■南を塞ぐ・・・栗橋の家
日本の家づくりの特徴は南面採光を主とするため、南に小さな庭とリビングを配置し、
北にトイレと浴室をもってくる、判で押したような間取りがほとんどです。
このためリビングからの眺めは南側隣家の風呂とトイレの窓という風景になるわけです。
また家の中で明るいところ暗いところ、暑いところ寒いところの差が大きいため、特に夏の日中はリビングのカーテンを閉めて陽射しを遮ることになります。
なんだか変だと思いませんか。
写真の家は南面に採光窓を設けず、北、東、西に大きく窓を開けた事例です。
この家では1年中昼間は照明の必要がなく、夏でも2回しかエアコンをつけなかったとのことでした。
北側からの採光は直射日光を気にする必要がないため1年中明るい部屋を作り出すことができます。
もう一つあまり知られていないことですが、南の風景は逆光で暗いですが、北の風景は明るく気持のいい風景だということも知っておくといいでしょう。
「南面信奉異議あり」というところでしょうか。