菱形ガラスに覆われたシアトル中央図書館。
その菱形故に、複雑なボリュームをしておりますが、
その外観は、そのまま内部に現れております。
くびれたところの内部は、
ご覧のような閲覧室の一角となり、
手摺越しに下を覗くと
通りの賑わいを眺めることに。
普段では、なかなか味わえない空間が、
本を読みながら体感できます。

シアトル図書館81.jpg

上部の黒い天井は、鉄骨の構造を現しにして、
その上から黒い耐火被覆材を吹き付けているため、
全面ガラスのコントラストから、
吸い込まれるような闇が強調され、
こちらも、なかなか魅力的。

シアトル図書館91.jpg

通りの様子は、この写真。
名物のトロリーバスが見えておりますが、
もし、雨の日であったならば、
このガラスを流れる雨粒が、
まったく違った魅力を演出するであろう
ことが想像できますね。

しかし、見れば見るほど複雑な形態。
その骨組みの構成自体は、さほどではありませんが、
施工時の苦労を思わずにはいられません。
また、ガラスは熱線反射ガラスとなっていますが、
一部には、ドット状のフィルムが貼ってあり、
曇りガラス的な処理がおこなわれている箇所もあります。

シアトル図書館101.jpg

さて、こうなると最上階はどうなっているのだろう、
という興味が湧いてきますね。
当然、ガラスというわけにはいきませんが、
断熱材を布で覆って、ピン留めしたかのような、
柔らかい天井で覆われております。
そして、このピンの部分が筒状になっていて、
照明器具やスピーカー、
監視カメラにスプリンクラーにと共用されていて、
全体の柔らかさを邪魔していません。
複雑な形が、細部まで破綻していない納まりに脱帽です。
シアトル図書館111.jpg

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