VOL.Sea7 米国の建築環境プログラム/シアトルの取り組み NO.7
投稿日:2012年04月14日土曜日 10時05分40秒
投稿者:アトリエMアーキテクツ カテゴリー: アメリカ都市風景
今回は、シアトル中央図書館の内部にある、
まったく違った空間をお見せしましょう。
Living Roomと呼ばれる1階吹抜の
オープンなホール兼開放書庫の閲覧室。
その中央から2階に上がるエレベータに乗ると、
そこは、イエローな世界が延々と・・・。
通常の2層分を登っていくため、
この黄色いトンネルは、
ある種の高揚感を生み出す不思議な空間。
その側面からは、バックヤードが垣間見えたり、
映像を使ったインスタレーションが施されて、
一種の展示空間にもなっています。
こうしたプラスティック的な素材には、
安っぽさが伴うのものですが、
それが上手く回避されております。
次は、1階のLiving Roomから地下へ降りる階段が
黒い壁の前にさりげなくあります。
手前のスチール製縦格子のシンプルな手摺に
隠された、そこへ一足を踏み入れると
何と、レッドな世界が・・・。
黒い壁の下には、成形プラスチックで
一体的に創られたような
自由曲線のうねる真っ赤な階段と天井。
そして地下の赤い通路へと続く世界は、
まさしく異次元の空間。
これまでの開放的で、光溢れる空間から、
いきなり投げ込まれたそこは、
精神性・内面性を揺さぶられ、これまた別の高揚感。
図書館という落ち着きのある場とは
まったく異なる空間を用意しているここには
良い意味での裏切りがあります。
最後の写真は、3階の通り抜け通路。
右側に開放的なホール、
通路はやはりレッドな世界。
その間を仕切っているのは、
折半と呼ばれる凹凸型のスチールに
細かい穴を空けたパンチングメタル。
写真では、結構な透過性に見えますが、
実際には、霞がかった壁に見えるため、
ホールから、このレッドな世界を感じることはできません。
機能や合理主義だけで建築の空間は生まれるものではない
とモダニズム建築を批判したのは有名な建築家、
ロバート・ヴェンチューリの建築の多様性と対立性。
思わず、それを思い出させてくれました。
さすが、レム・クールハース。
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