伝統建築に学ぶ/飛騨高山編その1
投稿日:2010年08月20日金曜日 05時08分36秒
投稿者:アトリエMアーキテクツ カテゴリー: 建築風景
昔、飛騨高山を訪れた際の写真を元に、
今なお受け継がれ、住み継がれている
伝統建築について考え、
その魅力をお伝えしたいと思います。
先人の知恵、温故知新の精神で・・・。
まず、最初の写真をご覧下さい。
どっしりとした、重厚な造りの外観と
軒先にぶら下がる杉玉。
古来、寒造りの新酒ができると
青々とした杉の葉を束ねて球形にしたものを
軒先にぶら下げて、酒造の神のご加護を願う
風習があり、これが造り酒屋の看板となっています。
造り酒屋といえば、酒蔵があり
いわゆる豪商となるわけですが、
その建物をよく見ると
建物の側面に屋根よりも
一段高くなった漆喰塗の厚い壁が
立ち上がっているのが分かります。
この屋根のついた厚い壁は、
町屋などの隣り合って連続して
建てられている場合に
隣家の火災が、燃え移るのを防ぐ
防火壁の役割を担っている壁で、
うだつ(卯立、卯建)と呼ばれます。
これを創るにはそれなりの費用も掛かるため
比較的裕福な家に設けられることが多かったようです。
この、う・だ・つ、
どこかで聞いたような気がしませんか。
そう、うだつがあがらないという言葉。
地位・生活などがよくならない、ぱっとしない、
先の見込みがない時に使いますが、
その語源が、この防火壁に由来するとも言われます。
最後の中庭からの写真ですが、
左手奥、2階屋根の上に少し見えるのが
内部から見た、うだつの様子です。
こうした言葉からも、
住まいと生活習慣の密接した関係が伺えます。
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・・・どうも、ありがとうございました。
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