2010年 1月の記事一覧

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10年01月30日 10時09分32秒
Posted by: tenkoushya
まだ家に大黒柱が存在して、家長と言う何者も抗えない人物の存在が有り、家は二世代・三世代で暮らすことが当たり前だった頃、人は文字通り「和の家」に住んでいました。部屋の仕切りは障子一枚、襖一枚で隔てられ、子供たちは隣の部屋から聞こえてくる大人たちの声を聞きながら眠ったものです。

たった一枚の建具が、大人と子供、親世代と子世代、団欒の場と食事の場、家族の部屋と客間と言う具合に、絶対的なフィールドを作り出していました。人の気配を感じながら、時に安心して、時に気を使い、時に礼を尽くす。家に住むと言う事は、それだけで他者に対する思い遣りや配慮を、強制的に身に付けた時代だったのかもしれません。だからこそ建具は、凛とした井出達だったのです。

扉を閉めてしまえば、家の中に誰が居て、誰が居ないのかさえ分からない家。
それは個を大切にすることなのかもしれませんが、個しか大切にしていないとも言えるかもしれません。共に住む人たちは、個の集合体ではなく、家族です。

家族の気配を感じる為に、障子を使うことも有ります。
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書斎と吹き抜けの間に設けられた障子は、父の存在を感じられる。
(神奈川県T邸)


天工舎一級建築士事務所
10年01月29日 18時00分00秒
Posted by: tenkoushya
ピサの斜塔を除いて、建物は真っ直ぐに建っているのが当たり前です。
ですが、ひと口に真っ直ぐ建てると言っても、建物の構造や形態によっては、そこに様々な技術が必要になるのです。その「真っ直ぐに建てる」ことに関連する工事で、有ってはいけない出来事があったそうです。

RC(鉄筋コンクリート)の建物を造るとき、床のコンクリートは一枚の板のように造ります。
この床をスラブと呼ぶのですが、このスラブで建物の強度を確保したり、上下階の音の伝播に配慮したりしています。マンションのような大きな建物の場合には、給排水設備や空調設備の配管が、スラブを貫通するような場合がありますが、この時にはスラブに穴を開けておき、そこに配管を通した後で、隙間をコンクリート等で埋めて処理をするのが一般的です。

これは下の階からの火災の延焼を防ぐためなので、基本中の基本作業ですし、この作業を上手に行わない設備屋さんが居ると、建築の監督さんは鬼のように怒ります。

【余談】基本的にスラブに穴を開けたいのは、配管を通したい設備屋さんだけで、建築にはあまり関係ないことなのです。これは大規模な建物を造るときに 建築・給排水・電気・空調 と、その工事内容によって分担が分かれ、その統括を行っているのが一般的には建築だという、組織の形態が分からないと、イマイチピンと来ない話かもしれませんけどね。

配管を通すとき以外に、唯一スラブに穴を開けるのが、建物の垂直を調べるときに使う穴。ここに錘の付いた下げ降りを通し、測量機械で測るのです。勿論、この穴も用が済んだら埋めてしまいます。
・・・・・・が!埋められていなかった公共賃貸住宅が発見されてのです。それも沢山。

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10年01月28日 18時00分00秒
Posted by: tenkoushya
「障子のある空間=和室」ではありませんが、和室に使われる事が多いのは事実です。
一昔前の家なら、玄関入ってすぐの場所に<客間>と呼ばれる和室が設えてあり、お客様がいらした時には、家長がその部屋で、お持て成しをしたものです。背中に床の間を控えた上座に座り、客人を持て成す様は、戦国武将のそれから来ているのでしょう。ですからその部屋には家族と言えども、軽々しく立ち入る事はなく、子供がその部屋で騒ごうものなら、それだけで叱られたもの。

つまり家と言う空間に内包された「ハレとケ」だったのたと思います。
今はそんなに大仰な場所はありませんが、それでも障子が持つ魅力が日常の中の非日常に、繋がる事はあるかもしれません。

