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リフォーム工事の難しい点は、
「解体しないと分からない」という部分を多く含む点です。
逆に言えば、解体すれば、きちんと状況把握が出来るという事でもあります。

その意味で、「解体する部分」を広げることで、
「把握」が確実なものとなり、
その建物の見えなかった欠点を明確に出来ます。

但し、解体を行えば、復旧の費用も必要となり、
〈安さ〉ばかりに重きを置くと、
「分からない」事項はそのままで、完工する事となります。
その「あんばい」が、リフォーム工事の大きなポイントであると思います。

今回の物件でも、解体により「?」だった所が
次第にはっきりしてきました。
それが良い面だったり、悪い面だったりと「現実」が突きつけられ、
その時点で構造計画等の「軌道修正」も行わなければなりませんでした。

経過(2)で、今回の物件は外周りの全面的な解体に至った
経過にふれました。
その解体により、色々な事が「明確化」してきました。

①スジカイが実際には図面通りに入っていない所があった。
②スジカイ及び柱頭、柱脚はプレートの取り付けがされていた。
③外周りに内装で使うラスボードが張られていた。(理由は分からず)

①より、既存図面の情報で行っていた耐震診断を
やり直す事となりました。
②により、それ以前の耐震診断では、柱頭、柱脚は
「金物なし」の計算をしていましたので、「金物あり」と直しました。
但し、スジカイについては、現在使われている金物とは違う
簡単なものでしたので、この部分はそのままの診断内容としました。

更に、内部の解体では、
内部のスジカイがボード下地の胴縁により
見事に欠き込みされている事が分かりました。
普通では考えられない事で、
これにはかなりのショックを受けました。

結局、内部のスジカイは耐震診断の上では、
全く評価しないこととし、
当初予定していた耐力壁とする部分を
外部を中心に新たに9箇所追加する事とし、
結果、評点がほぼ「1」に近い数値になる形にしました。

この軌道修正も、外部の全面張替えという流れがあったから出来た事であり、
更には、断熱材の施工不備の補完も行う事も出来ました。