素材と向き合った初リフォーム。
投稿日:2012年12月08日土曜日 09時16分19秒
投稿者:アトリエMアーキテクツ カテゴリー: リフォーム設計
30年以上も建築設計に携わっていると、
いろいろな初体験を重ねてきたことに気がつきます。
そして、それは人生の試金石であったり、
自分の考えを再構築するきっかけでもあったり。
このお宅は、鉄筋コンクリート造の平屋の工場を
ゲストルームに改装するというプロジェクト。
私の人生、初リフォームプロジェクト・苦笑。
建て主からの明確なテーマは、
国産材の桧をすべてに使用すること。
なんとも、壮大なテーマをサラリと頂きました。
しかも、この平屋の工場の上で、
桧造りの木造平屋にお住まい。
ここは、ご自分で納得していないので、
今度は、納得できるゲストハウスにしたい。
アール天井は、RC梁の間にあり、
大きな梁で低くなりがちな天井に、
高さを引き出すための手法で、
その両端を障子+照明でぼかす。
南側開口部の柱は、和紙で繰るんでスピーカー置き場に、
7m超の開口部は、その外側に出して、
6枚の大きさの異なる三種類の障子と
両側に引き寄せたときの障子の壁の横に
ちょうど、出入り口が現れる仕組みに。
また障子は、閉じたときと開いたときに、
それぞれが、異なる模様となるようなデザイン。
この時に、桧と一口に言っても、
尾州や吉野でその柔らかさの違いが
こんなにあることに、気がつかされる。
それを扱う職人さんは、白い手袋で桧を扱う。
手の油がつくと、あとでそれが出てくるんだよ・・・と。
建て主は、毎日米ぬかで手入れをするという
念の入れよう・・・といいますか、
そこまで、素材を分かっておられるお方で、
茶道のお師匠さん。
この人生の大先輩と言うべきクライアントに、
初リフォームで、さまざまなご啓示を頂きました。
ビフォーアフターに毎年のように出演し、
奇しくも、『森の木の代弁者』という源氏名を頂きましたが、
思えば、この初リフォームとの重なりを感じるこの頃です。
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・・・どうも、ありがとうございました。
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