先週の土曜日、若いご夫婦から築23年の建物を壊して新築したいという相談がありました。
 理由として・・
①屋根・外壁の修繕が必要と業者に言われ、特に屋根には150万円程度の費用がかかるとも。
②居間・キッチンが狭い、暗い、使いにくい。
③駐車がしにくい。・・等でありました。
築23年ではあまりにも早すぎると思い、次の日訪問。建物を見てきました。

 相談建物はすぐに修繕をする必要はなく、もし屋根修繕をする場合でも40万円くらいではないかと思います。しかし残念ながら②と③に関しては既存建物改造による良いアイデアはまだありません。
その理由の一つに現況建物が2*4構造で壁を取ることや、位置を変えることが難しい。もし木造在来工法であればある程度の改造は可能なのですが・・・。

 しかし今、木造在来工法の建物でも古い建物に増築をすることは難しい状況にあります。法規制により1981年(昭和56年)以前の建物の増築は既存部分の耐震補強が必須となっており、結果的には別棟としなければならないケースが多いようです。当事務所でもそんなプロジェクト進行中です。

 地震対策としては必要なことだとは思いますが、古いものを大事に、上手く使っていくという観点からは釈然とはしません。こんなことで日本の文化は大丈夫なの・・とも思います。

 一方、築23年の建物については「まだ解体するにはもったいないので、じっくり考えましょう」ということにしました。
やはり工事をする際には将来の変化に対応できる計画にすべきと改めて感じた次第です。