『うだつ』とは、屋根が連続する町屋にあって、
屋根の両端を一段高く棟を立ち上げて、
火災の類焼を防ぐ、防火壁のこと。

この『うだつ』を造れるのは裕福な家であり、
それが庶民からの願望となって、
『うだつ』を造れるように成功すること、
すなわち『うだつ』が上がる という語源となりました。

名古屋出張の折りに、美濃和紙で有名な美濃市に、
江戸から明治時代の商家の家々が多く残り、
この『うだつ』の街並みが形成されています。
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さすがに、1300年の歴史を持つ美濃和紙を産んだ町だけに、
それぞれの間口も大きく立派で、
小坂家(国指定重要文化財)、旧今井家(市指定文化財)など
連子格子窓の連続が美しい。

平安時代から江戸時代にかけて、
奥行きに関わらず、間口の広さで間口税が掛けられたため、
間口3間前後のうなぎの寝床のような町屋が出現しましたが、
ここでは、間口5〜6間の家もあり、
さすが豪商の町を感じさせます。

そして、その両側に立ち上がる『うだつ』も立派なもの。
むくりの付いた屋根に合わせたむくり『うだつ』、
さらに、それぞれが立ち上げた二重の『うだつ』まであり、
往時の繁栄を今に伝える美濃の街並みでした。

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