な受け材を追加して張り込めば、
それだけでも、耐力壁の倍率がアップします。

筋交補強21.jpg

ちなみに、壁倍率は以下の数値です。
・片筋交い15×90mm以上の材:1.0倍/同たすき掛け:2.0倍
・片筋交い30×90mm以上の材:1.5倍/同たすき掛け:3.0倍
・片筋交い45×90mm以上の材:2.0倍/同たすき掛け:4.0倍
・片筋交い90×90mm以上の材:3.0倍/同たすき掛け:5.0倍
・構造用合板を胴縁壁に張り込む場合:0.5倍加算
・構造用合板を大壁に直接張り込む場合:2.5倍加算

※壁倍率の最大値は5.0を超えることはありません。

こうして既存の筋交いには、金物を追加したり、
構造用合板を張りまして補強し、
構造計算に基づいて、新規の筋交いを追加して、
確実な耐力壁を造ることが大切となります。

しかし、実際には内装の解体工事をおこなってから、
現状がどのようになっているのかを
把握することが、大切になります。

筋交補強11.jpg

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