誕生日プレゼントとするため、10年ぶりに絵を描いた。個性的な人物画となり、本人が喜ぶか否かは微妙な状態。忘れていたことだったが、どうもそれほど上手くないようだ。日曜日から今日にかけ、心をこめ描いたのでその意気込みに免じて勘弁してもらおう。

 思えば、絵を書くことが好きという理由だけで建築を志した。コルビジェよりもジュリーに憧れ、ライトよりブルース・リーが好きだったし、サグラダ・ファミリアを桜田淳子の家族と覚え試験に臨んだものだ。実は僕は建築を学ぶより大学生になりたかったのだと思う。

 そんな感じなので、初めての設計製図課題(レタリング)の評価はC゜。担当教授は「B以下の者は設計者を志すことはあきらめた方が良い」と言う。しかし上位学生の作品を見ると、その評価を納得せざるえない現実があった。
 しかし下手ではないはず。中学の同級生達は僕の描く絵(漫画)に驚嘆したではないか、美術の先生も「他の人にはないモノがある」と言っていた。しかし「上手い!」とは言わなかったような・・。思いおこせば僕の絵は市で入選したことはあったが、それ以上のことは無かった。もしかしたら大きな勘違いをし、踏み出したのかもしれない・・と、作品が並ぶテーブルの前で思った。

 そのショックを友には気付かれぬよう、「俺には学生時代、他にやることがある」などと言い放つ。
そしてそんな状態がしばらく続くことになるのである。

 久しぶりに描いた絵を前にこんなことを思い出す。
それにしてもこれで彼女は喜んでくれるだろうか・・。定着スプレーをかけたので手直しはできない。