・所在地:沖縄県恩納村
・主要用途:専用住宅
・敷地面積:403.56m2
・延べ面積:153.66m2
・地下1階地上2階建て
・竣工:2015年8月
・構造:壁式鉄筋コンクリート造
・施工:大興建設

恩納村の海に約60m隣接する細長い敷地は、
両側が鋭角に無くなり、中間は山から流れ出る
水路で分断されている。
また奥行きの最も広いところで10mしかないため
建築できるボリュームも制限される。
海の風景が手の届くところにあるということは、
沖縄台風の暴風雨に直接晒されることを意味します。
このため、海岸西側に庇を大きく張り出した
琉球赤瓦の片流れの大屋根が強風を逃がし、
太陽光を遮蔽する。この屋根の中にロフト空間的な
2階空間を取り込んだ形態となっています。

他方、国道に面する東側は、交通量が多く、
騒音や振動、排気ガスから建物を守るための
遮蔽壁としてしつらえ、境界沿いに建つ長さ40mの
琉球石灰岩張りの塀との二重構造としています。
その隙間をアプローチと地階ドライエリアへの
光取り込み口とし、2箇所に設けられた花ブロック
により適度な視線と通風を担ってます。

沖縄の住まいは断熱材を設けない場合が多いですが、
ここでは外部からの遮熱のために断熱性能を上げて
います。壁・天井には現場発泡ウレタン断熱を施し、
開口部は遮熱ガラスと防犯ガラスのペアガラスとして、
遮熱と共に暴風雨からの飛散物へ対応しています。

床はキッコウ加工を施したウォルナット材、
壁と一部天井は、紙クロス(ルナファーザー)の上に、
調湿性の優れたホタテペイント(ルナしっくい)、
一般天井は杉板型枠打ち放し仕上げ、
水回りには米ヒバ板張りとしてします。
また居室の開口部内側には、引き込み式の
ルーバーガラリ戸があり、日差しと視線・風景と
通風を調整することができるようになっています。


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