2017年 12月の記事一覧
・所在地:静岡県静岡市
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:396.60m2
・延べ面積:300.25m2
・地下1階2階建て
・竣工:2009年12月
・構造:鉄筋コンクリート造+枠組壁工法
・施工:久保田建設
駿河湾を見渡す高台に建つ敷地は、
二方向の道路から1.5mかた2.5m高い位置にあり、
住まいにアプローチするにはどうしても
外部階段を必要とします。
駿河湾への風景を南全面に取り込むために、
高低差の小さい東側に地階となる2台駐車場を取り、
その脇の通路から住まいにアプローチします。
つまり道路レベルから住まいに直接入り、
そこから土間となるギャラリーや内部階段を
上がって玄関に行き着きます。
そこは北側の坪庭と南側の主庭を望められ、
風通しの良い自然の中の玄関ホール兼接客空間になっています。
左手にアイビーがのぞく玄関アプローチはガラスの屋根と
FRPグレーチンから成り、上部に乗ってデッキからテラス、
南庭へ出られるようになっています。
2階の広間・食堂・厨房からは南遠望の駿河湾と
東側の山を望むことができて、
大屋根の下に取り込まれた1.5mの山向きバルコニーと
2.7mの海向きバルコニーが、
さらに豊かな生活空間を演出しています。
2階厨房には家事コーナー、勝手口からサービスバルコニー
・外部階段へと、直接出入りができるように
サービスアクセスが用意されています。
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・所在地:広島県呉市
・主要用途:大之木ダイモ モデルハウス
・敷地面積:148.85m2
・延べ面積: 99.96m2
・2階建て
・竣工:2016年5月
・構造:国産杉材Jパネル落とし壁工法
・施工:大之木ダイモ
・建設プロセスと設計・施工ポイントはこちらから。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201707/article_2.html
http://daimo.jp/kinoie/modelhouse/4960/
呉市を拠点にした創業98年の大之木ダイモは、
材木業から興り、建築・土木・物流・ホームセンターを
展開する地元主幹企業。在来工法による住宅事業を
展開するの中で、新しい木造住宅商品開発として
国産杉材Jパネル(国産材3層クロスパネル) を柱の間に
落とし込み梁を組み込んでいく、落とし壁工法による
モデルハウス『木香の家』を開発しました。
計画地の北側には黒瀬川と山裾の風景が広がっていますが、
北入りで間口が狭く奥行きが深い敷地形状のため、
通常であれば1階からこの北側の風景を住まいに
取り入れる発想はほとんどありません。
ここでは川辺の豊かな風景を1階に取り入れることを
テーマとし、南デッキ→広間→趣味コーナー→玄関→
北風景を見通せるヌケと風の通り道を取り入れて、
15坪ながら広がりのある平面計画となっています。
玄関脇の趣味コーナーには、作り付けのソファベンチ
と本棚があり、寛ぎながら南北の風景を同時に
楽しむことができる空間です。
また吹抜のある広間・厨房・堀座コーナー・
屋根に覆われた南デッキが田の字型に配置されて、
内と外が相互に関係し合いながら、
豊かな生活空間を作り出します。
2階は約2mと低く抑えられた桁行きから
上り梁が延びて、適度な高さの吹抜の広がりが
寝室・個室空間を包み込んでいます。
広間・厨房・堀座には温水床暖房、
洗面横には温水パネルウォーマーがあり、
高気密・高断熱の住まいに、
適度な暖かさを確保しています。
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・所在地:静岡県静岡市
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:150.30m2
・延べ面積: 99.36m2
・2階建て
・竣工:2014年3月
・構造:静岡県産杉材Jパネル落とし壁工法
・しずおか木の家推進補助事業
・施工:大隆木内工務店
