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仕事を行う時、それは具体的には「お金」に置き換えられます。
家というものを考えると、
その価格を総額や「坪単価」ということで表したりします。
細かい部分では、この外壁は材料と張り手間あわせていくらになる
という形で、平米単価で表したりします。

ところが、同じ材料を使ったとしても、
その職人、職人で、仕上がりの状態が違ってしまいます。
大工さんの仕事も、和風の仕事では、
その技量が細かい部分にはっきりと現れます。

同様に、とても良く分かるのが左官仕事です。
今ではタイルを張るという仕事は非常に少なくなりましたが、
同じタイルを張る仕事でも、その職人さんの技量で、
私たちプロの目でみると、物凄い「差」が出ることを経験します。
タイルも、張り易いように台紙に張ってあるものを使うのが一般的ですが、
それでも、張り上がりには「差」が出ます。
又、洗い出しという仕上げも、「差」が出る仕上げです。

その「差」が、職人の技量の差です。
どの職人がどんな仕事をするのか、その技量を良く理解して
やらせるのであれば良いのですが、
仕事をこなす事が優先になると、その技量を配慮しない形となる事もある訳です。

例えば、非常に単価の低い現場での仕事であっても、
技量のある職人は、文句無く素晴らしい仕上がりとしてしまいます。
反対に、いくら単価の良い仕事であっても、
技量の低い職人の仕事は、その技量以上の仕上がりとはならないのです。

職人の手を通して作るものは、そういう部分が確実にあるのです。
もちろん、仕事をする職人は、常に全力を尽くします。
それが職人というものです。
それでも、その人それぞれの技量の違いは確実にあるのです。