2009年 11月の記事一覧

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09年11月29日 19時16分57秒
Posted by: truthroad
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私はいつも施主の施工参加を推奨しています。
一番多いのは、床の塗装です。
もちろん、それには施工側の全面的協力が必要です。
工事中に現場で行う作業の場合は、
いわゆる「工程」や「段取り」にからみ、
私はその橋渡し的な立場で動くことになります。

今回のリフォーム工事では、二つの施工参加をして頂きました。

一つは、床に張る杉板の塗装です。
今回は、施主の都合を考え、現場での作業ではなく、
張る前の段階で塗る形としました。

施主施工の利点は、金額面でのダウンという点もありますし、
自分達も工事に直接関わる「充実感」や「達成感」も大きいと思います。
又、自分の家だから、多少下手でも・・・という気軽さもあります。

金額的な部分では、
大雑把に言えば、工事費が材料と手間代に分けられますので、
その中で大きい手間代がすっかり浮く形ですから、
かなりの「お得感」があります。
もちろん、実際に身体を動かす大変さはありますが、
それも前述の「充実感」や「達成感」に、
間違いなく変わります。

施主施工の方針を決め、私の方で作業の場所の確保について、
施工会社に打診し、快く作業場の一部を提供して頂く事になり、
実現に向けて大きく前進です!

次に、塗料をどうするかという点で、施主と検討を行いました。
当初は、柿渋塗りを考えていましたが、
張る前に塗るという事で、
補修の簡単な「オイル系」のものにする事にしました。
塗料については、色々な選択肢がありましたが、
施工の簡単さ等を考えて、「米ぬか」を主原料にした塗料に決定しました。
その塗料も、施主サイドに直接購入してもらいました。
(購入ルート等は、きちんとこちらでアドバイスしました)
《遣れることは出来るだけ自分達で》が原則です。

塗装する杉板は、約7帖の部屋で4部屋分というボリュームで、
詰まれた床板の束を見て、「かなり大変そう」と、
お客さんも感じたようです。
しかし、実際に作業を始めて、最初こそ要領がつかめず、
戸惑いもあり、作業の進みも悪かったのですが、
段々「塗装屋?」さんに変身していき、
作業スペースの広さも幸いして、
ご夫婦で、何と半日で全作業を終了することが出来ました。

快く作業スペースを提供して下さった施工会社に感謝です!!
09年11月13日 19時57分13秒
Posted by: truthroad
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リフォーム工事の難しい点は、
「解体しないと分からない」という部分を多く含む点です。
逆に言えば、解体すれば、きちんと状況把握が出来るという事でもあります。

その意味で、「解体する部分」を広げることで、
「把握」が確実なものとなり、
その建物の見えなかった欠点を明確に出来ます。

但し、解体を行えば、復旧の費用も必要となり、
〈安さ〉ばかりに重きを置くと、
「分からない」事項はそのままで、完工する事となります。
その「あんばい」が、リフォーム工事の大きなポイントであると思います。

今回の物件でも、解体により「?」だった所が
次第にはっきりしてきました。
それが良い面だったり、悪い面だったりと「現実」が突きつけられ、
その時点で構造計画等の「軌道修正」も行わなければなりませんでした。

経過(2)で、今回の物件は外周りの全面的な解体に至った
経過にふれました。
その解体により、色々な事が「明確化」してきました。

①スジカイが実際には図面通りに入っていない所があった。
②スジカイ及び柱頭、柱脚はプレートの取り付けがされていた。
③外周りに内装で使うラスボードが張られていた。(理由は分からず)

①より、既存図面の情報で行っていた耐震診断を
やり直す事となりました。
②により、それ以前の耐震診断では、柱頭、柱脚は
「金物なし」の計算をしていましたので、「金物あり」と直しました。
但し、スジカイについては、現在使われている金物とは違う
簡単なものでしたので、この部分はそのままの診断内容としました。

更に、内部の解体では、
内部のスジカイがボード下地の胴縁により
見事に欠き込みされている事が分かりました。
普通では考えられない事で、
これにはかなりのショックを受けました。

結局、内部のスジカイは耐震診断の上では、
全く評価しないこととし、
当初予定していた耐力壁とする部分を
外部を中心に新たに9箇所追加する事とし、
結果、評点がほぼ「1」に近い数値になる形にしました。

この軌道修正も、外部の全面張替えという流れがあったから出来た事であり、
更には、断熱材の施工不備の補完も行う事も出来ました。
09年11月01日 11時12分32秒
Posted by: truthroad
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数年前、地域でもデザイン力のある施工会社で
計画を進めていたが、なかなかプランが纏まらないというお客さんと
ひょんな事から出会うこととなりました。

計画を進めていたその施工会社でも、
対応の限界を感じていたような状況であり、
お客さんの方も、かなりストレスを抱えている感じで、
切り替えの可能性有りという事で、
私の方でもプランを提示する事となりました。

プランを考えるにあたり、
お客さんより、幾つかのキーワードを頂き、
それを念頭にプランニングを行いました。

そのキーワードは、一繋がりになるような関連性もなく、
しかし、そのお客さんの目指すものが確実に散りばめられている
そのようなものでした。

そのキーワードの中の「砦」という一語が
プランニングの大きな方向性を示してくれるように
感じました。

もちろん、最初のプラン提示でOKが出る訳もありませんでした。
しかし、お客さんの方で、これまでの会社から出てくる
〈何となく想像がつくプラン〉とは違う、
何か可能性を感じて頂けたようでした。

プランニングを提示して、打ち合わせを重ねること、
二十回近くで、漸くある方向性が出てきました。
提示したプランの種類はかなりの数に達していました。

写真は南面ですが、
1階は前面に組み込みガレージとオープンガレージがならび、
写真ではちょっと分かり難いのですが、右側にアプローチが見えるだけです。
2階部分も、二つの窓と黒い板を張った外皮が見え、
将に「砦」のキーワードが表現された外観となったように思います。
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