・建設プロセスと設計・施工ポイントはこちらから。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201707/article_1.html
日本平の中腹に造成された桜ヶ丘団地は、
日本平動物園や有度山総合公園が隣接する山あいの場所。
南敷地が1m高く、大型住宅の大きな壁面が奧長く
迫っているため、1階では明るさを確保することも
良好な通風を確保することも困難でした。
打開策として階段浴室洗面を思い切って南側に
迫り出させて、その分東西を大きくセットバックさせる
凸型プランを提案し東西の南面に広がる空間を確保しました。
これにより、この敷地独特の風のみちを取り入れ、
南の陽だけでなく朝日・夕日と風景を感じることが
できる平面計画としています。
玄関アプローチ上部には大きな屋根の下の2階デッキが
浮くように設けられ、西日を遮りながら風景を楽しみ、
その一角には玄関脇からのアオダモの株立ちが
枝葉を延ばしています。
30坪総2階プランに組み込まれた2つのバルコニーに
よって広がりがあり、明るい2階広間には、
堀座コーナー、ソファコーナーデスクコーナーと
いくつもの居場所が用意されています。
在来工法よりも粘り強い木造モノコックを構成する
静岡県産杉材Jパネル(国産材3層クロスパネル)を
柱の間に落とし込み梁を組み込んでいく、
落とし壁工法を採用しています。
この構造壁のほとんどを仕上げ材として現しにすることで、
内部造作工事を大幅に軽減し、柱と梁、壁天井の
Jパネルが現しとなった室内空間は、
木材による自然の調湿環境を備えています。
この構造用Jパネルは階段や各所の間仕切り壁としても
活用して、できるだけ内法空間を広げることにも役立てています。
さらに、構造から出る端材も活用して、家具を製作しています。
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・所在地:静岡県静岡市
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:213.41m2
・延べ面積:118.41m2
・2階建て
・竣工:2013年12月
・構造:静岡県産杉材Jパネル落とし壁工法
・しずおか木の家推進補助事業
・施工:大隆木内工務店
・建設プロセスと設計・施工ポイントはこちらから。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201706/article_13.html
日本平のすそ野に造成された計画地は、
静岡市内を見下ろす眺望が魅力的な場所にあり、
この風景と環境を最大限に取り入れ、
開放感がありかつ、プライベートも
しっかり確保した住まいとなっています。
大きめの農業用倉庫が向かい合い、
中庭的な空間を創り出す配置計画となっていて、
隣地地盤が1.3m高い南側住戸からの視線を、
この片流れ屋根の倉庫で緩衝する役割を持っています。
1.4mの庇により夏の日射を防ぎつつ冬の日射を取り入れ、
バルコニーや玄関を包み込んでいます。
在来工法よりも粘り強い木造モノコックを構成する
静岡県産杉材Jパネル(国産材3層クロスパネル)を
柱の間に落とし込み梁を組み込んでいく、
落とし壁工法を採用しています。
この構造壁のほとんどを仕上げ材として現しにすることで、
内部造作工事を大幅に軽減し、柱と梁、壁天井の
Jパネルが現しとなった室内空間は、
木材による自然の調湿環境を備えています。
また、広間上部の吹き抜け部分は、
階段と通路上廊下だけの壁が無い空間のため、
南面の床固めの構造的な意味でキャットウォークを設けて、
直交梁だけでなく、檜の無垢板材の落とし込みを
併用することよって、粘り強さを加えるとともに
光と影による効果の空間的アクセントとなっています。
構造Jパネルは洗面・便所の引き戸脇の間仕切り壁
としても活用して、できるだけ内法空間を広げること
にも役立てて、さらに、構造から出る端材も活用して、
家具にも活用しています。
設備的には太陽光発電と太陽熱利用によるガス給湯器の
Wソーラーシステムを採用して温水床暖房を主体にしています。
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・所在地:静岡県富士市
