2017年 8月の記事一覧
陶磁器の生産地、美濃焼でも有名な多治見。
ここは、その焼きの技術を活かした、
タイル産業が発達した地でもあります。
そんな多治見に、ユニークなモザイクタイル美術館があります。
藤森照信設計による多治見モザイクミュージアム
http://www.mosaictile-museum.jp/
突然現れる粘土山を模したような大きな山型の塗り壁、
その頂部に松の木が点々と植えられて、
下の方に小さな入口が穴のようにポツン。。。
とにかく、最初は全体の大きさというか、
建物のスケール感がよく分からない。
人が入って、初めてその巨大さが分かりますね。
その塗り壁には、様々な陶磁器やタイルの割れた破片が埋め込まれ、
小さな小窓と竹の樋が一箇所。
この巨大な塗り壁を塗り上げるのに、どれほど多くの
左官職人さんの努力があったことか。
そして、やっぱり気になるのはこの山型の外観と松の木、
裏はどうなってるの???
横に回ってみると、これまたそのまんまの屋根形状・笑
当たり前すぎて、こちらがいろいろ考え過ぎてしまうところが面白い。
よく見ると植えられた松の木のメンテナンス用ハシゴが
しっかりと用意されております。
中に入りますと、まず最上階の4階まで一気に登る階段が。
その上が明るいだけに、階段の暗さが一層引き立ちます。
階段脇の穴ぐらは明るくなって、
中を覗くと上にトップライトがあり、
これは、コルビジェのロンシャン教会の採光塔のようです。
上がりきると、これまた天井に穴が開いた半戸外空間。
丸い穴の周囲からワイヤーが床に絞り込まれて、
そのワイヤーには、沢山のモザイクタイルが挟み込まれ、
まるでタイルノシャワーが降り注ぐようです。
http://www.mosaictile-museum.jp/collection/
ここでは、タイル貼りの流し台やトイレ、壁画など
かつて生活の中に溶け込んでいたモザイクタイルの姿。
階下の室内ギャラリーには、様々な種類の
モザイクタイルが展示されていて、
モザイクタイルを設計に使ってみたくなります。
その他にも、既製品に土塗りを施した照明器具、コンセント、
果ては、防火扉まで・笑
モザイクタイルと貼った消火栓などなど、
まだまだいっぱい面白いものが見つかりますよ。
最後のショップで、500円モザイクタイルつめ放題、
少々遠慮して、コップ余らしていると、
もっと山盛りに入れても大丈夫ですから・・・と
お店の人に、もう一踏ん張りを促され・苦笑
皆さんも是非、コップいっぱいに。。。
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・・・どうも、ありがとうございました。
名古屋から北へ35km、旧岐阜県庁跡地の再開発に建つ、
伊東豊雄氏設計のぎふメディアコスモス。
http://g-mediacosmos.jp/cosmos/about/character.html
岐阜市の市立中央図書館と交流ホール、プラザ、
そしてギャラリー、スタジオからなる複合施設です。
『知の拠点』、『絆の拠点』ということで、
市民相互の交流が、より啓発されるように
オープンな建築の中に、各ブースが点在して、
それぞれが適度な独立性を保ちながら、その気配を感じられる
プランニングは、大きな家と小さな家の組み合わせ、
これが、訪れた市民により親しみを持たせて、
それぞれが、さまざまな活動を楽しめるように仕掛けられています。
http://g-mediacosmos.jp/cosmos/floor_map.html
そして、圧巻なのは2階の中央図書館。
全体を覆う構造体の木製格子によるシェル構造屋根の下に、
『グローブ』と呼ばれる逆さまの漏斗形状のかさが浮かび、
大空間の建築に、小さな居場所が点在して、とても落ち着く。
さらにこの中に、自然の光や機械式の換気と自然対流、
床からの輻射冷暖房により、大空間の省エネルギー対策が施されている。
http://g-mediacosmos.jp/cosmos/about/20161026115337-25a7532106aebe9aa9c397694f314320d00ebea6.jpg
岐阜の厳しい冬に、市民のこの上ない居場所となることが、
容易に想像できる、気持ちの良い建築でした。
さらに、コンビニやスターバックスも併設されて、
いつまででも、滞在できる仕掛けもあり、
岐阜市民の『知の拠点』、『絆の拠点』となるでしょう。
同じ敷地内に建設される同氏設計の岐阜市庁舎ができあがると、
さらに相互に連動したみんなの広場となりますね。
http://www.city.gifu.lg.jp/secure/29461/1_01_sekkeikonseputo.pdf
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・・・どうも、ありがとうございました。
『うだつ』とは、屋根が連続する町屋にあって、
屋根の両端を一段高く棟を立ち上げて、
火災の類焼を防ぐ、防火壁のこと。
この『うだつ』を造れるのは裕福な家であり、
それが庶民からの願望となって、
『うだつ』を造れるように成功すること、
すなわち『うだつ』が上がる という語源となりました。
名古屋出張の折りに、美濃和紙で有名な美濃市に、
江戸から明治時代の商家の家々が多く残り、
この『うだつ』の街並みが形成されています。
http://www.minokanko.com/udatsu/
さすがに、1300年の歴史を持つ美濃和紙を産んだ町だけに、
それぞれの間口も大きく立派で、
小坂家(国指定重要文化財)、旧今井家(市指定文化財)など
連子格子窓の連続が美しい。
平安時代から江戸時代にかけて、
奥行きに関わらず、間口の広さで間口税が掛けられたため、
間口3間前後のうなぎの寝床のような町屋が出現しましたが、
ここでは、間口5〜6間の家もあり、
さすが豪商の町を感じさせます。
そして、その両側に立ち上がる『うだつ』も立派なもの。
むくりの付いた屋根に合わせたむくり『うだつ』、
さらに、それぞれが立ち上げた二重の『うだつ』まであり、
往時の繁栄を今に伝える美濃の街並みでした。
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・・・どうも、ありがとうございました。