昨年寄稿するべきでしたが。。。
昨年2016年11月27日(日)の放送をもって、
大改造!!劇的ビフォーアフターシーズンⅡが終了しました。
番組関係者の皆さん、シーズンⅠ・Ⅱを通じての14年間、
本当にお疲れ様でした&ご苦労様でした。

物件数307軒・・・これをリアルにリフォームして、
世の中の建て主へ届けたことを思うと、
あらためて、凄い数字だと感じます。

番組としては、14年間の歴史の中で様々なことが起こり、
いろいろな批判にも晒されておりますが、
私自身の10軒、13回の出演を通して感じたことを備忘録として。

・2005年3月 6日O.A/娘が窓の外で寝る家

通常、建て主と設計者との関係は直接的な契約関係ですが、
番組では特異な環境で設計者としてプロジェクトに参画します。

ここに問題点があると言われる方も多いですが、
それは、参加する設計者の取り組み方次第というのが私の見解。
仕事して受けるからには、
必要な住まい手の情報を得るのは当たり前のこと。
それが直接的な関係ではないにしても、
番組を通じて、その情報を受け取ることは可能ですし必須のこと。
さらにリフォーム費用の適正性と+αの事業構築の可能性、
私の場合は、これはまず番組側と議論します。
この前提があまりにかけ離れていると、それは無理ですから。

・2006年3月12日O.A/お風呂が透ける家

対応可能な価格帯の範囲にあるかどうか、
参加する工務店との情報交換や打ち合わせは、
基本・実施・現場監理の過程で、常に行います。

その辺りは、無理はあっても工務店とのいろいろな関係で、
許容できる範囲だったのは、
引き受けた物件と思わぬ人の繋がりがあったり、
ある意味、特番や離島物件などの特殊な物件が多く、
恵まれていたかもしれません。

だたし、そうは言ってもいつもその点に一番苦労したのも事実。
通常の設計監理という仕事ではなく、
あくまで番組だという視点を理解することには
やはり時間と苦労がかかり、工務店にもご迷惑をかけました。
もちろん、その後のフォローアップも欠かせず、
今も、工務店さんとは機会があれば一般の仕事を協働しています。

・2007年1月14日O.A/お腹がつっかえる家

詳細を語ることは控えますが、
やはり、我々の仕事の本分は基本設計・実施設計・現場監理
を通しての図面と指示、
コストも含めた、工務店との現場やり取り。
私の場合、通常の仕事と同様とまではいきませんが、
それでも、できる限りの図面を描きますし、
番組でも相当の図面量だと言われています。
島物件の多い私は、現場で描くスケッチも重要です・苦笑。

・2009年10月11日O.A/カニ歩きで入る家
 秋の2時間スペシャル/内藤大助選手出演回
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/list/d00018trdr.html

通常の設計監理契約の締結とは異なりますが、
そんな仕事を受けるのは、なぜ?
相当の宣伝効果になるから?

もちろん、反響はありますし、相談を受けることもありますが、
それによって仕事が増えるということは、
ほとんどありません・苦笑。
逆に、割に合わないといった方が良いくらいで、
我々の仕事は、ハウスメーカーと違って
そのご家族ライフスタイルに合わせた一品生産ですから
住まい手の求める住まい感だったりを
いろいろ考えながら進めていく手法は、一般的ではないのです。

・2010年4月25日O.A/人前で服を脱ぐ店・リフォーム編
 有名人実家番外編・小島よしおお母さんのお店
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/list/d00033gian.html

それでもなお、番組の仕事をお受けするかというと、
私の中に以下のような信念があるからです。

一つ目は、番組に応募する方は、
設計者と住まいを創るという感覚がほとんど無いことが多く、
一般的には、既存メーカー住宅志向が9割以上でしょう。
そんな人に、設計者の関わった住まいで、
住まい方が変わるということを体験してもらいたいこと。

・ビフォーアフター大賞2011・空間アイディア部門賞受賞
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/special/d00081mwtr.html
・ビフォーアフター大賞2012・空間アイディア部門第一位受賞
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/special/d00107nxvd.html
・2011年3月20日O.A/6畳に孫7人が寝る家
 春の2時間スペシャル
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/list/d00062pray.html

二つ目は、今度増え続けるリフォーム・リノベーションへの
対応力や手法を常に、養っておくこと。
但し、私の場合は過剰な家具や可変的なことは、
あまりやらないで、シンプルな構成を心掛けていて、
その点については、いつも番組と議論しています。

・2012年7月15日O.A/6畳に孫7人が寝る家
 アフターアフタースペシャルⅤ

三つ目は、異業種である番組スタッフや工務店・職方さんと共に、
知恵を出し合いながら、住まいづくりを協働作業として行うこと。

特に、三つ目は自分でも思いも寄らぬ方向性が見出せたり、
地場の素材が思わぬ人と人の繋がりがあったり、
なかなか興味深いことが、数多くありました。
不利であるからこそ生まれるアイディアというのは的確なものです。
私はそんな考えで、この番組に参加してきました。

・2012年7月22日O.A/窓を開けてはならない家
 超拡大版・夏の2時間半スペシャル
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/list/d00097wmlo.html

番組創成期のシーズンⅠは、毎週おこなっていましたが、
このことによって、リフォームという手法とそのBeforeAfterが
社会的に認知された言葉になりました。
シーズンⅡでは、より適切なリフォーム価格と工期により、
熟成したリフォームが、隔週的な扱いとなり、
芸人さんシリーズや非住宅系も登場しました。

・2014年2月9日O.A/世界のリフォーム匠視察団
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/special/d00128frys.html

・2015年3月15日O.A/営業再開を急ぐ店
 有名人実家リフォームスペシャル・小島よしお編
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/list/d00151fhla.html

今後は、年数回の特番とのことですが、
建築番組的に見れば、もうその方が適切ではないかと感じます。
私にとっての番組は、思考の巾を持たせてくれた
ありがたい存在であったと思います。

そんな番組で関わった多くの関係者方々に、
あらためて御礼申し上げます。

・2015年8月16日O.A/繁盛しすぎて困る店
 小島よしお・第三弾屋上リフォーム編
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/famous/d00160lsvh.html

・2016年3月6日O.A/雨も土も降る家
http://asahi.co.jp/beforeafter/d00170dlfa.html

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 ・・・どうも、ありがとうございました。

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