米国木造建築事情3 ─ 小澤征爾ホール/宿泊棟
投稿日:2013年01月24日木曜日 07時46分15秒
投稿者:アトリエMアーキテクツ カテゴリー: アメリカ都市風景
小澤ホールは、広い公園の中に建っているのですが
この施設の他にも、1938年・大音楽ホールや
1941年・オペラ劇場などの
古くからの施設も点在しています。
ボストン交響楽団が滞在していない時でも、
市民の憩いの場として、あるいは音楽活動の場として
一年を通じて活用されているわけです。
こうした環境の中に、この小住宅はあります。
コロニアルスタイルのこの住宅は、
宿泊棟としてホールから程良く離れた森の一角に
ひっそりと建てられています。
この外観、我々から見ると一つの洋風住宅ですが、
米国では、様々な住宅形式の代表的な
スタイルの一つです。
ご存じのように、コロンブスが
アメリカ大陸を発見して以来、
ヨーロッパから様々な国々の開拓団が上陸し
多民族国家の礎が築かれました。
従来から住んでいたインディアンに加えて、
ニューヨークのある東海岸では、
イギリス、オランダ、ドイツ。
カリフォルニアのある西海岸では、
スペイン、メキシコ。
ニューオリンズのミシシッピ河流域では
フランス。
これだけの国の、様々な住宅スタイルが
ミックスされているわけですから、
その住宅スタイルだけでも様々な変遷があることは
容易に想像できますね。
このボストン辺りの住宅は
ニューイングランドスタイルと呼ばれ、
内部の構造体がポストアンドビームと呼ばれる
軸組み構造を為しているものが数多くあります。
これはちょうど、日本の在来工法の感じです。
ですから、この住宅の内部にも
2×4工法と併用して、このような柱や梁が
古い民家から移築されて、活用されています。
こうした、内部空間の特徴一つにも
アメリカ住宅の歴史の一部が現れているんです。
こうした歴史の記憶が残る住宅づくり、
参考にしたいですね。
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