我が家にはエアコンがない。

 この夏は暑く、TVでは全国の猛暑状況が報道、熱中症の対策が繰り返し話される。この福島、例年最高気温36度を超える日が1週間ほど続く。その後涼しくなっていくのだが、今年はなかなか涼しくならない。この暑さの中では政局どころではないと思う。
 
 TV報道では高齢者がエアコンを嫌いで熱中症になるとか、エアコンが買えない人が熱中症になりやすいなどと言われ、どうも「我が家にはエアコンがない」と言い辛い風潮にある。

 エアコンがない最大の理由は学生時代、設計の先生が言った「エアコンがないと住めないような家を造るべきでない」の一言が頭にこびりつき、自分の家くらいは・・と思ったためです。

 しかし私も設計者。ただやせ我慢でエアコンを使わないでいる訳ではなく、いろいろ工夫の中でのエアコン無なのである。

 その一つに軒の出、庇がある。我が家はコンクリート建築では珍しく庇をつけました。
最近、軒の出のない建築が多く見うけますが、日本家屋特徴の一つには軒の深さがあります。日本は雨が多く、雨から外壁を守ることからきており、先人の知恵です。一方それは陽射し調整の役割も果たすことを忘れてはいけない。軒の出を深くすることにより、夏は太陽高度が高くなり陽射しが部屋の中に入りづらい。また冬は太陽高度が低くなり陽射しが入る。嫌な時に入らず、必要な時に入ってくることになります。

 今、建築計画を進めてる方はぜひ断面図に夏至・春秋分・冬至の日射角度の線を書いてもらい、自然原理の利用を検討すべきでありましょう。しかし自然と対峙しての生き方の選択という道もあります・・・。日射角度は緯度によって変わるので、地域によって変化しますのでご注意ください。

 尚、普段の設計プロジェクトではエアコン位置も検討・設置していることを申し添えます。