近頃では「ハレ」が無くなり、「ケ」ばかりとなってしまいましたが、障子の持つ脆さ、はかなさ、弱さと言ったものが、家の中に緊張をもたらせてくれる事は確かです。

汚れない物、破れない物、掃除が簡単な物には、それぞれの魅力がありますが、あえて逆を行ってみるのも、また一興かと思うのですが、如何でしょう。
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天工舎一級建築士事務所
10年01月25日 09時39分38秒
Posted by: tenkoushya
裏の家のお母さんに、畑で取れた野菜を頂く事がある。
季節によっては苺や梨を頂くこともあるが、最近頂いたのは「かぶ」と「ほうれん草」。
お店に卸しているわけではなく、自分たちの食べる分だけ作っているらしい。
だから取れ過ぎると分けてくれるのだが、お母さん曰く「地産地消の精神」らしい。

地産地消、大好きだ!(笑)
建築にも取り入れる事が出来ない物だろうか、「地産地消の精神」が。
地元の木で骨組みを造り、その土地の土で壁を塗る。
屋根には、その地域の石を敷く・・・は、チョット無理か(笑)

まぁそこまで拘るのは難しいが、少なくても輸送費が掛からない材料や職人さんに頼み、なるべく無駄の出ない材料の使い方をして、長く使う。
そんな建築的地産地消と言うものを考えてみるのも面白いと思う。

そう言うコンセプトで家を建てたい方は、どうぞご連絡下さい。
是非、一緒に考えてみたいと思う内容なので。

天工舎一級建築士事務所
10年01月23日 09時55分23秒
Posted by: tenkoushya
昨日の午後、葉山の創作ギャラリー蓮RENで催されている、「うずるくらし展」に行ってきました。
案内して下さったのは、小田原市内にある<イパダガラス工房>のガラス作家・濱舘寛さんと村木未緒さんのお二人。御忙しいところ、スッカリお手間を掛けさせてしまいました。

十三人の作家が、「うずる」と言う暮し方をキーワードに、独自の世界を創作されている作品は、どれも味わい深く、独創的なものばかり。優しく渦巻き、時に柔らかに留まり、そして鋭く動き出す。

人が生きる、人が住まう、人が接する、人が触れ合う、建築家が家を考えるときに忘れてはならない人が生活する時の日々の視点を、あらためて思い返す事が出来る、そんな場だったと思います。

展示されていた個々の作品の素晴らしさは勿論ですが、建築家・隈研吾さんの設計された建物の隙の無さにも魅了されます。お忙しい中、塾長の大出さん自らが、館内の隅々までご案内してくださり、とても感謝しております。楽しく、良い刺激を頂いた有意義な時間でした。

「うずるくらし展」は、31日(日)まで催されておりますので、お時間の許される方は、足を運ばれてみては如何でしょう。

会場:創作ギャラリー蓮REN
会期:2010年1月9日(土)~ 1月31日(日)入場無料 
時間:10:00~18:00 
TEL:046-877-5715
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写真は「うずるくらし」のキーワードをイメージにご用意された御茶菓子です。
ご馳走になってしまいました。ありがとうございました。

天工舎一級建築士事務所
10年01月22日 18時00分00秒
Posted by: tenkoushya
「ダンボールハウス」と聞くと、どんなイメージがあるだろう?
たぶん直ぐに思い浮かぶのは、ホームレスの人たちが、駅や公園内に作るダンボール製の家ではないだろうか。印象的には寒そうだし、直ぐに壊れそうだし、なんとも儚げに思うかもしれない。それはきっと<段ボール>と言う素材から受ける印象だと思う。

引越しに欠かすことの出来ないダンボールだが、そこには安価な梱包材と言う経済的な理由だけでなく、「紙なのに丈夫」と言う強度的な理由が、含まれていることを忘れてはならない。建築家の坂茂さんは、紙管ボイドを利用した建築物を設計しているし、緊急時に利用する仮説住居にダンボールを使った物も提案している。つまり段ボール紙は侮れないと言う事。


少し前に見た映画「築城せよ!」は、まさにダンボールで城を建てると言う内容で面白かった。

400年前に築城寸前で戦に負けた城主が、城を建てられなかった無念を抱きつつ、過疎化が進む現代の町に蘇る。町興しを目指す町民たちの協力を得て、400年前に夢見た城の建設工事に取り掛かる。素材は段ボール紙。城の工事を統括するのは建築を学ぶ女子大生ナツキ。果たして念願の城は完成するのか!そして蘇った城主はどうなるのか!町興しの行方は!

