前回に続き、熱中症についてです。

基本的に、熱は温度の高いところから低いところへ移動します。
よって、体温が気温よりも高い場合は、皮膚から空気中に熱が放射して
体温の調整がしやすくなります。また、湿度が低いと汗が蒸発しやすいため、
体温コントロールがしやすくなります。

しかし、気温が30℃を超えると、体温よりも6~7℃も低い気温なのですが暑さに汗が吹出します。本来ならば、気温が体温よりも低く、皮膚から温度が放射されるので、涼しく感じるはずなのに何故でしょうか?

この理由は、輻射熱が大きな原因となっているとのことです。

ここで電子レンジを想像してみて下さい。
レンジのスイッチを入れると、レンジの中の料理に電磁波(輻射熱)が照射されます。
輻射熱は物にぶつかると発熱する性質を持っていますので、レンジ内の気温はそのままで
中の料理だけ温まります。

自然界でもこれと同じことが起こっています。
太陽熱も輻射熱で、これが体にぶつかって体自体が発熱しています。
つまり、私たちが感じている温度は 『 気温 + 体自体の発熱 』 なのだそうです。

では、なぜ太陽の当っていない室内で静かにしていても体温が上がってしまうのでしょう?
実は建物の中にいても、輻射熱は90%以上(天井から侵入する熱)が通過して室内に
入ってきています。(これはアメリカの多くの機関の報告からも実証されているらしいです。)
だから、室内で静かにしていても建物を通過してきた輻射熱により体が発熱してしまい、熱中症になってしまうとのことです。
(建物が電子レンジ本体・体が料理となってしまっていると考えるとイメージしやすいです。)
つまり、熱中症防止には、輻射熱を遮熱することが一番なのです。

今年の夏も昨年同様に暑さが厳しくなるとのことです。
屋内にいても、大丈夫だと思わずにしっかりと暑さ対策をするようにしましょう。


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