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:506.17m2
・延べ面積:171.28m2
・平屋建て
・竣工:2011年12月
・構造:枠組壁工法
・施工:平和建設
増改築を繰り返した築70年の底冷えする平屋建て
在来木造を建て替えて、快適な住まいへ転換しつつ、
既存茶室棟との来客動線を整理し、
その中で生まれた中庭を玄関前にしつらえています。
その中庭越には富士山を望むことができます。
玄関天井には旧住まいの二間続きの
和室格天井に洗いを掛けて再生、建て替え後も
同じ位置にくる広間には、同じく中直8mの桧丸太梁を
構造の中に組み込んでいます。
その直下南面には米松製のペアガラス戸と
ルーバー付ステンレス網戸の引き込み戸として、
日射と採光と通風の調整ができるようになっています。
広間と食堂の外部には、連続する大きなデッキ空間があり、
その上部は外部用のポリカーボネート屋根で覆われて、
雨の日でも快適に活用できるようにしています。
床はメープルフローリング、壁・天井は、
紙クロス(ルナファーザー)の上に、調湿性の優れた
ホタテペイント(ルナしっくい)として、
勾配天井は米松板張りで、空間に柔らかさを出しています。
面密度の高いセルロースファイバー断熱材吹き込みとした、
高気密・高断熱の住まいには、セントラル冷暖房を導入し、
便所・洗面所・廊下もヒートショックのない均一室温となり、
間仕切りの少ない広々とした内部空間となっています。
また各扉のリターンガラリにはかつての住まいの精緻な
組み合わせ欄間を転用して再利用、住まい手にとって、
新築なのに懐かしい風情の住まいとなっています。
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・所在地:静岡県静岡市
・主要用途:二世帯住宅
・敷地面積:263.00m2
・延べ面積:184.75m2
・2階建て
・竣工:2014年4月
・構造:枠組壁工法
・施工:久保田建設
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201404/article_3.html
築45年の在来木造を建て替えて二世帯住宅へ。
想い出の詰まった住まいから新しい住まいへできるだけ
引き継げるものを考えて欲しいとの要望。
お母様のために道路から玄関までを段差無しで
上がれるようにスロープとして、その南側にある
既存植え込みや既存庭を残しつつ、建物側に植栽を
追加して緑の樹間を新しいアプローチとする。
共有の玄関ポーチを覆うのはかつての住まいの下屋を
解体・補修・再生して、親世帯の玄関扉と共に、
慣れした親しんだ迎入れの場としています。
建物自体を背景とするために、黒色のガルバリム鋼板
として、こうした下屋・木製建具・軒裏の木部を
際立たせています。
内部は高気密・高断熱と深い庇による日射遮蔽とし、
セントラル冷暖房を導入して便所・洗面所・廊下も
ヒートショックのない均一室温となり、
間仕切りの少ない広々とした内部空間となっています。
各扉のリターンガラリにはかつての欄間を転用したり、
雪見障子も再利用して住まい手にとって、
新築なのに懐かしい風情の住まいとなっています。
建物の中心部には屋根のトップライトから1階洗面所へ
と続く光井戸を設けて、外部窓のない各室へ自然光を
取り入れることで、隅々まで明るい住まいとなっています。
床はカバフローリング、壁・天井は、紙クロス(ルナファーザー)
の上に、調湿性の優れたホタテペイント(ルナしっくい)として、
一部壁は米杉板張り。上下階の遮音性能を上げるために、
上階床下に強化石膏ボードを敷き込み、天井裏には面密度の
高いセルロースファイバー断熱材と防振吊木を併用しています。
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・所在地:沖縄県恩納村
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:403.56m2
・延べ面積:153.66m2
・地下1階地上2階建て
・竣工:2015年8月
・構造:壁式鉄筋コンクリート造
・施工:大興建設
恩納村の海に約60m隣接する細長い敷地は、