「築城せよ!」公式サイト
※音声が出るので御注意を 

たまには映画でも如何でしょう。
天工舎一級建築士事務所
10年01月20日 18時00分00秒
Posted by: tenkoushya
一昔前と違って、今は一つの店舗で、いろいろな商品が売られる時代になった。
その代表的な例がコンビニだろう。
昔風に言えば、駄菓子屋さん+乾物屋さん+タバコ屋さん+文房具屋さん+お弁当屋さん+電気屋さん+銀行+本屋さんと、挙げれば切りが無いほど、いろいろな店が合体している。
そう考えると、なんだか凄い。

今まで想像もしなかったような品が、予想もしなかった店舗で売られる時代だから、多少の事では驚かないのですが、これにはチョット驚いた。

家電量販店で窓を販売

家電量販店のビックカメラが、今度は窓を売ることになったそうだ。
これは「住宅版エコポイント制度」の実施を見越しての話らしい。
たぶん室内の温度・湿度管理と絡めて、インナーサッシを利用して、エアコンを経済的に利用しようと言う提案型販売なのだと思うが、なんか凄いですね。まぁ都会の大型店では、本や食品まで売っている家電量販店があるのだから、ありと言えばありですが(笑)

ただ、これが有りだとすると、この先コンビニでグラスウール(断熱材)を売ったり、スーパーで屋根材を売ったりするような展開にはならないだろうか?

エコは大切だし今回の事が、大きな意味でのエコを考えるきっかけになる事は良い事だけど、もしかして、ただの企業の事業内容・販売物品のボーダレス化にはならないだろうか?

ビックカメラは窓の取り付け工事を、関連する工事会社が行うと書いてあるから大丈夫だと思うが、ビックカメラに続けと後発で名乗りを上げる会社が、取り付け工事に対して責任ある施工を行えるかが心配です。せっかくの良い製品なら、正しい施工で、正しい性能を確保したいですよね。

天工舎一級建築士事務所
10年01月19日 18時30分00秒
Posted by: tenkoushya
木造住宅の耐震診断や耐震補強工事を行う際に、都道府県が助成金を支給していることをご存知だろうか。助成金の中身には耐震診断の費用と、耐震補強工事の費用それそれに対して支給されている。都道府県や市区町村のHPを見れば、その情報が載っていると思うし、電話して問い合わせてみるのも良いでしょう。

勿論、そこには一定の条件があり、建物の築年数にも制限が有る。
神奈川県小田原市の場合なら、昭和56年5月31日以前に建てられた住宅(二所帯住宅とか店舗併用住宅でもOK)で、2階建て以下の建物が対象となる。つまり築27年(たぶん今年で28年)の住宅。

小田原市:木造住宅耐震診断、耐震工事に関して

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10年01月18日 18時32分00秒
Posted by: tenkoushya
阪神・淡路大震災から15年が過ぎ、大地震でハイチは壊滅状態だと聞く。
地震に関しては、絶対に他人事ではない。

先日、ある方に「造り付け家具は値段が高いから・・・」と言われた事がありました。
確かに市販の家具よりは、値段が高くなる場合もある事は確かですが、室内のコーディネートやジャッスとサイズの収納スペース確保には、圧倒的に造り付け家具の方がお薦めです。さらに言えば地震の時には、断然、造り付け家具の方が安全ですよと答えたら、妙に納得されていた。
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もし市販の家具を買われた場合、新築直後の家にタンスや引き出しを置く時に、転倒防止用の金物やベルトを固定しなければならないが、たいていの方は綺麗な壁に釘を打ったりしません。
それじゃあ、危ないよね。

建物の耐震性能が確保できても、室内に置かれた家具の転倒防止対策が取られていなければ、そっちの方がよっぽど危険と言う事です。これから家を考える方は、家具に関してご一考を。

天工舎一級建築士事務所

10年01月15日 18時00分00秒
Posted by: tenkoushya
ハイチの地震被害が、日が経つと共に増えているようです。
貧しい国だったために、建物も脆弱でインフラの整備も行き届いていないとのこと。
その結果、多くの建物が崩壊し、被災者が避難する広域避難場所も無く、食べ物はおろか飲み水さえも無いと報道されています。死者の数が10万人とも噂されている今、一日も早い救援が待たれるばかりです。

日本でも明後日の17日で、阪神・淡路の大震災から15年が経とうとしています。
いろいろな意味での傷痕は、今でも残っていることでしょう。
人の英知では対抗できない自然災害に、どうやって向かっていけば良いのか、もどかしいです。

