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合掌造りを被う屋根というと、
皆さんご存じの茅葺き。
この葺き替えをおこなうために、
白川郷には結という独特の仕組みがあります。

これは、地域住民の労働力提供による共同作業制度で
昔から屋根に関わらず、生産や生活全般に渡る
重要な役割を果たしてきました。

現在は、住民の生活も多様化していることから
屋根の葺き替え作業のみに機能しています。

大きい屋根葺き替えでは
2~400人ほどの人手が必要で
これだけの人々が丸々1日かけてでおこなわれますが、
前日の作業も入れても2日で終わるというのは
ちょっと、驚異的です。
一説には費用換算で¥3000万とも言われます。

白川郷でも有数のお住まいの葺き替えが
NHKドキュメンタリーで放送されましたが、
まず、準備だけでも約1年前から行われます。

親族による寄合に始まり、
約1万2千束の茅の準備と熟練経験者を中心に
当日の屋根葺きにあたる役割や配置、
また、当主が屋根葺きへの参加を頼みに
一軒一軒の家を廻る<結願い>。

こうした周到な準備と住民同士の協力によって
大規模な葺き替えが、たった2日で終わるのです。
屋根を葺き替える工程は大きく4つ、
屋根むくり、簀の子かけ、
茅ふき、肩切りに分けられます。

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まず、最初に行われる屋根むくりについて。
これは、古くなった茅をめくり取り、
合掌だけの状態にする作業です。

ここで、骨組みを点検し、
清掃したり、合掌のズレを直したり、
前回説明しましたマンサクという蔓で
結び直したりして、下地づくりを
しっかりおこなっておきます。

これが、翌日におこなわれる茅葺きをスムーズに
進めるための重要な作業となるわけです。
これらの作業は、主に親戚や組内でおこないます。

次の日の茅葺きの作業では、
ボランティアの人々と共に、
一気に大屋根を葺くことになります。

その辺りは次回にして、
ちょうど白川郷で小さな茅葺きが
おこなわれていましたので、
その写真を最後に。

これも、結構大きいのですが
白川郷の中では小さい部類なのです。
そして、最初の写真にある家が、
江戸後期の建築で最大規模となる和田家です。

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