セルフビルドのガラス工房
投稿日:2011年03月18日金曜日 00時02分38秒
投稿者:天工舎一級建築士事務所 カテゴリー: General
神奈川県足柄上郡山北町。神奈川県の西の端に位置し、直ぐ隣は静岡県の小山町と接する、水の綺麗な所だ。山北町はその名の通り山に囲まれた街で、廻りには富士山を筆頭に、金太郎で有名な足柄山系や丹沢山に囲まれている。その中で一際有名なのが丹沢湖。三保ダムによって造られた人造湖ではあるが、夏には丹沢マラソンなども催され賑やかになる。
その丹沢湖の北側に、築40年以上が経ち、人が住まなくなってからからも20年以上経つ、一軒の空き家を買い求めた青年にお会いした。
少し離れた場所にキャンプ場はあるが、周囲に民家は少なく、夜になると頼れるのは月明かりだけのような場所。そんな場所に建つ廃屋同然の建物を買い取り、自分ひとりの手で補修改造していたのだ。朽ちた柱を補修し、ぶかぶかに腐った床を貼り直す。自分の手でコンクリートを練り、床に少しずつ敷いていく。
建築の世界を知っている自分から見ても、それはそれは気の遠くなるような作業を、そんな場所で一人黙々とこなしている。彼が造ろうとしているのは、自宅兼用の吹きガラスの工房らしい。
建物の直ぐ後ろには、鬱蒼と生い茂った竹やぶが、家を飲み込もうかとするように、家を包み込もうとしている。家に迫る石積みは、一体何年、そこにそうしていたのだろうと想像させる。
少し離れた場所にキャンプ場があるが、周囲に民家はほとんど建っておらず、夜になると頼れるのは月明かりだけのような場所。そんな場所に建つ廃屋同然の建物を買い取り、自分ひとりの手で補修改造していたのです。朽ちた柱を補修し、ぶかぶかに腐った床を貼り直す。自分の手でコンクリートを練り、床に少しずつ敷いていく。
建築の世界を知っている自分から見ても、それはそれは気の遠くなるような作業を、一人黙々とこなしていた。彼が造ろうとしているのは、自宅兼用の吹きガラス工房。
建物の直ぐ後ろには、鬱蒼と生い茂った竹やぶが、家を飲み込もうかとするように、両手を大きく広げている。いくら資金が少ないとは言え、こんな場所と家を選ばなくても・・・と思ってしまう。リフォームは完成するのか? ガラス工房は軌道に乗るのか? 傍から見れば気になる所だらけなのに、「とにかく虫が凄いんですよ~」と、虫の事を気にする彼の笑顔には、なんの迷いも無い。
その行動を、「若さゆえの無謀」と笑うことは簡単だが、自分の目標に向かって、がむしゃらにもがく姿を、やりもしない、出来もしない人間が、どうして笑うことが出来るだろう。そのパワーと行動力に、独立した当時の、自分の姿を思い出してしまった。毎日仕事も無く、暇と夢だけを抱えて生きていた、あの頃の自分を。
空地を見つけては勝手にプランを書き、地主のところに「こんな建物建てませんか?」と、尋ねてみたこともあった。ブログやHPなど無く、ワープロで書き綴った原稿を、コピー機で印刷して作ったミニコミ誌。近所のレストランやホテルに置かせて貰うために、飛び込み出回っていたあの頃の、幼稚で稚拙な行動と、無知で粗野な考え方ばかりしていたあの頃の自分を、今の自分が笑うことは出来ない。
「7月から少しずつでもガラスの制作活動に入りたい」と、話していた彼のこれからに、心からエールを送りたい。そして夏になったら、必ず遊びに行こうと思っている。
ふと見ると、家の正面に「たばこ」の文字を見つけた。もとは雑貨屋さんだったのだろう。モルタルで、擬木風に作られた「たばこ」の文字が、なんだかとても優しく見える。「こ」の字が笑っているかの様にさえ見えた、山の中のガラス工房だった。
神奈川県小田原市荻窪314正和ビルみなみ302
天工舎一級建築事務所
TEL 0465-35-1464
E-mail toshio0223@k-tantei.com
