連子窓11.jpg

飛騨高山の住宅に共通する窓と言えば
ご覧のような連子窓(れんじまど)。

これは、細い角材を竪または横に
並べて組子とした窓のことで、
歴史的には飛鳥時代の仏寺に
初めて現れたと考えられています。

こうした格子窓は、適宜に日照を調整する効果と
往来近くの窓から内部を見にくくする
プライバシー効果があります。

さらに、簀戸と呼ばれる小丸竹を
隙間なく組んだ建具と併用したり、
よしずを内側に掛けたりして、
夏の涼を取るための手段としても使われ、
日常生活に大変役立つ窓となっています。

格子した窓が連続するまちなみが、
独特の風情ある表情を創り出しているんですね。

この窓の内側は、よく見ないと分からないのですが
巾のある縁側であったり、
わずかな巾の縁台であったり、
簀戸を全面に付けていたり、
障子戸があったり、・・・・

こうした、その背後にある様々な
住まいの様子が感じられて、
見ていて飽きないですね。

連子窓12.jpg

また、最後の写真にある建物の下に
竹を弓状に反らせて組んだものは犬矢来。

これは、建物の外壁の腰壁、
つまり、庇によって防ぎきれない雨がかり部分を
保護するために設ける囲いです。

名前から、犬のおしっこから保護するという
意味合いもあるとの説もありますが、
本来は、外壁の保護でしょうね。
しかし、これがまた美しいんですよ。

こうしたまちなみの中では、
円弧状の曲がった要素が見当たらないので、
その優雅さが一層引き立っています。

こうした伝統的なまちなみでは、
一つ一つの構成部材にも、その理由があり
そうしたパーツに目と向けて眺めると
ひと味違った楽しい散策となりますね。

連子窓13.jpg

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