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10年01月14日 18時00分00秒
Posted by: tenkoushya
昨日は国交省が主催する、住宅版エコポイント制度の講習会で、横浜の神奈川県民ホールまで行ってきました。大ホールの1Fは1500人ほど収容できる広さらしいのですが、そこがほぼ満席状態。2Fにもチラホラと人が居たようですから、いかにこの制度に、多くの人の関心が集まっていると言う事が分かります。

講習会は90分で、最初の30分は「住宅瑕疵保障履行法」について。
もう30分が「住宅版エコポイント制度」に関して。
そして残りの30分が「質疑応答」と言う構成。

でもメインの「住宅版エコポイント制度」に関して言えば、昨日の時点では、まだ不確定要素が多くて、あまり参考になる話は聞けなかったような気がします。

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10年01月12日 09時38分30秒
Posted by: tenkoushya
知り合いに、調査捕鯨に参加している方が居る。
年頃の娘さんを持つ、ごく普通の方だ。

ひとたび仕事で出掛けると、長い時間、家族と会うことが出来ないそうだ。
ご本人は仕事に誇りを持ち、ご家族はそんな父親を誇りにしている。
きっと会えない時間は、他者が想像できないほどに、寂しい時間に違いない。

家族の願いは、父親が無事に帰国すること。
そんな家族の心を掻き毟るように、時としてTVから残酷な映像が映し出される。

「反捕鯨団体」が調査捕鯨船にレーザービームを当て、作業や進行を妨害する様子。
乗組員を船外に放り出さんと、加圧された放水をしてくる様子。
挙句の果てには、高速で自船を体当たりさせてくる反捕鯨団体船の様子。

それはまるで調査捕鯨船を、沈めても構わないとさえ、考えているような行動に見える。
その光景を目にした家族は、一体どんな思いなのか、想像することも出来ない。

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10年01月09日 10時19分05秒
Posted by: tenkoushya
改修工事の現場で、死亡事故が起きたそうです。
古いエレベーターを解体している最中に、重さ1.3tの鉄の塊が落下してきて、2人の作業員が亡くなったというもの。

エレベーター解体中『ドン』 作業員2人死亡 清瀬

写真から見て、建物は4階建て程度と見える。その高さ14m以上はあるでしょう。
その高さから乗用車1台分より重い塊が落ちてきたら、一溜まりも無いのは想像に容易い。新年早々、痛ましい事故だ。

重りは4本のワイヤで吊り下げられていたらしいので、ワイヤ自体も老朽化していたのか、あるいは安全管理状の問題か・・・。建設現場において、安全管理が重要と言われているのは、「事故=死」に直結する事が多い危険な職場だと言う事。残念な事故です。

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10年01月08日 09時35分16秒
Posted by: tenkoushya
いつもお世話になっているMF(メディアファクトリー)さんから、ナレッジエンタシリーズの最新刊を頂戴しました。それがこれ↓
DNA鑑定 暗殺、冤罪、浮気も暴くミクロの名探偵(ナレッジエンタ読本28)

ナレッジエンタとは、教養と娯楽とを合わせた造語で、楽しみながら勉強にもなると言う意図の基に作られている本で、有栖川さんと対談させていただいた『密室入門!』も、このシリーズの一冊です。そのナレッジエンタシリーズで、昨年秋に出版された『火災鑑定』に続く、鑑定ものの第二段が本書。

鑑定物の本は興味深い情報が満載なので、まさにナレッジエンタの真骨頂と言った感じです。
しかも話題になったリアルな怪事件などをモデルに、説明を進めているケースもあるので、とても興味を惹かれます。明日からの三連休、のんびりと読書で過ごしてみては如何でしょう。

天工舎一級建築士事務所
10年01月07日 17時47分00秒
Posted by: tenkoushya
家電製品のエコポイントは、価格から見る比率が意外と高かった。
40インチの液晶TVだと、23000ポイントも貰える。
1ポイントが1円だから、23000ポイントは単純に23000円と言う事になる。

40インチの液晶TVの値段は、メーカーによってもバラつきはあるが、おおよそ10万円と言ったところだろうか。仮に10万円と仮定すると、エコポイントで還元されるのは23%にもなる。これは、お得だし、購買意欲もそそられる。昨年で終ってしまったが、エコカーへの買い替えに対する補助金は、乗用車で25万だったと思う。HONDAのインサイトが200万円ぐらいだったと思うので、補助金は12.5%と言う計算になる。

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