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その丹沢湖の北側に、築40年以上が経ち、人が住まなくなってからからも20年以上経つ、一軒の空き家を買い求めた青年にお会いした。
少し離れた場所にキャンプ場はあるが、周囲に民家は少なく、夜になると頼れるのは月明かりだけのような場所。そんな場所に建つ廃屋同然の建物を買い取り、自分ひとりの手で補修改造していたのだ。朽ちた柱を補修し、ぶかぶかに腐った床を貼り直す。自分の手でコンクリートを練り、床に少しずつ敷いていく。
建築の世界を知っている自分から見ても、それはそれは気の遠くなるような作業を、そんな場所で一人黙々とこなしている。彼が造ろうとしているのは、自宅兼用の吹きガラスの工房らしい。
建物の直ぐ後ろには、鬱蒼と生い茂った竹やぶが、家を飲み込もうかとするように、家を包み込もうとしている。家に迫る石積みは、一体何年、そこにそうしていたのだろうと想像させる。
少し離れた場所にキャンプ場があるが、周囲に民家はほとんど建っておらず、夜になると頼れるのは月明かりだけのような場所。そんな場所に建つ廃屋同然の建物を買い取り、自分ひとりの手で補修改造していたのです。朽ちた柱を補修し、ぶかぶかに腐った床を貼り直す。自分の手でコンクリートを練り、床に少しずつ敷いていく。
建築の世界を知っている自分から見ても、それはそれは気の遠くなるような作業を、一人黙々とこなしていた。彼が造ろうとしているのは、自宅兼用の吹きガラス工房。
建物の直ぐ後ろには、鬱蒼と生い茂った竹やぶが、家を飲み込もうかとするように、両手を大きく広げている。いくら資金が少ないとは言え、こんな場所と家を選ばなくても・・・と思ってしまう。リフォームは完成するのか? ガラス工房は軌道に乗るのか? 傍から見れば気になる所だらけなのに、「とにかく虫が凄いんですよ~」と、虫の事を気にする彼の笑顔には、なんの迷いも無い。
その行動を、「若さゆえの無謀」と笑うことは簡単だが、自分の目標に向かって、がむしゃらにもがく姿を、やりもしない、出来もしない人間が、どうして笑うことが出来るだろう。そのパワーと行動力に、独立した当時の、自分の姿を思い出してしまった。毎日仕事も無く、暇と夢だけを抱えて生きていた、あの頃の自分を。
空地を見つけては勝手にプランを書き、地主のところに「こんな建物建てませんか?」と、尋ねてみたこともあった。ブログやHPなど無く、ワープロで書き綴った原稿を、コピー機で印刷して作ったミニコミ誌。近所のレストランやホテルに置かせて貰うために、飛び込み出回っていたあの頃の、幼稚で稚拙な行動と、無知で粗野な考え方ばかりしていたあの頃の自分を、今の自分が笑うことは出来ない。
「7月から少しずつでもガラスの制作活動に入りたい」と、話していた彼のこれからに、心からエールを送りたい。そして夏になったら、必ず遊びに行こうと思っている。
ふと見ると、家の正面に「たばこ」の文字を見つけた。もとは雑貨屋さんだったのだろう。モルタルで、擬木風に作られた「たばこ」の文字が、なんだかとても優しく見える。「こ」の字が笑っているかの様にさえ見えた、山の中のガラス工房だった。
神奈川県小田原市荻窪314正和ビルみなみ302
天工舎一級建築事務所
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E-mail toshio0223@k-tantei.com
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Category: General
Posted by: tenkoushya
sakuranbou wrote:
たまたま、立ち寄らせていただきました。
中途半端に都会、中途半端に過疎のこの地域という事で物件情報を探しておりました。
秦野から松田、南足柄まででもしも古家?付き中古物件なんてあったら教えてください。