2010年 6月の記事一覧

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10年06月23日 21時29分19秒
Posted by: truthroad
設計事務所の関わる仕事として、
施工業者から提出される見積書のチェックという業務があります。

その見積りの前提として、
新築であれば、
数十枚の図面に、現場説明時には補足資料を付けます。
又、リフォームの場合は、
その工事の内容により図面枚数は大きく変わり、
新築の場合と近かったり、半分だったり、
少ない場合は10枚程度の時もありますが、
正確な見積りをして頂くために、
新築同様に現場説明時に補足資料も付ける事になります。
それを元に、施工予定業者に見積りを実施して頂く形となります。

そんな見積書に関連して、
ケースとしてはとても少ないのですが、
時として、見積書のチェックだけを依頼される場合があります。

そのようなケースでは、
その見積りの元になっている図面等の資料も数枚、
そして見積書を眺めても、記載事項が曖昧・・・という場合が多く、
そうなると、チェックに必要な工事内容の把握が
きちんと出来ないことになり、
「申し訳ないけど、ある程度の大雑把なチェックしか出来ませんよ」
とお答えするしかありません。
その答に、多くの場合、相手の方は
「何故!?」と不思議そうな顔をされます。
その方の頭の中は『この見積書のチェックが出来ない? どうして?』
と混乱状態にあると思われます。

そんな相手に、私は既に終わった物件の設計図をお見せして、
「この位描いてないと、正確な見積りは出来ないんですよ。
更に言うと、これだけ描いてあっても、見積り上完璧かと言うと、
そうではなくて、業者が見積りする場合には、
その作業中に幾つかの質疑応答のやり取りもあって、
それで何とか正確な見積りをしてもらうんですよ」とお話しします。

そして、重ねて言います。
「私はこの見積書にけちをつけている訳ではありません。
この見積りをした業者の方の頭の中には、
今見て頂いている図面と同じ様なものがあるんだと思います。
しかし、それはその方の頭の中にあるのであって、
第三者の私やあなたがその全部を見る事が出来ないという状態なのです。
ここにある図面だけで分かるのは、そのほんの一部分だけなので、
もし、その方の頭の中の資料を見せて頂ければ、
喜んできちんとしたチェックをさせて頂きます。
もちろん、先程も言いましたように、大雑把で良ければ、
それなりのチェックは致します」と。

見積書をチェックする時、
実はチェックする《元となるもの》がとても重要なのです。
いくらプロであっても、曖昧模糊としている状態では、
正確な《チェック》はとても出来ないのです。
10年06月06日 11時21分05秒
Posted by: truthroad
暫くブログの更新が出来ないでいました。

4月初めに身内を亡くし、その余波から
なかなかブログに向かう事が出来ませんでした。

今回、本人の希望から「家族葬」という形で、極近しい方々のみで
自宅で葬儀を行いました。

近年、葬儀と言えばセレモニーホールと決まっている感がありますが、
普通の小さな一般住宅で、
8帖と6帖の続き間で、本当にささやかにその「魂」を送りました。

本人は「昔は自分の家で皆死んでいった」と生前に言っていて、
自宅で最後を迎える事を臨んでいましたが、
それは残念ながら叶いませんでした。

しかし、入院後数日で亡くなる形で、
数日前まで、自宅で過ごせ、その記憶も鮮明な内の最後でしたし、
入院先のスタッフの方々も親身に対応して下さり、
亡くなる前に「家に帰りたい」という言葉もなかったので、
ホッとしています。

そして、最後の最後、その「魂」を送るのは、希望通りに自宅で
出来たのはせめてのもの事と思っています。

実際には、一般住宅故、玄関は狭いし、
続き間も極親しい方々だけでもかなりきつい状況で、
葬儀を自宅で行うことの大変さは色々ありましたが、
「家」に関わる仕事をしている私自身、
葬儀というものを通して、そして人が亡くなるという事を通して、
「家」について、これまで考えもしなかった部分が
今回、見えたように思います。
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