・所在地:静岡県静岡市
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:231.71m2
・延べ面積:131.68m2
・2階建て
・竣工:2002年3月
・構造:集成材軸組工法+枠組壁工法
・施工:大隆木内工務店

風致地区によって、6割の緑地や生け垣が担保されている
緑あふれる住宅地ですが、南側宅地が高く、
その先には20m以上の擁壁が迫っているため、
周囲への視線のヌケが延びる2階に生活の場を、
寝室や和室を1階に配置しています。

自邸兼アトリエで実践した集成材軸組工法+枠組壁工法による
木造ハイブリッドを採用した住まい。接合部は伝統的な仕口と
16φインサートボルトの併用で、壁には2×6材の壁が挿入されて
構造用合板による面剛性で筋交いによらない在来工法です。

主柱は222mm角(8-3/4インチ)、大梁は171mm(6-3/4インチ)
×413mm(16-1/2インチ)、小梁は130mm(5-1/8インチ)×171mm
(6-3/4インチ)というように、米国の標準流通材の断面寸法として
日本側で木拾いをして、シアトルから清水までコンテナで
直輸入した米松集成材を使用しています。

 

床剛性は米松206デッキング(本実)材を敷き詰めて確保して、
それをそのまま階下の天井仕上げとしています。その上に、
遮音用の強化石膏ボード厚12.5、構造用合板厚12を設置しています。

登り梁の吹抜を持つ15帖の広間は畳堀座コーナーと食堂・
図書コーナーになっていて、深い軒を支えつつ西日をカットする
三角形フィンを持つトップサイドライトが外観を特徴付けています。
2階にキッチン・水回りがあるため、屋根内の物干しコーナーや
キッチンの勝手口からサービスバルコニー、外部階段から
道路へのサービス導線があります。

 

外壁は、塗り壁と防火サイディングに杉押縁のツートンにより、
片流れの大きな壁の重心を低く見せています。東側のデッキは、
一旦屋根を造りその上に載せていますが、将来の増築空間です。

また、その一部に折半屋根をプランターにした屋上庭園が用意されて、
イチゴや野菜が栽培されています。緑豊かな庭には、
建て主製作の循環式のビオトープが造られていて、水生生物や水生植物、
それを狙う野鳥が多く訪れます。
http://atelier-m-architects.at.webry.info/200809/article_15.html
内部床はメープルフローリング、壁・天井は、OSB合板素地貼りを
標準として、和室には、もみ紙和紙を貼り、
自然素材に包まれた室内環境となっています。

 

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