外断熱にしようか内断熱でいいのか悩んで決めかねている方が意外に多いようですね。

日経アーキテクチャーという建築専門家向けの雑誌の2008年6月23日号に載っていた記事を要点をピックアップしてここに紹介しますので参考までに。
解説は外張断熱工法促進協議会事務局長 小林浩二氏です。

-外断熱工法について建築関係社やユーザーが誤解していると感じることは何ですか

外断熱工法は、断熱効果が低くて寒い という声を聞くことがあります。その主な原因は、暖房方法関する知識不足からくる誤解だと考えています。
外断熱は基本的に全室暖房を継続的に行わないと暖房効果を発揮しにくいのですが、作り手である建築関係者の説明不足なのか、建主は、全室暖房を実施しなかったり、暖房を継続的に行わない「間欠暖房」を実施しています。このため暖房効果が低くなっています。

外断熱は、例えばRC造ですとコンクリートの躯体が蓄熱層となり<中略>全室暖房で躯体全体が温まり蓄熱層としての役割を果たすまでには1週間程度必要といわれます。蓄熱効果があまり無い木造やS造の住宅でも全室暖房が基本です。つまり外断熱は暖房期間が長い寒冷地に向くということが分かります。

暖房コストについても、外断熱にすれば必ず下がるとは限りません。暖房コストの削減効果が高いのは暖房期間が長い寒冷地です。温暖な地域では、外断熱に合った暖房方法を行わないとコストアップになる可能性があります。


以下、外断熱の呼称は、建築関係の法令や建築学会で以下のように呼び分けています。
RC造などのマンションのような熱容量の大きい構造物に採用した場合には「外断熱」、これに対して木造やS造の住宅のように熱容量の小さい構造に採用した場合は、「外張り断熱」


九州でも福岡などは日本海気候ですので、冬はどんよりした天気が多くて意外に寒いし、阿蘇地方は九州で数少ないスキー場があるくらいの寒さになりますので、九州だから温暖地域だと一概には言い切れないでしょうが、東北や北海道に比べると、やはり温暖になるのでしょうね。

そういうことを総合的に考慮して判断してください。
外断熱ならとにかく省エネになるという誤解やメーカーの宣伝文句に惑わされないようにしましょう。