両側が鋭角に無くなり、中間は山から流れ出る
水路で分断されている。
また奥行きの最も広いところで10mしかないため
建築できるボリュームも制限される。
海の風景が手の届くところにあるということは、
沖縄台風の暴風雨に直接晒されることを意味します。
このため、海岸西側に庇を大きく張り出した
琉球赤瓦の片流れの大屋根が強風を逃がし、
太陽光を遮蔽する。この屋根の中にロフト空間的な
2階空間を取り込んだ形態となっています。
他方、国道に面する東側は、交通量が多く、
騒音や振動、排気ガスから建物を守るための
遮蔽壁としてしつらえ、境界沿いに建つ長さ40mの
琉球石灰岩張りの塀との二重構造としています。
その隙間をアプローチと地階ドライエリアへの
光取り込み口とし、2箇所に設けられた花ブロック
により適度な視線と通風を担ってます。
沖縄の住まいは断熱材を設けない場合が多いですが、
ここでは外部からの遮熱のために断熱性能を上げて
います。壁・天井には現場発泡ウレタン断熱を施し、
開口部は遮熱ガラスと防犯ガラスのペアガラスとして、
遮熱と共に暴風雨からの飛散物へ対応しています。
床はキッコウ加工を施したウォルナット材、
壁と一部天井は、紙クロス(ルナファーザー)の上に、
調湿性の優れたホタテペイント(ルナしっくい)、
一般天井は杉板型枠打ち放し仕上げ、
水回りには米ヒバ板張りとしてします。
また居室の開口部内側には、引き込み式の
ルーバーガラリ戸があり、日差しと視線・風景と
通風を調整することができるようになっています。
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・所在地:静岡県伊豆市
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:1493.51m2
・延べ面積:129.18m2
・竣工:2016年5月
・構造:枠組壁工法
・施工:大同工業
コナラを主林として、クヌギ、ケヤキ、スギなど
の鬱蒼とした別荘地。すべての樹木の樹種と樹高、
位置を調べて残すべき樹木を確認しつつ
傾斜地が大半を占める中で、その頂部のみを1.5m
ほど鋤き取って平地を造りつつ、最低限の伐採に
留めながら、効果的に建物周囲にのみ光の差し込む
空間を創り出すように注意を払っています。
2階を屋根の中に取り込んだマンサード屋根は、
枝を伸ばす周囲の樹林に雨が当たって飛散して建物
に降り注ぐため、通常の建物より、2階外壁に雨の
当たる量が多いため、米松の外壁材をできるだけ
飛沫から守るために採用されています。
自然公園法ではこのマンサードは、1階の屋根として
認められないとのことで、2階屋根部分にも50cm
以上の庇を設ける必要から生まれた変形マンサード
となりましたが、これによってちょっと可愛らしい、
トトロの森の建物のような風情を醸し出しています。
南側には、遠く伊豆大島を遠望できて、この森の風景
と共に最大限取り込みたいとの要望から、1・2階共に
巾4m×高さ1.9mの全面開放可能な米松のペアガラス
の木製建具とステンレス製網戸の各4枚ずつで構成され
ています。その大開口部と連続して奥行き3.5mの
ベンチ付バルコニーが1.2階に設けられて、森の中に
浮かぶ外部空間となっています。
この敷地を見た時に、コナラ主林とその中に株立ち
20m超の夏椿があり、これを建物の傍に上手く取り
込みたかったので、それが、デッキの中から生え出す
ような位置に建物が配置されています。
壁・天井は、紙クロス(ルナファーザー)の上に、
調湿性の優れたホタテペイント(ルナしっくい)として、
床材には色の濃い1階ウォルナット、
2階アジアンブラックとして、持ち込みのアジアン
テイストの籐やカーペット、ジャラ製の置物などとの
統一性のあるインテリアとなっています。
建て主のアイディアから産まれた5種類の厚板を使った
スリット階段が広間のアクセントとなっています。
森の風景を最大限に取り込んだ浴室や洗面所の外部・
内部窓、収納量を増やすための持ち込みの本棚と
スライド2連本棚など、収納量の工夫も各所
に考えられています。
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