伝統建築に学ぶ /飛騨白川郷その1・合掌造
投稿日:2010年09月14日火曜日 06時07分01秒
投稿者:アトリエMアーキテクツ カテゴリー: 建築風景
白川郷の景観を象徴しているのが
300年近くも住み継がれている
合掌造りと茅葺き屋根。
今回は合掌造りについてお話ししましょう。
大切妻の屋根は、そのすべてが小屋裏となっていて、
そこは何層にも区切られ、
おもに養蚕、つまり生糸をつむぐ元となる
カイコの育成場となっています。
この大きな小屋組みが合掌造りであり、
その下、つまり1階の軸組みによって
部屋割りされた部分が居住区となっています。
つまり、上(小屋裏)と下(1階)では、
まったく違った構造となっていて、
その昔は、1階の軸組みを大工が
小屋裏は、村民の手で造っていたとのことです。
また、その中には、牛馬の飼育室や作業場なども
含まれていますので、
いかに、大空間が形作られているかが分かります。
中に入ってみると、
居間や食堂の中心に必ず囲炉裏が
設置されていることに気がつきます。
この囲炉裏から出る煙は、
天井の穴や隙間を通って、
小屋裏の隅々まで行き渡るようになっていて
養蚕部屋の暖房と
屋根の構造材である丸太をいぶして、
木材の保護するという二役をになっています。
この太い丸太は合掌桁と呼ばれ、
これを正三角形に幾層にも組むことで
重心を左右に分散した、安定した構造となります。
この外側に横木や縦木を通して
骨格を造りますが、その部材同士を結びつけるのは
マンサクと呼ばれる柔軟性に富んだ蔓性の木を
もちいて縛り付けられていて、
これは年月を経ることに
締まってくるようになっています。
その他にも、車知栓(しゃちせん)と呼ばれる
木製のくさびなどが使用され、
釘や金物が一切使われていないにもかかわらず、
非常に強固な構造体が造られて、
数百年の風雪に耐えている、
まさに、先人の知恵の結晶なのです。
人気blogランキングに参加しています。
↑よろしければ、クリックをお願いいたします。
・・・どうも、ありがとうございました。
にほんブログ村
- 記事投稿者情報 ≫ アトリエMアーキテクツ
- この記事へ ≫ お問い合わせ
- この記事のタグ ≫ アトリエMアーキテクツ